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ストライク  作者: ライト
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二回表:部作り開始

 隼人はいつもより早く起きた。野球部の勧誘をするためだ。


眠たい目を擦り、大きく背伸びをした。外は陽が昇ったばかりでだんだんと明るくなってきた。


隼人はベッドから降りると机の上にある真っ白な硬球を掴んだ。


新しい仲間とまた野球ができる。それだけで嬉しかった。やはり自分は野球が好きなんだとあらためて分かる。


 一刻も早く部員を九人集めて本格的な練習をしたかった。甲子園にいくためには死に物狂いで頑張らなければならない。チャンスは三回。それまでに、絶対に行かなければならない。


これから大変だ。


 隼人はボールを机の上に戻すと学校へ行く支度をした。




「行ってきます」


 隼人よりも早く起きていた菜々子からお弁当を受け取り玄関を出た。


「あ、おはようございます。隼人さん」


 玄関の前には縁が立っていた。昨日一緒に勧誘をすると約束していたのだ。


「おはよ。でもいいのか? 手伝ってくれるのは嬉しいけど……」


 隼人は縁の体調を心配していた。まだ無理しないほうがいいと思い、一度は断ったのだがどうしても手伝いたいということで仕方なく承諾したのだ。


「私だって野球部のマネージャーです。このくらい手伝います」


 もうすっかり元気を取り戻し、いつもどおりの縁で隼人は安心した。


「じゃあ、行くか」


「はい」


 隼人と縁は一緒に学校へ向かった。この時間帯では学校には余裕で間に合うからか、周りには誰もおらず二人だけだった。


「早く九人集まるといいですね。それに、勧誘って何をすればいいんでしょうか?」


「俊介のやつはビラ配りしかしてないな。それだけでいいんじゃないか?」


「でも、それだけで集まるのでしょうか?」


「まあ、実際二人入ってきたし……今はこれでいいんじゃないかな」


「そうですね。隼人さん、頑張りましょう!」


 縁は小さくガッツポーズをした。


「おう!」




 学校へ着いたときにはすでに三人は来ていた。他に生徒は誰もおらず、新設校舎は静まり返っていた。


「おっ、来たな。よーし、じゃあ今日も頑張るぞ。絶対九人集めんだからな」


 今日も俊介は朝から元気である。広和はちょっと眠たそうな顔をしていた。真治はじっと縁を見ていた。


「なぁ、隼人。その人誰だ?」


 真治は首をかしげ、縁を指した。真治と広和は縁に会うのは初めてだった。


隼人は二人に縁を紹介してやった。


「俺らのマネージャーだ。縁っていうんだ」


「初めまして、最連寺縁です。野球部のマネージャーをさせてもらいます。これからよろしくお願いします」


 縁は行儀よく挨拶をし、頭を下げた。


「マネージャーか……。おれは風間真治っていうんだ。こちらこそよろしく。こっちは高杉広和だ」


「ふあぁ……、……よろしく……」


 広和は目を擦り、寝ぼけた顔で頭を下げた。本当に寝むたそうで、それを見た縁はクスクスと笑った。


「よし、じゃあ勧誘始めるぞ。ほら、みんなチラシ持って」


 俊介は全員に持ってきたチラシを配った。


それに書いてあることは前に隼人がもらったときのとまったく変わっていなかった。


「俊介。たまには新しいの作れよ」


「でもよ、けっこう作るの大変なんだぜ。これでなんとかなるだろ」


 たしかに二人入ってきたが、ずっと同じものを配っても効果は薄い。


すると縁がゆっくり手を上げた。


「あの……、私が新しいのを作りましょうか? もちろん迷惑でなければですが……」


 俊介は嬉しそうに縁を見た。


「マジで? いいのか? いや〜ありがとう。でも、大変じゃないか?」


「これもマネージャーの仕事です。まかせてください」


「じゃあ頼んだぜ。よし、今日も配りにいくぞ。いざ、校門へ!」


 隼人たちはそれぞれ数枚のチラシを持って校門へ向かった。




 ビラ配りは予想以上に大変だった。


「一緒に野球をしましょう! お願いします!」


 朝から休まずずっとしているが誰一人受け取ってくれる人はいなかった。こんな大変なことを俊介のやつは毎日のようにしているのか。


あらためて隼人は俊介を見直した。


縁も一生懸命に頑張っているようだ。


「お願いします! 目を通すだけでもかまいませんので。あっ、ありがとうございます」


 縁のチラシは少しずつ確実に減っていた。


キーンコーンカーンコーン


 授業直前のチャイムが鳴ってしまった。登校する生徒ももうほとんどいなかった。


俊介は時間を確認すると全員に言った。


「よーし、今日はここまでだな。おつかれー!」


 結局、チラシは縁のしか減らなかった。




 昼食時間。隼人と縁は寺田先生のところに行った。新しいチラシを作るためにプリントをもらいに行ったのだ。


しかし、先生達は会議中で仕方なく勝手に取っていった。


「ありがとうございます、隼人さん。付き合ってもらって」


「いいよ、このくらい」


 そのときどこからか鈍い音が聞こえた。


ドカッ


〔ぐっ……〕


 なんだ? 誰かが殴られたような音がしたような……。


「隼人さん。トイレのほうから聞こえますよ」


ドカッ


 たしかに、音は男子トイレから聞こえてくるようだ。


「ちょっと行ってみるか」


「……はい」


 隼人と縁は男子トイレに行きこっそりと中を覗いてみた。


中には四人の男子生徒がいた。


ドカッ


「痛っ……」


「お前、マジうざいんだよ。でかいくせにうじうじしやがって気持ち悪いんだよ!」


 どうやら三人で一人をいじめているようだ。


二人は見るだけで不良だとわかる。一人は茶髪、一人は坊主。二人とも制服のシャツを出してアクセサリー類を付けている。しかし、もう一人は普通の感じでじっと傍観しているだけだ。


やられているやつは背が高く天然パーマが特徴だ。顔はニキビだらけでちょっと近寄りたがい存在だ。


「……ご、ごめんなさい。……どうか、許してください。お、お願いします」


「ああ? なめてんじゃねえぞゴラッ!」


 そう言うと坊主のやつが襟を掴み拳を握って顔を何度も殴った。すると縁が隼人の服を引っ張った。


「隼人さん、お願いです。彼を助けてください」


 さすがに見て見ぬふりはできないか。隼人はしょうがなく了解した。


「わかった。じゃあ、ちょっとここから離れてな」


「はい……」


 縁は角のところまで離れ影からそっとこっちを見ていた。


少し心配しているようだ。


「おいっ! お前ら!」


 そう言って隼人はトイレの中に入っていった。


三人の不良はこっちを睨みつけてきた。やられていたやつはちょっと安心したような顔をしている。


「なんだお前! お前もやられたいのか? アッ!」


 茶髪のやつは今にも殴るぞって感じに拳をポキポキ鳴らしている。


冗談ではない。怪我などして練習ができなくなったらたまらない。


「いや、実はさっき誰かがここを通って職員室に向かって行くのが見えたんだ。多分先生を呼びに行ったんだと思う。早く逃げたほうがいいんじゃないか?」


「なに? ちっ! どこのどいつだ。おい、西田! それにお前!」


「ヒッ!」


 やられていたやつはまたビクビクし始めた。どうやら名前は西田というらしい。


「このことは誰にもチクんなよ! わかったか!」


 西田は首を大きく何度も縦に振っていた。隼人はなにも反応せず黙ったままだった。


「よし、いくぞ」


 茶髪の不良がそう言い、坊主の不良と出て行こうとした瞬間だった。


「ちょっと待ちな」


 じっと見ていただけのやつがいきなり口を開いた。


「今、先生方達は会議中だ。どうやってこのことを伝えるんだ? それに今の時間帯では、皆次の授業の準備をしているはずだが」


 隼人はそのことを忘れていたことに気づき焦ってしまった。


すると、坊主のやつが隼人を睨みだした。


「テメェ、よくも騙したな」


 隼人は身の危険を感じた。ケンカはあまりしたくないが仕方ないと思い腕をあげた。


しかし、普通の生徒は坊主の不良をおさえた。


「まあ、いいだろ。そろそろ時間だ。いくぞ」


「……チッ!」


 坊主の不良が舌打ちをして、三人はトイレから出て行った。


すると、さっきまでやられていた西田がよろよろと立ち上がり隼人に近づいた。


「あ、あの、……ありがとうございました。……ほんとうに」


 隼人は自分が出入り口に見入っていることに気づくと少し慌てて西田に向き直った。


「あ、ああ、いいよ。ちょっと危なかったけどな。それより、お前やられっぱなしで悔しくないのか? やりかえせばいいじゃん」


「……でも、……ぼく、ケンカ弱いから……仕方ないんです」


 隼人とぼろぼろの西田がトイレから出てくると縁が駆け寄ってきた。


「隼人さん、大丈夫ですか? どこもケガしてませんか?」


「ああ、俺は大丈夫。それより……」


 西田の顔は目が青く腫れて、口を切ったのか端や鼻から血がでていた。制服もところどころ汚れてしまっている。


それを見た縁はポケットからピンク色のハンカチを取り出し西田に渡した。


「はい、これで血を拭いてください」


 西田は一度躊躇したがゆっくりとそのハンカチを受け取り、頭を下げて行ってしまった。


「あいつ、大丈夫かな」


「……ケガもそうですが、なにより心が心配です。体は治っても心はなかなか治らないことがありますから」


 たしかに心の傷はなかなか治らない。下手したら……一生……。


「隼人さん。私達もできることは助けてあげましょう」


「そうだな。それであいつが立ち直れば」


 あれから数日が経ったが再び西田を見ることはなかった。




 放課後。隼人、縁、俊介、真治、広和の五人は六組でミーティングをした。


これからどうやって部員を増やすかを再検討するためだ。正直まったくと言っていいほど誰もチラシは受け取ってくれない。縁のはいつもすぐになくなるのだが。


そこで、俊介が提案したのだ。


「なぁ、なんかいい案ないか? もうすぐ五月に入るしよ。早くしないと今年の大会一回戦敗退だぜ」


 一回戦敗退どころか大会に出られるかすら分からない状態だ。部だってまだ正式に結成してはいない。


「一応、新しいチラシはできました。これでよろしいでしょうか?」


 縁は新しいチラシをみんなに配った。甲子園の写真が一面に描かれており、【目指せ!甲子園!】【一緒に野球をしよう】などと大きく書かれてある。


色も綺麗で俊介の作ったやつとは比べものにもならない。


これを見た俊介は感激していた。


「すごいな、最連寺。こんなの作るなんて天才か? 俺なんか字だって汚いし……」


「パソコンでちょっと作っただけですよ。ですので、字が綺麗なのは当たり前です。元気出してください」


 縁がパソコンをできることを隼人は今知った。たしかに縁の家にはパソコンが置いてあるが触っているところは一度も見たことなかった。


「でもよ、さすがにビラだけじゃもう限界だぜ。なにか新しいの考えないと」


 真治は椅子を斜めにして壁にもたれながら座り、天井を見ていた。


「それにしてもなぁ、なんかあるか?」


 みんなじっと考えた。


「そういえば五月って文化祭があったよな? そっちの準備もしなければならないから大変だな」


 広和が机に顔を乗せながらつぶやいた。行事は先生達が勝手にいつするか決めていた。五月は文化祭。十月は体育祭。ニ月はクラス対抗試合。今はこれだけ決まっている。


「そうかぁ、文化祭もあったな。今、自由発表募集中だったな」


 俊介がつぶやくと、縁が何か思いついたのか手をパンと鳴らした。


「文化祭の自由発表で野球部の宣伝をしたらどうでしょう」


 その言葉に俊介がいち早く飛びついた。


「いいな、それ! 絶対みんなの印象に残るぞ。最蓮寺ナイス!」


 俊介は縁に向かって親指を立てた。しかし、


「でも、俺ら何をするんだ?」


 隼人が俊介に聞いてみた。


「それを今から考えるんだ」


 また考え始めた。次は真治が提案した。


「おれ達が野球をしているとこを見せればいいんじゃないか?」


「いや、まずなんでみんな野球部に入らないのかを考えるべきだ」


 広和がもっともらしいことを言った。だがそれは、俊介がすぐに答えた。


「猛虎学園が強すぎるからだろ。それに、野球の練習がきつすぎるからというのもある」


「じゃあ、どうすればいいんだ?」


 またみんな考えこんだ。


そのとき、一人の生徒が教室に入ってきた。そいつは以前トイレで殴られていた西田だった。


最近見かけなかったので、少し心配していた隼人は話しかけた。


「おい、西田。もう、ケガは大丈夫なのか?」


 最初誰か分からずじっと隼人を見ていた西田は、前に助けられたことを思い出しおどおどして口を開いた。


「……は、はい、……だ、大丈夫です。……あ、あのときは、……ありがとうございました」


「ああ、いいよ。気にすんな」


「あ、あと……、これ……」


 西田がポケットから取り出したのは縁のハンカチだった。


それに気づいた縁は微笑んで言った。


「それはあなたにあげます。そのハンカチで傷を拭くと早く治るんですよ」


「えっ、でも……」


「いいから貰っとけ。縁がそう言ってんだからな。でも、本当に早く治るのか?」


「そういうおまじないをかけたのです」


 西田はハンカチを握りしめ、深く頭を下げた。


「あ、ありがとうございます」


 そう言うと西田は鞄を持って教室から出て行こうとした。


いちかばちか隼人は西田に聞いてみた。


「西田、俺らと一緒に野球しないか?」


 縁と俊介はいい考えだと思いにこにこしていた。なぜか真治と広和だけは驚いていた。


「……ぼ、ぼくは……、い、いいです。どうせ、なにも……できませんから」


「でも、楽しいぜ。お前、背が高いからファーストにぴったりだ」


 俊介は粘りに粘った。しかし、


「……ぼく、……ぼく、……」


 西田は『ぼく』だけ言ってとぼとぼと教室から出ていってしまった。


すると、突然真治と広和が椅子から立ち上がり隼人の前に立った。二人とも険悪な顔をして隼人を睨みつけた。


「お前、なに言ってんだよ! あいつを知らないのか? あいつが野球なんてできるわけないだろ!」


 広和は真治の言うとおりだというように首を縦に振った。


「そうだぜ。あいつみんなになんて言われているか知ってるか? 『ウドの大木』って言われてる。背が高いだけでなんもできない。勇気って名前だけど勇気なんて全然ない」


「しかも、あいついじめられているだろ。クラスでもみんなあいつを避けている。あいつが入ってきたら間違いなく野球部は終わりだ」


 真治と広和は絶対にお断りという顔をしていた。縁と俊介は困った顔をしている。


しかし……、隼人は西田に野球部に入ってほしかった。入ってくれればこっちも嬉しいし、西田とも友達になるきっかけができ少しはいじめられなくなるかもしれない。


隼人は二人を説得したが、頑として西田を野球部に入れることに首を縦に振ることはなかった。


 結局、文化祭でなにをするか決まらずその日は解散することになった。決まるまでは今までどおりビラ配りになった。


隼人は縁と一緒に帰り、西田のことで話し合った。外は陽が沈み始め、薄暗い空が広がっていた。


「なあ、縁。西田のやつまたいじめられていないかな。あれから何日かしたが顔の傷はたいして変わっていない気がしたんだ。真新しい傷もあったような……」


「はい……。私もそう思いました。どうにかなりませんでしようか」


 隼人はまず思いついたのは先生に言うことだった。


しかし、『言えばあの人たちがかわいそうです。謹慎処分なんてなったら将来に影響します。』ということでこの案は取り消された。


縁は誰にでも優しいのである。


 他にもいろいろ考えたがどれもうまくいきそうになく、隼人たちはとうとう家についてしまった。


「じゃあ、またな。縁」


「はい、またです」


 縁は隼人に手を振り、家の中に入っていった。それを見届けた隼人も家の中に入った。


 隼人はすぐに自室に入ってベッドに倒れた。

西田のことでどうすればいいのだろうかと横になりながら考えた。


その前に、なぜ人のためにこんなにも真剣に考えているのかに気がついた。今まではそんなことは考えず、誰がいじめようがいじめられようが気にしなかった。しかし、今は人のために助けようとしている。


もしかすると、人は一度助けられると誰かを助けたがるのだろうか。


隼人は考えるのが面倒になり、トレーニングウェアに着替え家を出た。


 今日も神龍神社に来た。あたりは暗くなっているが一つの電灯が大木を照らしていた。


隼人はそれを目印に大木目指して走った。


大木の前で足を止め、そっと見上げた。


本当にこの木に神がとりついているのならば、西田を助けてほしい。


そう願いを込め、大木に触れた。


………。


すると、それに答えるかのように突然強い風が吹き、枝や葉がざわざわと音をたてた。


隼人は大木から手を離し、大きく息を吸って吐いた。


「よし、行くかな」


 隼人は家に向かって走り始めた。そのとき体が少し軽くなった気がした。




 今日も家の前には縁がいた。暗い中一人待ってくれていた。


隼人に気づいた縁は小さく手を振った。


隼人は荒れた息を整えながら縁に近づいた。


「わざわざ暗い中待っていてくれたのか。危ないから別によかったのに」


「いいんですよ。私は少しでも隼人さんの力になりたいんです」


 そういうと縁は隼人にスポーツ飲料水を渡した。隼人はお礼を言って受け取った。


「でも、明日も早く起きてビラ配りをしなければならないんだからあまり無理しなくていいからな」


「わかってますよ。ご心配ありがとうございます。隼人さん」


 縁は暗闇の中でも輝けるほどの満面の笑顔を隼人に見せた。


隼人は縁の笑顔を見て、心臓が一瞬ドキッとした。こんな感情初めてだった。


「どうしたんですか、隼人さん?」


 縁は隼人の異変に気づき、顔を覗き込んできた。


「え? あ、いや、なんでもない。なんでもないよ」


 隼人は慌ててスポーツ飲料水を飲み干すと縁に別れを告げさっさと家に帰った。


縁は隼人の行動に疑問をいだき、首をかしげていた。


 隼人はすぐにシャワーを浴びた。この変な気持ちをすっきりさせたかった。しかし、この気持ちは夕食を食べ、自室に戻っても収まることはなかった。


 隼人は勢いよくベッドに倒れた。


なぜ縁のことばかり考えているのだろうか。さっきまで西田のことを考えていたのに。


あの笑顔を見ておかしくなってしまった。その笑顔を思い出すとまた心臓が苦しくなる。


いったいどうしたんだろう。


 隼人は大きく首を振り、布団を被るようにして眠りについた。

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