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七つの石を集めて願いの叶うトラウマボールが? 最終戦争(ハルマゲドン)へ?!

 ジュノはのぶ美の頭を、冷蔵庫から出した氷とビニール袋で氷嚢を作って冷やして、のぶ美をうちわで煽いだ。

 のぶ美は介抱されて目を開けた。

「ねえねえ、あれの未来タイムテレビって……嘘の創作話だよね?」


 内容がかなりシュールでシリアスなとこもあるので、ジュノは予め忖度して、映像の絵柄を三等身のギャグアニメ絵柄に指定していた。なので、のぶ美は、それを創作アニメだと思おうとしている。

「いや、あれは本当の話だよ。でも絶対じゃないけどね。起こりうる未来の一つなだけ」

「まあ、なんにしても、面白いアニメだったわ。あっはっはっは……」

 のぶ美の顔はまだ引きつっているが、のぶ美は少し元気を取り戻した。

 そして、さらに、ジュノに向かって、キラリと眼が光った。「ねえねえねえねえ、ジュノちゃんさま、あのさ、私が藤堂自然君とお付き合いできる道具ってない?」

「無くは無いけど……それを埋め合わす努力を強制的に強いられるよ? それで『お願い』したらさ……」



「その手のお願いなら、『トラウマボール』になるわね」「なにそれ?」「ミニゲームをやって七個の石ころを集めると一個のトラウマボールになるというミニゲームをクリアする必要があるわ」

 ジャジャ~ン!

 ジュノは小さなミニゲームを出した。のぶ美はそれをジュノの手から引っ手繰ると、たちまちクリアして七つの石を集めトラウマボールにした。

 ーーミニゲーム画面に黄色と黒のトラ縞の威厳のある偉そうなシマウマが現れた。顔はドラゴンみたいでうろこがあって蝙蝠の羽が生えている。「そのほう、願いを言うがよい!」


 ジュノは「ミニゲームは簡単なんだけど、そのトラウマボールで願いをかけると、非常にシリアスな状況になるよ? 本当にいいんだね?」ジュノは続ける「未来タイムテレビで、あなたと藤堂くんにはえにしがあるとわかったから、願いは叶うはずだけど」


「願いが叶うんでしょ? 藤堂自然君とお付き合いできるという?」「うんっ!」「なら、どんな苦労だって屁の河童よっ!」「……あのさ、もっと簡単にゆっくり、時間をかけて少しずつクリアする『魔法のランプっ子 みっつの願い』ていうのにしたらどう? 願い叶うのに一年位掛かるけど 叶わない確率は50%あるけれど。まあ努力したあげくパアってこともある道具だけどさ スローライフ的でいいよっ!」

「そんなん 嫌だっ!」


 そのとき、ゲームから、ナレーションが聞こえてきた。「トラウマボールの願いはどうしますか?」

「はいはいはいはい。叶えたいです」「では願いを言ってください」

「二年生の男子の藤堂自然君とお付き合いをしたいです。相思相愛で」「ではその願いを叶えるための『時間のひずみ強制執行』に同意しますか?」「しますっ!」「もう一度言いますか、同意しますね」「しますっ!」「OK。願いは叶えられます」

 ……とゲームのナレーションは言ったっきり、静かになってしまった……

「なによ? 何も起こらないじゃない」「これから起きるよ」ジュノは表情が変わり、いつもクールなジュノがなぜか少しビクビクし緊張しているようだ。



 そのとき、ガタガタとのぶ美の家の二人がいる和室の押し入れの中から音がした。


 ーーおかしいな、三つ子の妹たちとパパとママは遊園地の妖怪ボッケモンモンショーの招待券が当たり、朝から出かけて夜まで帰らないはずだけどーー


 なんと、押し入れから出てきたのは、妖怪座敷童ようかいざしきわらし……じゃなくて、それは赤いかすりの浴衣を着た欧井戸との子だった。日本人形の様な顔立ちの美少女は微笑んで早口で喋った。

「この浴衣は母の手作りですのよ。我が家の家族はわたくしハジメ普段は和装を好んでますの」ーーそんなこと聞いてないわっ!ーー


「げえっ! なんであなたが私んちの押し入れに?」


「あら、あなたのお母様とは、お姉さまと、私の妹のとの子ちゃん、と呼び合うご関係ですわよっ。あなたのお母様はうちのパパの会社欧井戸ファンドの社長ブレーンなのはご存知よね?」

「知らないわよっ」

「じゃあ、そうなのよ。あなたのママはパパに信頼されてる部下で私のママとも親しい親友同士なのよ」

「ママは、三つ子が産まれて会社は辞めたはずじゃ?」

「休職してらっしゃるだけよ」

「それで、なんであなたがうちの押し入れに居る訳?」とのぶ美。


 との子は平気な顔で


「うちの両親が厳重すぎるセキュリティの機械をセットしてミスがあって家に入れなくなった時があったの」

「っ知るか」


「そのとき、都心で大きな国際会議やイベントが4,5個重なっててホテルの部屋が取れなくてね、二人は公的なスケジュールが講演とか観劇とかの予定がビッシリで、私をどうにもできなくて、暫く私のパパの命令で、私をあなたのママかよ子さんの家で七日ほど預かって頂いてたときがあるのよ」


「思い出したわ、確か私が小学二年くらい、うちのチビ達の歳位の時に、小憎らしい女の子が居候でうちに一週間ほど居たことがあったわっ!」

「ああ、そう言えば、あのときの可愛くないクソガキはあなただっけ?」ととの子。「わたくしは、幼い時から大人でしたのよ。わたくしその時にあなたのお母様と意気投合したのですわ。そしてわたくしからお願いしてかよ子さんのことを『わたくしのお姉さま』と呼ばせていただいてますわっ」


「なにそれ?」「心のお姉さまと妹の間柄ですわっ」


 ジュノが一言「ガールズラブ?」


 との子が「まあ、そうかもしれませんわね。

 それから、気が滅入ったり悩みのあるときは、いつでもうちへいらっしゃい。

 私が悩みを聞いて元気にしてあげるから。

 あなたは私たちの娘も同様よ、と、この家の合い鍵をお姉さまから頂いておりますのよ」


「きしょっっ!」とのぶ美。


「まあ、その小学二年の時の一週間ほどのホームステイをきっかけに、あなたのお父様も自分の娘の様に私の事を可愛がってくださってますわ。自分の家のように思って遊びにきていいよって、仰っていただいてますわよっ。

 それからちょくちょく来てますわよ。あなたとは偶然お会いしたことないけどね」

「で、なんでうちの家の押し入れにいるわけ?」


「ここが暗くて安心できて居心地いいからですわっ」「変態っ!」「失礼ですわねっ!」

「わたくし家ではこんな不作法は許されませんわっ。末はキュリーかサッチャーか、と両親に期待されてるわたくしには許されないことなんですわっ。」

「きゅうりかかぼちゃか知らんが他人の家の押し入れから出てきて威張ることかっ!」


 欧井戸との子は言った「わたくしもあなたの未来タイムテレビとかいう創作アニメ、押し入れの中から襖を少し開けて全部鑑賞させて頂きましわっ」


「こらーー個人情報を何だと思ってるのよっ」

「なかなか面白い創作アニメでしたわねっ。便利なツールをお持ちのようなのね」


 そのとき、あたりの空間が歪んだーー!!

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