器人形:ニュイリ
「 パパ……。
産まれたての小鬼の子供に喰べられてたんだよ。
小鬼は肉食だから… 」
マオ
「 えっ?!
──じゃあ、救助には間に合わなかったのか? 」
器人形:ニュイリ
「 うん… 」
セロフィート
「 可哀想な事をしました。
まさか産まれたての小鬼の子供が母親を喰べるとは……。
予想外でした。
ワタシの失態ですね… 」
マオ
「 セロ……。
落ち込むなよ。
其はセロの所為じゃないだろ。
大体、セロはそんな事で落ち込んだりしないだろ? 」
セロフィート
「 随分な事を言ってくれますね 」
マオ
「 だって、セロだし…… 」
セロフィート
「 ワタシだって残念に思う時はあります。
マオは生存者達と一緒に≪ 村落 ≫へ戻りたかったのでしょう? 」
マオ
「 うん……。
助けれたかも知れないのに間に合わなかったのは悔しいし、悲しいよ…。
≪ 村落 ≫に連れ戻してあげたかった……。
だって──、他の誰にも出来なくても、オレ達になら出来た筈だったんだ!!
セロが居て、ニュイリが居たんだから!
………………悔しいよ…こんな結末を迎える事になって…… 」
セロフィート
「 マオ… 」
マオ
「 …………だけど…其はセロの所為でもないし、ニュイリの所為でもないよ… 」
マオは握り拳をプルプルと震わせていた。
どうやらマオは行き場のない怒りの感情を抑え込んでいる様だ。
器人形:ニュイリ
「 パパ……御免ね…。
ボクが『 生存者を後回しにしよう 』って言ったから…… 」
マオ
「 ニュイリは悪くないよ。
生存者を後回しにしたのは小鬼の被害から守ろうとしたからだろ 」
器人形:ニュイリ
「 だけど…… 」
悲しそうな顔をして見上げて来るニュイ人にんリ形かにマオは不ふ覚かくにもドキリと胸むねが高たか鳴なる。
マオはニ器きュイ人にんリ形かの頭あたまを優やさしく撫なでた。
マオ
「 抑そもそもはだ、セロが匂におい袋ぶくろなんかを出ださなければ── 」
セロフィート
「 ワタシの所せ為いではないと言いいながら、全すべての元げん凶きょうはワタシにあると言いいたい訳わけですね 」
マオ
「 そんなつもりは…ないけど…… 」
セロフィート
「 良よいのです。
ワタシが “ おふざけ ” した所せ為いで、マオが助たすけたかった生せい存ぞん者しゃ達たちが助たすからなかった訳わけですし 」
マオ
「 違ちがうからっ!!
いじけるなよ… 」
セロフィート
「 いじけてません 」
マオ
「 …………間まに合あわなかったのも、助たすけられなかったのも事じ実じつなんだ。
ちゃんと…受うけ入いれないと…… 」
セロフィート
「 万ばん能のうな冒ぼう険けん者しゃは居いません。
時ときには上う手まく行いかない事こともあります。
学まなべて良よかったですね♪ 」
マオ
「 …………状じょう況きょうが状じょう況きょうだから素す直なおに喜よろこべないんだけど… 」
マオは腰こしに手てを当あてると、両りょう肩かたを落おととした。
マオ
「 ──そうだ、生せい存ぞん者しゃ達たちの身しん体たいからだは何ど処こにあるんだ?
何ど処こにも見み当あたらないけど…… 」
セロフィート
「 其それなら遺い族ぞくへ渡わたし易やすい様ように遺い品ひんと共ともに骨こつ壷つぼをお骨こつ箱ばこの中なかへ入いれてます 」
マオ
「 お骨こつ箱ばこ??
何なに其それ? 」
セロフィート
「 説せつ明めいするより見みた方ほうが早はやいです 」
セロフィートはマオの為ために、お骨こつ箱ばこを1つ出だすとマオに見みせてあげた。
セロフィート
「 此これがお骨こつ箱ばこです。
様さま々ざまな大おおきさが有ありますけど、此これが一いっ般ぱん的てきな大おおきさになります 」
マオ
「 此この中なかに遺い品ひんと骨こつ壷つぼが入はいってるのか? 」
セロフィート
「 中なかも見みてみます? 」
マオ
「 いいよ…。
止やめとく……。
見みせてくれて有あり難がとな。
そっかぁ…。
此これがお骨こつ箱ばこなんだな。
初はじめて名な前まえを知しったよ 」
セロフィート
「 洞どう窟くつを出でましょう。
出で口ぐち迄までの1本ぽん道みちを残のこして既すでに埋うめました。
此この洞どう窟くつに小こ鬼おにゴブリンが巣すを作つくる事ことは2度どとないです 」
マオ
「 じゃあ、小こ鬼おにゴブリンの脅きょう威いに脅おびやかされる心しん配ぱいは無なくなるんだな? 」
セロフィート
「 小こ鬼おにゴブリン関かん連れんの悩なやみ無なくなるでしょうね 」
マオ
「 そっか。
良よかった〜〜 」
マオはすっかり自じ分ぶんがセロフィートにされた事ことを忘わすれてしまっている。
嘘うそを真しん実じつとして吹ふき込こまれたマオは、【 大だい事じな時ときに気きを失うしなって眠ねむっていた 】と信しんじて生いきるのだ。