マオ
「 ──じゃあさ、早速、依頼書を見せてもらおうよ! 」
セロフィート
「 はいはい。
受付嬢さん、依頼書を1冊お願いします 」
受付嬢
「 はい。
少々お待ちください 」
受付嬢は、依頼書を取りに行く為に受け付けカウンターから離れた。
セロフィートは受付嬢から手渡されたマイバイ証のパンフレットをポーチの中へ入れる。
マイバイ証専用のパスケースをマイバイ証と共にマオとフィンフィ精せいレイナ族ぞくへ手て渡わたした。
3人にんはマイバイ証しょう専せん用ようのパスケースに自じ分ぶんのマイバイ証しょうを入いれた。
マオ
「 此このマイバイ証しょうってカッコイイよな!
ブラックカードだもんな!
何なんか高こう級きゅうっぽい!! 」
フィンフィレイナ
「 カードの色いろ如ごときで喜よろこぶなんて子こ供どもねぇ〜。
馬ばっ鹿かみたい!
恥はずかしいんだから、静しずかにしてよね! 」
マオ
「 フィンこそ、其そのキンキン声ごえをどうにかしろよ。
耳みみが痛いたいよ 」
フィンフィレイナ
「 はぁぁぁぁあああああん?!
此これが、アタシの、地じ声ごえ・な・の!!
自し然ぜんな声こえ、なのよ。
一いっ致ちょ前まえに文もん句く言いうんじゃないわよ!!
いい事ことマオ、アンタはアタシの弟おとうと分ぶんなんだから、アタシを姉あねとして敬うやまうのが、アンタのするべき事ことなのよ!
ちゃんと解わかってんの? 」
マオ
「 ……………………分わかってるよ 」
フィンフィレイナ
「 フフン♪
解わかってるんだったらいいのよ!! 」
受付嬢
「 御お待またせ致いたしました。
依い頼らい書しょです。
彼方あちらの回かい覧らん室しつで、じっくり御ご覧らんください。
此方こちらは依い頼らい書しょの頁ページへ挟はさむ栞しおりです。
受うけたいと思おもった依い頼らいの頁ページに挟はさんでください 」
受うけ付つけ嬢じょうは冒ぼう険けん者しゃパーティーのリーダーとなったセロフィートへ依い頼らい書しょと5枚まいの栞しおりを手て渡わたした。
セロフィート
「 有あり難がとう御ご座ざいます。
お借かりします。
マオ,フィン、行いきましょう 」
受うけ付つけ嬢じょうから依い頼らい書しょと栞しおりを受うけ取とったセロフィートは回かい覧らん室しつへ向むかって歩あるき出だした。
──*──*──*── 回覧室前
回かい覧らん室しつは全すべてが個こ室しつとなっており、声こえが外そとに漏もれない様ようにと魔ま法ほう具ぐのドアが使つかわれていた。
マオ
「 未み使し用ようの回かい覧らん室しつはドアを開あけっ放ぱなしになってて、使し用よう中ちゅうの回かい覧らん室しつはドアを閉しめて区く別べつしてるんだな 」
フィンフィレイナ
「 早はやく入はいりましょ、セロ様さま 」
セロフィート
「 ──此この回かい覧らん室しつにしましょう 」
フィンフィレイナ
「 は〜〜〜い♪ 」
マオ
「 へぇ〜〜。
中なかは意い外がいと狭せまいんだな。
丸まるいテーブルと、1人り用ようのソファーが4つある 」
セロフィート
「 正せい式しきなパーティーメンバー数すうは4名めいの以い上じょうとなってます。
4名めいは最さい低てい人にん数ずうの様ようです 」
フィンフィレイナ
「 あら?
じゃあ、1人り足たりないって事ことになりますね〜〜 」
セロフィート
「 先まずは中なかへ入はいりましょう。
話はなしは其それからです 」
フィンフィレイナ
「 は〜〜い♪ 」
マオ
「 うん… 」
セロフィート,マオ,フィン妖ようフィ精せいレイナ族ぞくは、空あいている回かい覧らん室しつへ入はいった。
──*──*──*── 回覧室
回かい覧らん室しつへ入はいったセロフィートは、丸まるいテーブルの上うえに依い頼らい書しょと栞しおりを置おいた。
最さい後ごに回かい覧らん室しつへ入はいったマオは、ドアを閉しめると鍵かぎを掛かけた。
マオが1人り用ようのソファーへ腰こしを下おろして座すわったのを確かく認にんしたセロフィートは、マオの肩かたからジャンプしてテーブルの上うえに降おりたにゅい賢者の石を見みて、口くちを開ひらいた。
セロフィート
「 パーティーの4人にん目めはにゅい賢者の石にしましょう 」
マオ
「 へ?
にゅい賢者の石をパーティーに入いれるのか?
でもにゅい賢者の石はスライムだぞ 」
セロフィート
「 そうです。
此このままスライムの姿すがたでは冒ぼう険けん者しゃ登とう録ろくは出で来きません 」
マオ
「 なら、どうするんだ? 」
セロフィート
「 〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉を使ついます 」
マオ
「 器うつわき人にんにん形ぎょうか??
…………あっ、≪ ダンジョン ≫でセロが使つってる “ セフィ ” か?
彼あの戦せん闘とうの出で来きない役やく立たたずな “ セフィ ” を使つかうのか?? 」
セロフィート
「 “ セフィ ” は使つかいません。
他ほかの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉を使つかいます。
今こん回かいはちゃんとマオの手て助だすけの出で来きる戦せん闘とう用ようの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉を使つかいます。
安あん心しんしてください 」
マオ
「 そうなんだ?
良よかった!
──で、どんな〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉にするんだ? 」
セロフィート
「 敵てきを油ゆ断だんさせる為ために、少しょう女じょに見みえる男おとこの娘こ風ふうの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉にします 」
マオ
「 男おとこの娘こ風ふうの〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉ぁ?? 」
セロフィート
「 はい♪
今いま、出だします 」
セロフィートがそう言いった後あと、空あいているソファーの上うえに見みた事ことのない〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉が座すわった状じょう態たいで突とつ如じょ現あらわれた。
毎まい度どお馴な染じみ、セロフィートが古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせたのだ。
〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉は魔ま法ほうマジカル陣じんサークルから現あらわれた。
マオ
「 相あい変かわらず、生いきてるみたいな〈 器うつわき人にんにん形ぎょうか 〉だよな……。
眠ねむってるみたいだ 」
セロフィート
「 にゅい賢者の石の色いろに合あわせて、髪かみと瞳ひとみを蒼あお色いろブルーにしました 」