セロフィート
「 賢い怪物は、襲い易い≪ 集落 ≫≪ 村落 ≫を襲います。
現段階では──、ですけど 」
マオ
「 ………………小鬼ってさ、凶暴なのか? 」
セロフィート
「 先ず話は通じません。
見付かれば、十中八九襲って来るでしょうね 」
マオ
「 …………。
なぁ、セロ。
小鬼ってさ、〈 時空の亀裂 〉の悪影響を受けた動物が突然変異した怪物なのか?? 」
セロフィート
「 其の可能性は低いです。
〈 時空の亀裂 〉を通り、≪ エルゼシア大陸 ≫へ迷い込んだ別世界の怪物でしょう。
〈 時空の亀裂 〉を通り抜ける間に悪影響を受けますから、凶暴性も増してます。
〈 時空の亀裂 〉が存在している限りは、悪影響を受け続けます。
大鬼は小鬼が進化した姿ですし、豬鬼は豚鬼が進化した姿です。
此から様々な怪物が〈 時空の亀裂 〉を通り、≪ エルゼシア大陸 ≫へ現れます。
依頼書の数も今より確実に増えて来ます。
──マオ、 “ 冒険者でガッポリ ” 出来ますね♪ 」
マオ
「 そ、そだな……。
( …………やっぱり、オレの所為なんだよな…。
オレが〈 皇 〉になる事を拒んでるから……。
其の所為で……〈 時空の亀裂 〉を通って来た怪物に、抵抗する手段を持たない人間が沢山襲われる事になって……。
オレが我が儘を貫いてる所為で……。
でも、だけど…其でもオレは…………セロと一緒に旅を続けたい…… )
──セロ。
オレ、此の依頼を受けたい!
オレが〈 皇 〉になる事を嫌がってる事が原因なんだ。
小鬼退治するよ。
小鬼のボスって、大鬼なのか? 」
セロフィート
「 どうでしょう?
ボスなら、洞窟の奥に居るかも知れません 」
マオ
「 森の奥にある洞窟だっけ?
≪ 町 ≫から近い森って、結構広かったよな?
小鬼の洞窟を探すの大変そうだな…… 」
セロフィート
「 ふふふ。
其も冒険者の醍醐味ですよ、マオ。
決まったなら、受け付けへ行きましょう 」
マオ
「 うん! 」
マオ,セロフィート,フィンフィ精せいレイナ族ぞく,ニ器きュイ人にんリ形かは、回かい覧らん室しつを出でた。
──*──*──*── 受け付けカウンター
セロフィート
「 依い頼らい書しょ、有あり難がとう御ご座ざいました。
受うけたい依い頼らいに栞しおりを挟はさみました。
お願ねがいします 」
受付嬢
「 はい。
かしこまりました 」
セロフィートは番ばん号ごうの書かかれた栞しおりを挟はさんだ依い頼らい書しょを受うけ付つけ嬢じょうへ手て渡わたした。
受付嬢
「 確かく認にんさせていただきます。
ランクAエィパープル,ランクBビィブルー,ランクCシィグリーン,ランクCシィグリーン,ランクDディイエローの依い頼らいですね。
えぇと……セロフィートさんのパーティーは今いま迄までに依い頼らいを受うけた事ことは、おありですか? 」
セロフィート
「 ないです。
先さき程ほど、冒ぼう険けん者しゃ登とう録ろくを済すませたばかりです。
初はじめての依い頼らいです 」
受付嬢
「 そうですか。
では、パーティー名めいを決きめてください 」
マオ
「 パーティー名めい?? 」
受付嬢
「 はい。
全すべての依い頼らいはパーティー名めいで登とう録ろくする仕し組くみとなっております 」
マオ
「 へぇ?
セロ、どうしよう?
オレ、何なんにも浮うかばないんだけど…… 」
セロフィート
「 そうですね…。
覚おぼえ易やすい名な前まえにしましょう 」
マオ
「 う〜ん……。
セロが決きめてよ。
セロがリーダーだし 」
セロフィート
「 ワタシに任ませますか。
そうですね……。
──では、 “ Sサムシング・Gグレート ” にしましょう 」
マオ
「 は?
Sサムシング・Gグレート??
其それって何なんか…………恥はずかしいっ!!
グレートはカッコイイ響ひびきだけど、一寸ちょっとか恥はずかしいよっ(////)
抑そもそも… “ Sサムシング・Gグレート ” って何なに?? 」
フィンフィレイナ
「 お馬ば鹿かさんねぇ、マオは!
【 宇う宙ちゅうコズモ大だいグレド自し然ぜんネイチャーを運うん営えい,運うん行こうしておられる目めには見めえない不ふ思し議ぎなお力ちからエネルギー 】若もしくは【 或ある大おおいなるお力ちからエネルギーの根こん原げん 】の事ことよ 」
マオ
「 長ながいよ、フィン… 」
セロフィート
「 簡かん単たんに言いえば〈 久く遠おん実じつ成じょう 〉であり、〈 大たい神しん陸りく仰こう神しん神しんエルゼシア 〉の事ことです。
パーティー名めいの登とう録ろくは “ Sサムシング・Gグレート ” にします。
ワタシ達たちは略りゃくして “ SサムGグ ” と呼よびましょう 」
マオ
「 略りゃくしちゃうのかよ…。
ま、まぁ…オレはいいけどさ 」
フィンフィレイナ
「 アタシ達たちが生いき続つづける為ためには、なくてはならないお力ちからエネルギーをパーティー名めいに選えらぶなんて、セロ様さま流さす石がです〜 」
セロフィート
「 ワタシ達たち──、此この大だいコ宇うズ宙ちゅうモスに存そん在ざいしている総すべての生せい命めいは “ 生いきている ” のではなく “ 生いかされている立たち場ばである ” という事ことを忘わすれてはいけません。
全すべての生せい命めいは、目めには見みえない大おおきな掌てのひらの上うえで転ころがされているゴマ粒つぶの様ような無む力りょくな存そん在ざいです。
其それを胸むねに刻きざみ、慢まん心しんせず、傲おごらず、謙けん虚きょに生いきなければなりません 」
マオ
「 何どの口くちが言いうんだよ 」