フィンフィレイナ
「 だって── 」
セロフィート
「 フィンの身分証明証と労働許可証は、ワタシが預かってます。
フィンは物を無くし易いですし。
大事な身分証明証と労働許可証を無くしたとなれば、再発行は大変です 」
フィンフィレイナ
「 いゃああん(////)
セロ様が持ってたなんて〜〜。
フィン、嬉しいですぅ(////) 」
セロフィート
「 フィンの身分証明証と労働許可証も1つにしてください。
冒険者登録も一緒にお願いします 」
受付嬢
「 は、はい。
かしこまりました! 」
セロフィートは自分の身分証明証と労働許可証を受け付けカウンターへ提示すると、ちょちょいのちょいっと〈 テフの源みなもと 〉で構こう成せいしたフィン妖ようフィ精せいレイナ族ぞくの身み分ぶん証しょう明めい証しょうと労ろう働どう許きょ可か証しょうも受うけ付つけカウンターへ提てい示じした。
マオ
「 何い時つの間まに発はっ行こうしてもらってたんだよ? 」
フィンフィレイナ
「 あら、そんなのアタシが知しる訳わけないでしょ!
流さす石がアタシのセロ様さまだわ!!
抜ぬけ目めがないわ〜〜 」
受付嬢
「 ≪ 町ちょうミリガサンレ ≫の役やく所しょで登とう録ろくされた踊おどり子このフィンフィレイナ・フィシュさんですね。
≪ 町ちょうミリガサンレ ≫の役やく所しょで発はっ行こうされた身み分ぶん証しょう明めい証しょうと労ろう働どう許きょ可か証しょうを1つにさせていただきます。
御ご一いっ緒しょに冒ぼう険けん者しゃ登とう録ろくもさせていただきます。
──では、吟ぎん遊ゆう詩し人じんのセロフィート・シンミンさんをリーダーとしたパーティーとさせていただきます。
パーティーメンバーは、守しゅ護ご衛えい士しのマオ・ユーグナルさん,踊おどり子このフィンフィレイナ・フィシュさんの3名めいで登とう録ろくさせていただきます 」
マオ
「 ………………。
何なんかさ、吟ぎん遊ゆう詩し人じん,守しゅ護ご衛えい士し,踊おどり子この冒ぼう険けん者しゃパーティーって、めっちゃ弱よわそうだな…… 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 そうだよ。
依い頼らいを受うけても普ふ通つうに断ことわられそうだよ 」
セロフィート
「 其それは困こまりますね。
さて…、どうしましょう?
──受うけ付つけ嬢じょうさん、冒ぼう険けん者しゃ登とう録ろく専せん用ようの職しょく業ぎょう登とう録ろくは出で来きます? 」
受付嬢
「 はい、可か能のうです。
其それですと手て数すう料りょうを前まえ払ばらいで、お1人り様さま100.000Qクイン必ひつ要ようとなります。
3名めい様さまですので、300.000Qクインになりますが…… 」
マオ
「 はぁ?!
手て数すう料りょうだけで300.000Qクインも払はらうの??
ボッタクリじゃんか! 」
受付嬢
「 い、いえ!
決けっしてボッタクリ等などではないです!!
冒ぼう険けん者しゃギルドには、 “ 冒ぼう険けん者しゃギルド連れん盟めい組くみ合あい ” という組そ織しきがありまして、其そ処こで決けっ定ていされた正せい式しきな決きまりです。
お1人り様さまの登とう録ろく料りょうは、100.000Qクインです。
お1人り様さまの発はっ行こう料りょうは、200.000Qクインです。
お1人り様さまの優ゆう遇ぐう対たい象しょう料りょうは、400.000Qクインです。
お1人り様さまにお支し払はらいして頂いただきます合ごう計けい金きん額がくは800.000Qクインと高こう額がくになります 」
マオ
「 手て数すう料りょう,登とう録ろく料りょう,発はっ行こう料りょうは百ひゃっ歩ぽ譲ゆずってさ、分わかるにしてもだよ、優ゆう遇ぐう対たい象しょう料りょうって何なんなの?? 」
受付嬢
「 優ゆう遇ぐう対たい象しょうとは一いっ般ぱん的てきな冒ぼう険けん者しゃよりも、優ゆう遇ぐうしてもらえるサービスとなります。
冒ぼう険けん者しゃパーティーのリーダーは、冒ぼう険けん者しゃギルド連れん盟めい組くみ合あいの組くみ員いんに登とう録ろくされます。
其それに依よって様さま々ざまな恩おん恵けいを受うける事こうが出で来きる様ようになります。
冒ぼう険けん者しゃ専せん用ようの宿やど屋やの1番ばん高こう額がくな宿しゅく泊はく室しつに無む料りょうで宿しゅく泊はくが出で来きたり、冒ぼう険けん者しゃ専せん用ようの飲いん食しょく店てんで1番ばん高こう額がくな料りょう理りを無む料りょうで食たべれたり、高こう額がくな依い頼らいを優ゆう先せんして受うけさせてもらえたり…等などします 」
マオ
「 冒ぼう険けん者しゃ専せん用ようの宿やど屋やや飲いん食しょく店てんがあるんだ? 」
受付嬢
「 はい。
全すべての≪ 町ちょう ≫に冒ぼう険けん者しゃギルドがあり、優ゆう遇ぐうされる仕し様ようとなっています 」
マオ
「 ふ〜ん?
何なんかさ裏うらとかありそうだよな。
うまい話はなしには何なんとやら──って、言いうじゃんか 」
受付嬢
「 …………。
其それでは冒ぼう険けん者しゃ登とう録ろく専せん用ようの職しょく業ぎょう登とう録ろくは、お止やめになられますか? 」
セロフィート
「 裏うらがあるなら、其それは其それで面おも白しろそうです。
良よいでしょう。
3人にん分ぶんの合ごう計けい金きん額がく2.400.000Qクインを支し払はらいましょう。
現げん金きん支し払はらいでも良よいです? 」
受付嬢
「 は、はい!
大だい丈じょう夫ぶです!
有あり難がとう御ご座ざいます!! 」
マオ
「 セロ、マジなのか??
払はらっちゃうのか?? 」
セロフィート
「 ワタシのポケットマネーですし。
マオは心しん配ぱいしないでください 」
◎ ポケットマネーで240万Qクインを一括払い出来る財力を持った吟遊詩人が他に居るだろうか……。
◎ 冒険者ギルドに居た冒険者達からの視線をガッツリと独り占めしてしまったセロフィートなのでした。