第31部
夏休みの海辺。白い砂浜が果てしなく続く海岸辺りの豪華な別荘
夜遅くとの子も藤堂も寝静まった別荘のベランダにのぶ美とジュノが並んで星空を見上げている。
ーーこの別荘は、藤堂の母親ととの子の母欧井戸縫子は姉妹だ、が、姉妹が父親(との子の母方のお爺ちゃん)から相続した二人の娘の共同名義の別荘だそうだ。
今、のぶ美の横にいるのはジュノではなかった。
「のぶ美おばあちゃんもけっこう頑張ったね」とのぶ美の孫で数億年の未来から来た未来人ノブミが笑って言った。ノブミはジュノに瓜二つの美少女で同じ髪型をしている。
昼間、砂浜で、彼女はジュノと入れ替わり、ビーチバレー大会に参加して
炎天下の砂浜で水着で汗を流したのだった。
「私嬉しかったよ。のぶ美おばあちゃんがママを命がけで守ってくれて。
ママはおかげで未来世界の極刑である囚人惑星の過酷な環境でも
生き延びてきっと刑期を満了し帰ることができると信じている。
きっと、ママは私とパパのところへ無事に帰ってきてくれる」
とノブミは眼をキラキラ輝かせて嬉しそう。
初めて未来からやってきたジュノの持ち主ノブミは
あの大山ぶの代の起こした最終戦争の後のことや
その他の色んなことをのぶ美に語ってくれた。
未来地球軍のハピノ・プラギアリア少尉がのぶ美たち五人を元の時間に送り返した後
未来地球軍は地球の全土を幾か所も超巨大な半球形のドーム(ジュノが作るのと同じもの)を作り
時間を逆転させて
死んだすべての人を生き返らせたそうだ。
壊れた地球の都市の全ても、その半球形のドームを作り
ものすごく超巨大なドームを作り
都市そのものを破壊される前の時間にまで戻して、都市は何一つ壊れたとこもなく
あの戦いで、誰一人死なず、
何一つ失われた物はなかった。
幼い5人の弟妹たちがぶの代お姉ちゃんを失ったことぐらいだ。
24年後のの36歳の大山のぶ美も、37歳の藤堂自然も、その半球形の時間を逆転させるドームによって、
生き返った。
大山のぶ美と藤堂自然の5人の幼い息子娘たちは養護施設に引き取られたそうだ。
大山ぶの代は、
21世紀の日本人少女ではあったが
時間法及び宇宙法違反現行犯と全人類生存反逆罪という大罪で、
タイプ4文明の超銀河文明帝国の未来の法廷で裁かれた。
極刑である囚人惑星での『生き延びる刑』という判決を受けた。
その裁判を受けている期間に、大山ぶの代に同情し、手紙を送った未来人の若い男性がいた。
その男性がノブミのパパだった。
手紙をやり取りする間に二人の間に愛が芽生え、大山ぶの代は彼と獄中結婚をした。
そしてノブミが産まれた。
ノブミは、パパと幸せに暮らしている。
はるかな数億年の未来都市
超銀河文明帝国の宇宙都市で暮らしているそうだ。
未来の世界では猫型子守ロボットが大人気だ。
ジュノは人間型お友達ロボット
家庭用ロボットの『執事用ロボット』である
ジュノは未来人ノブミのプライベートコンシェルジュ・アンドロイドだ
「ねえねえ、あのあと、破壊された都市が本当に元道理に直されるところを見てみたい」とのぶ美はノブミに言った。
「いいよ」ノブミは気軽に笑うと、ツイと手をかざした。
周りの景色が変わり のぶ美は超空間の中にいた。
「ここは超空間のタイムトンネルだよ」と言うノブミの後にのぶ美はついていく。
左右上下に色々な時間の場面のボールが浮かんでいる。
その中から、ノブミはハピノ・プラギアリア少尉が敬礼して
のぶ美たち5人を元の時間に送ったその直後の画像のボールを示した。
「ここから入るね」ノブミはそのまま、まるで水面に入るようにその画像のボールの中へ入って行く。
ハピノ少尉はのぶ美を見ても何の反応も示さない。どうやらノブミとのぶ美の姿は見えないようだ。
人も、建物も突き抜けるのはポピに乗ってた非実体のときと同じ感じだ。
と、いきなりポピが、のぶ美の眼の前に現れた。
「ポピポピポピピ」と非常に嬉しそうにのぶ美の周りにまとわりつく。
「ポピちゃんは私が未来で飼ってるよ」とノブミが笑った。
いきなりノブミが二人になった。
それはジュノだった。「エヘヘヘ」とジュノが笑う。
本当にノブミと瓜二つでまさに双子だ。
未来地球軍の巨大ロボットが超巨大な半球形のドームを作り、次々と都市を時間を逆転させて復元していく。
緑色のアーマノイドスーツを着た人々が、地面に転がって風に吹かれている白い灰に、
ジュノの作るような小さな半球形のドームを作り、時間を逆転させると、
白い灰は見る見る人の姿になり、完全な骸骨になった。
それにフィルムの逆回しの様に肉がもどり、完全な人間たちの姿に戻り、
そして、殺される前の、生きた人間だった時の時間に戻されていく。
何百万人もの緑色のアーマノイドスーツを着た人々があらゆる場所で半球形のドームを作り時間を逆転させて、人々を生き返らせ続けている。
「未来人も働き者だねえ」とのぶ美が言うと、「あそこに人間はいないよ」とノブミ
「人間はどこにいるの?」「銀色の全身スーツを着た人だけが人間だよ」とノブミ。
何百万人もの緑色のアーマノイドスーツを着た人たちは、アンドロイドたちだった。
彼らとそれから何千体もの巨大ロボットたちは、地球上中で、いくつもの半球形のドームを作り
時間を逆転させて、全ての都市を復元し、犠牲になったすべての人間を生き返らせた。
地球の夜が開ける頃にーーーー明け方に、その作業は終了した。
全体の進行具合を監視している司令官らしい大空に浮かんでいた銀色の全身スーツを着た筋肉美の大男が、こちらを見て「ん?!」と言った。
そしてスーッとノブミとのぶ美の方へ近づいてくると
「やあ、僕は緋色・レス・インモービリス大将だけど、きみはのぶ美さんだね?
このたびはきみの決死の活躍で、
まだ、大山ぶの代さんの精神を解放するのにかなり手荒なことをしなければならなかったのだが、
のぶ美さん、あなたのおかげでそれをせずに済んだ。
おかげでアンドロイドの犠牲も出さずに済んだ。
彼女はきっと、囚人惑星イプシロンで生きるという、あの極刑を、生き延びて帰れるよ。
非特異的にっ!」とキラリを歯をみせて、わっはっはっは!と豪傑笑いをした
----陽気な全権総指揮官さんだ。
のぶ美はお礼を緋色・レス・インモービリス大将に言った。「ありがとう、おかげさまで、すべて元通りになりました。感謝です」
緋色・レス・インモービリス大将は、二人に向かってキラリと歯を光らせて親指をぐっと立てた。
ノブミとジュノとのぶ美は超空間に戻り
超空間から元時間のとの子の別荘のバルコニーに帰った。
「じゃあ、私はこれで未来に帰るね」とノブミは、二人に手を振ると、そのまま消えた。
夜中の海岸のとの子と藤堂の母親姉妹の別荘は、夜が更けていく月明かりに白く建物がくっきり見えた。
のぶ美とジュノも二人のあてがわれた部屋に戻り、そのまま、眠りについた。




