マオ
「 なぁ、セロ……。
〈 器人形 〉の着てる服ってワンピースか? 」
セロフィート
「 ゆったりした大きめのワンピースです。
髪と瞳の色に合わせて蒼色にしました。
フードには兎耳を付けて、後ろには大きめのリボンを付けて可愛くしてます。
にゅい、口から中に入りなさい 」
賢者の石:にゅい
「 にゅい?? 」
創造主であるセロフィートに絶対服従のにゅいは、命令された事に対して拒む事は出来ない。
にゅいは不安を抱きながらも、セロフィートが開けている〈 器人形 〉の口の中へジャンプをして飛び込んだ。
にゅいが〈 器人形 〉の中に入ると、〈 器人形 〉の肌の色が人間の肌の色に色付き始めた。
頬も唇も愛らしく色付いた。
マオ
「 ──うわっ!
本当の人間みたいになった!!
凄い……。
此なら〈 器人形 〉だってバレないよ!! 」
セロフィート
「 にゅい、目を開けなさい 」
器人形:にゅい
「 …………はい、ママ 」
マオ
「 ママ??
にゅいが喋った?!
≪ ダンジョン ≫じゃないのに! 」
セロフィート
「 にゅいの鳴き声を音声へ変換させてます。
此なら会話も出来ます 」
マオ
「 へぇ〜。
凄いなぁ〜。
声も可愛いよ 」
器人形:にゅい
「 パパ(////)
──と虫 」
フィンフィレイナ
「 はぁぁぁぁあああん?!
誰が虫ですってぇぇぇええええっ!!!! 」
器人形:にゅい
「 虫…、煩い 」
フィンフィレイナ
「 〜〜〜〜っ、こんのぉぉぉおおおおっ!! 」
セロフィート
「 お止めなさい。
此処で喧嘩をしてはいけません。
にゅい、ワタシ達は家族です。
“ フィン ” と名前で呼びなさい 」
器人形:にゅい
「 …………はい、ママ 」
セロフィート
「 宜しい。
──此がにゅいのマイバイ証です 」
セロフィートはマイバイ証専用のパスケースに入ったマイバイ証をにゅいへ手渡した。
器人形:にゅい
「 有り難う!
ママ(////)」
にゅいは手渡されたマイバイ証を見ながら嬉しそうに笑っている。
マオ
「 ………………えぇっ!?
セ、セロさん!!
何でにゅいのマイバイ証が此処にあるんだよ??
未だ登録もしてないのに!! 」
セロフィート
「 何を言います?
〈 テフの源みなもと 〉を構こう成せいして作つくりました。
ワタシの身み分ぶん証しょう明めい証しょうもフィンの身み分ぶん証しょう明めい証しょうと労ろう働どう許きょ可か証しょうも〈 テ原げん質しつフの源みなもと 〉を構こう成せいして作つくりました。
受うけ付つけの登とう録ろく記き録ろくは既すでに変かわってます 」
マオ
「 〜〜〜〜っセロ!!
そーーゆーーのを “ 犯はん罪ざい行こう為い ” って言いうんだぞ!! 」
セロフィート
「 マオ……。
ワタシ達たちは人にん間げんではないです。
人にん間げんの決きめたルールを律りち儀ぎに守まもる義ぎ理りはないです。
人にん間げんには、ワタシ達たちを裁さばく事ことは出で来きません。
解わかります?
好いい加か減げん、慣なれてください 」
マオ
「 無む理りだろ!!
あ゛ぁ〜〜も゛ぉ〜〜~っ!!
バレたらどうすんだよっ!! 」
セロフィート
「 此このマイバイ証しょうは本ほん物ものです。
安あん心しんしてください 」
マオ
「 そーーゆーー問もん題だいじゃない気きがするんだけど!! 」
フィンフィレイナ
「 うるっさいわねぇ!
セロ様さまが『 良いい 』って言いうんだから、此これで良いいのよ!
グダグダと詰つまんない事こと、言いってんじゃないのよ! 」
器人形:にゅい
「 パパマオ……。
ママセロフィートに任まかせとけば大だい丈じょう夫ぶだよ〜 」
マオ
「 にゅい賢者の石迄までセロの味み方かたなのかよ…… 」
マオは1人り、両りょう手てで頭あたまを抱かかえた。
人にん間げんが定さだめたルールを無む視しして、やりたい放ほう題だいなセロフィートと1000%パーセントセロフィートの味み方かたのフィン妖ようフィ精せいレイナ族ぞくとにゅい賢者の石を前まえにして、マオは自じ分ぶんが言いっている事ことが正ただしいのか、オカシイのか……分わからなくなって来きており、段だん々だんと自じ信しんが薄うすれて来きていた。
器人形:にゅい
「 わあっ!
パパマオ〜~~、見みて!
ボクの職しょく業ぎょう、錬れん金きん術じゅつ士しだよ〜 」
マオ
「 はぁ?
何なに言いってるんだよ。
錬れん金きん術じゅつ士しはオレの職しょく業ぎょうだろ? 」
セロフィート
「 マオの職しょく業ぎょうは双そう刀とう士しに変へん更こうしました 」
マオ
「 何い時つの間まに変かえたんだよ…… 」
セロフィート
「 超ちょうトラン越えつセンドの魔まマ法ほうギ使つかいタ,双そう刀とう士し,召しょう喚かん術じゅつ士し,錬れん金きん術じゅつ士しの4人にんパーティーになりました。
此これで依い頼らいを受うけれます 」
マオ
「 う〜ん…。
そうだけど……。
にゅい賢者の石は〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉の中なかに入はいってるだろ。
どうやって、物ぶっ体たいを黄おう金ごんに変かえたり、生せい物ぶつを溶とかして消しょう化かしたり出で来きるんだ? 」
セロフィート
「 生せい物ぶつを溶とかして消しょう化かするなら、にゅい賢者の石が〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉の口くちから出でて、対たい象しょうを呑のみ込こんでしまえば良よいだけです 」
マオ
「 口くちからスライム状じょうのにゅい賢者の石が出でて来くる??
…………ってか、其それ、怖こわっ!!
ホラーじゃんかよ!! 」
セロフィート
「 慣なれれば平へい気きになります。
大だい丈じょう夫ぶです、マオ。
直すぐに慣なれます 」
マオ
「 ……………………そ、ですか…… 」
セロフィート
「 物ぶっ体たいを黄おう金ごんへ変かえるならば、手てで触さわれば良よいです。
今いまは手て袋ぶくろをしてますから物ぶっ体たいを黄おう金ごんへ変かえる事ことは出で来きません 」
マオ
「 そうなんだ…。
必ひつ要ような時とき以い外がいは、手て袋ぶくろを外はずさない様ように気きを付つけないといけないんだな 」