プロローグ
ある企業が発表したSOMという人間搭載型戦闘兵器の登場により、傭兵組織やテロリストが一国家と同等の力を持ち、第四次世界大戦がおき人類の約6割のが死滅、既存の世界体制が崩壊し、新しい五つの新国家と、三つの企業と、個人運営の傭兵達が主体の世界が誕生し、何百年という年月がたった壊れた世界で、それでもなお平和を求め戦い続ける三人の傭兵が居たのである。
「ミッションを確認する。目的はDie Macht CompanyとFFHの前線部隊二つへの奇襲そして排除。敵機の数は合計で38機いるが、俺達は世界を救う為にこんな奴らに負けるわけにはいかない。これは前哨戦だ、やろう。今の人類は争いをやめない、いや、やめようとしない。それぞれの国同士が自分達の正義の為と言いながら、世界を自分の国の物にしようとしてやめない。そんな人類から世界を救うその為に俺達、Children of justiceがいる。そんな今の人類から世界を救う、始めよう世界を救うミッションを」
俺は、2人の仲間に作戦内容と、自分の思いを伝えると
「長い」
間髪入れずに椎名が喋った。それに続き
「うん長い、もっと簡潔に3行以内でまとめて」
もう一人の少女、マリーも言った。
「え、別にいいじゃんか、かっこよく俺がまとめてたんだからさ」
二人に辛辣な言葉を言われた俺は、少し反論する。
「うるさい、私は長い話が嫌いなの、黙りなさい」
また椎名は、俺の言葉に間髪入れずに言う。
「はぁ、わかったよ、3行以内でまとめればいいんだな」
嫌々ながらも俺は、深呼吸して息を整え
「目的は、前線に居る二つの部隊、合計38機への奇襲、そして排除。これは世界を救う為にする大事な事だ、だから頑張ろう。でいいの?」
俺は、さっき言った事を簡略化して言った。
「そうよ、めんどくさいからそれでいいわよ、全く」
さっきまで怒っていた椎名はそう言うと、マリーも
「OKです」
と、返事をした。
「ふっ、じゃあ、始めよう」
と、俺が少し嬉しそうに言うと
「ええ、いいわ、やるわよ」
「了解しました、援護します。」
と、二人からも少し嬉しそうに了解という返事がきた。
「じゃ、始めようか、ミッション・・・スタート!!」
そして、奇襲作戦が始まった。
「いいか、FFHを絶対にここから先に通すな、後方部隊も援護しろ」
Die Macht Companyの隊長が、部下に命令を下す。
「後方支援なんて嫌でーす、めんどくさいでーす」
その命令に一人の兵士だけが、拒否をする姿勢を取った。
「貴様、なんだその態度はこれは命令だぞ、従え」
命令を拒否した隊員に隊長は怒った。
「だって奴らは、此方を本気で攻撃する気なんて無いっしょ、どうせあんたの力を見に来ただけでしょ」
「・・・・・」
部下が少し鼻に付く喋り方で言ったが、隊長は口を閉ざしたまま、何も言わなかった。
「はぁ、やっぱり」
部下がため息交じりに呆れたように言った。
「そ・それは・・・・」
隊長が閉じた口を開き答えようとした。
その時
「3・・・2・・1・Fire」
ガキーン、ドッカーン、隊長が何かを言おうとした時、砲弾が味方の機体にぶつかり、味方の機体が大破し、炎上していた。
「何だ、何が起こった」
「撃たれた、撃たれたぞ」
「おい、味方が死んじったぞ」
「やばいぞ、やばい、やばい」
味方内で、動揺が起こる
「黙れっ!落ち着け!!」
隊長の一言で、慌てふためいていた隊員達が徐々に落ち着きを取り戻していった。
「先ずは情報収集だ、後方支援部隊、周りを確認しろ」
隊長は部下を鶴の一声で落ち着けると、後方部隊に今起きた事の解明を始めさせた。
ダン、ダダン、FFHの方から砲撃音が聞こえた。ダン、ドゴン、バゴーン、砲弾は何発か外れた物の、一発だけが、まぐれの様な物で当たった。それはDie Macht Companyの恐慌状態の兵士達にとっては、最初の砲撃をした敵という認識が出来るのも、そう遅くなかった。
「奴らだ、FFHが撃ってきたんだ、応戦しろ!」
隊長にさっきまでは突っかかていた兵士がキレて、FFHの居る方向に対して突撃をする。それにつられて、他の兵士たちも突撃をした。
「こら、まてっ!お前達、そっちじゃない!」
「うおーーー!貴様ら、よくもーー!絶対に、絶対に殺してやる!殺してやる、ぶっ殺してやる!」
隊長がすかさず止めに掛かるが、その言葉も虚しく、隊員達はFFHの居る方向に突撃して行く。
「おい、聞こえないのか!くそ、ザッザザー、何だ、ジャミングか?」
無線がジャミングを受け、無線が使えなくなっているのに隊長は気付いた。
ダン、ガッ、ダーン!隊長機が後ろから狙撃されたが、隊長は瞬間的に危険を察知し、操縦桿を右に僅かに傾け、弾を躱した。
「あら、躱されちゃいましたか、仕方ないですね、勇正さんお願いします」
「はいよ、任せな!」
俺は横からブレードで、突く様に隊長機へ突撃した。
「ぬ、貴様ら、誰だ!」
隊長は、ブレードで突撃してきた俺の機体に即座に反応し、卓越した操作技術でその攻撃を躱して、名を聞いてきた。
「仕方ないな、正義の味方とでも名乗っておこう」
俺のちょっとバカにした答えに、隊長がキレ
「貴様・・・舐めているのか!」
隊長は、怒鳴り付けてきた。
「な、舐めてないっすよ、結構的を射てると思うんだけどなー」
と、俺が言うと
「ふん、舐められた物だな、この私も」
隊長が少し笑いながら言った。
「なら、試してみるか?」
俺が、隊長機にそのまま挑発をすると
「いいだろう、貴様らの実力を確かめてやろう」
ダン、ガン、キュイーン、ガキーン、SOMの駆動音を鳴らし、隊長機対俺とマリー二人の戦いが始まった。
「くっ!だが、まだまだ、甘いな!」
狙い撃ちます、狙撃しているマリーの弾が、隊長機の腰の装甲を僅かにかすったが、隊長は何事も無かったかの様に、余裕で戦い続けていた。
(俺のブレードさえ当たれば、勝てるのに!)
隊長機は狙撃されているにも関わらず、俺のブレードも、機体についているオプションナイフで、はじき返しながら戦っている。く、ブレードが全然当たらねー
(何てセンスだ、俺の攻撃を受け止めながら、マリーの狙撃も避けてやがる、クソ、やべーなこりゃ、とんでもねー奴だぜ、全く)
その時、隊長機の足に付いている装甲が剥がれて、エンブレムが顕わになった、あ、あのエンブレムは
そのエンブレムを、俺は、いや、この世界に生きる99%が、そのエンブレムを知っている。
そのエンブレムには、№38と描かれていた、世界で最も強い者たちに与えられるエンブレムである。
エンブレムは、5つの国と、3つの企業と、公に認められた正規の傭兵達の中で、WKRというランキングで選ばれた、最強の上位45人にだけ与えられるエンブレムであり、それを決めているのは、永王と呼ばれている謎のグループが決めている、5年前に急に発表された物だが、それでも、そのエンブレムを持ってる物達が最強であるという事は、変え難い事実である。
「そうか、あんた、とんでもねぇ実力だと思ったが、まさか、あの老巧の鷹だったとは、でもおかしいな、あんたは相当な実力の持ち主だと聞いていたが、何でこんな所に居んだ?アンタの伝説は聞いた事がある、そこら中の戦場を飛び回って、敵を仕留め続ける鷹だって聞いてたんだが、何でこんな、最前線から離れた場所にいんだ。やっぱ年か?」
なぜだ、ここは戦場の前線とはいえ、そこまでの激戦をするわけでもなく、ただただ、だらだらと撃ち合いをするだけの戦場、そんな所で、目に付いた敵を片っ端から倒していた奴が、なぜこんな所にいるんだ、という疑問が浮かんだから、問いかけた。
「なぜか、か・・・なぁ、俺が負けたっていう噂を、お前たちは聞いた事はあるか?」
奴は俺達に、自分の負けた噂を聞いた事はあるかと聞いてきた。
「あぁ、あるよ、噂程度だけどなでもその後、デマって事で終わったがな」
俺は知っていることを、答えた。
「やっぱり、そう伝わってるのか、だがそれはデマじゃない、本当の事だよ。実際は少し話も違うがな」
そう言って、奴は俺達に、本当の事を話始めた。
「お前たちが聞いてる噂は、Rsoの部隊6つと戦って負けたっていう噂だろ、それは違う、あんな奴らに負けるほど俺も弱くはない、俺は、別の奴に負けたんだ」
それは、興味深い話だった。
「そん時俺は、確かにRsoの部隊2つと戦ってたがそいつ等には勝った。そして、また新しい戦場に行こうとしていた」
「この程度か」
「ピピー、助けてくれー!、強すぎる、我々では敵わない誰か助けてくれー!」
という、近くの部隊からの、救援の通信が俺の所に入ってきた。
「了解、今からそちらに向かう、下がって休んでろ」
俺が誰よりも先に答えた。
「来てくれるのか助かる、こちらは下がって味方を呼んでくる、それまで耐えていてくれればいい」
味方からの返答が来た。
「あぁ、任せておけ10分程度で着く、後、敵は何人だ」
俺がそう聞くと、味方は
「一人だ」
「は?」
味方はそう言ってきた。余りにも信じられなかったので、俺はもう一度聞き直した。
「え・・・な、何人だって?」
「一人だと言っているだろ、さっさと来い!」
味方から同じ答えが返ってきた。
「了解、待ってな」
俺は、そのまま味方の救援に行った。
「一人で最前線部隊を4つも倒すとは、どれほど強いのか、この俺が試してやろう!」
その時は、何でも出来ると、誰にも負けないと思っていた、奴に会うまでは
「あいつか」
敵の目撃場所に着くと、そこには壊れて燃える味方機の残骸の中に、一機だけ傷を負いながらも、両手にライフル持って立っている機体を発見した。
「敵機発見、破壊する。」
俺が敵を見つけた事を味方に知らせ、排除する事を味方に報告すると
「待て、侮るなよ、たった一機とはいえ、我らは奴に負けた、強いぞ」
味方が俺に忠告をした。
「ふん、待ってな、直ぐに倒してやるからよ」
俺はそう言って通信を切った、侮っていた訳ではない、舐めていた訳でもない、エリート部隊を3つ程潰す実力の持ち主、侮れば、自分が負ける事も分かっていた、だが俺は、自分よりも強いかもしれない相手と戦える事が、その時は嬉しかった、だからこそ俺は全力でぶつかった。
「行くぞーー!!」
そして俺は、その時持てる全力を使って、先に攻撃して戦った、そして俺は
「ウ、ガハッ!!」
そして、負けた、完敗だった。
奴はこちらの攻撃を全部躱しながら戦った、近接戦闘に持ってこうがお構いなしだった。
「クソ、お前は・・誰だ、一体何者だ!」
奴に俺は泣きそうになりながら問いかけた。
「・・・・・・」
しかし、奴は何も喋らなかった。
「クソ、クソ、何か言え、何か言えーー!!」
俺は最後、動かせる右腕を使って銃を撃った、しかし奴は全部を躱し、ナイフに持ち替えこちらを刺そうとした。
「あ・死ぬ・俺が・こんな・・所で」
そう思った時
「援護しろー!」
と言う声と共に、味方が奴に一斉射撃を開始した、奴は直ぐに気づき逃げたが、その時見えたんだ奴の背中のエンブレムが、兵士が右手に銃を持ち、左手に手から溢れるほどの金のコインを持っているエンブレムを、俺はあのエンブレムを忘れる事は出来ない。
「大丈夫か、よくあんな化け物と戦ったな、帰るぞ」
そのまま俺は、味方に運ばれて帰投した。
「俺はその後、傷を治し、機体も直してから、もう一度戦場に行こうとしてたら
「おい、すげーな、お前世界でで38番目に強いんだって」
「え?」
友人が何を言ってるのか分からなかった。
「それもうちで5番目だってよ」
その後
「WKRの発表を見て、それまで最強だと思っていた自分が、世界で38番目で自分の企業では5番目だった事を知って、俺は最前線で敵陣に突っ込むのは辞めた。だから俺は此処に居る」
奴は、俺達に真実を話した、俺達は最初はビックリしたが、一つだけ聞きたい事があった。
「そうか、それで、あんたを倒したっていう奴は誰だったんだ」
そう、老巧の鷹と呼ばれ、俺達二人でも手間取るこいつを、たった一人で倒した奴の事だ、そいつの事を俺が聞くと
「さーな、わからん、後でWKRをしっかり見たが、奴の機体も、エンブレムも無かった、奴は今でも謎だ」
奴はわからないと、俺の質問に答えた。
「おっと、長話し過ぎた様だ、俺はバカな部下たちを助けに行かなくてはならない、だから直ぐにお前達を倒す」
奴は戦闘状態に戻り、攻撃体制を整えた、だから俺達も戦闘状態に戻す。
「マリー、戦い方を変えよう、さっきみたいな戦い方じゃ勝てない、今度は、マリーがフルで援護してくれ」
マリーに作戦を伝える
「分かりました」
マリーは作戦を了承した、やれるか、いや、やるしかないか。
「行くぞ、マリー!!」
俺の声と共にマリーは、スナイパーライフルを機体から外し、ミサイル、ロケットを積んで一斉に隊長機に発射した、そして俺も、ブレードを背中にしまいライフルに変えて撃ちまくった。
「そう来るか」
奴はとんでもない操作テクニックで、弾やミサイルを避けていた。
「く、やっぱ避けるか、やべーな」
このままだと勝てないと感じ、撃つ場所を変えるために、一度建物の陰に隠れて、もう一度撃とうとした時
「勇正さん!そっちに行きました、気を付けて!」
マリーの忠告を聞いて、もう一度振り返って見てみると、奴は目の前に居て俺を刺そうとしていた。
「これで、終わりだ」
奴が告げる、俺の終わりを、俺の死を。
「いや、まだだ!椎名、今だぁ!!」
俺が叫ぶ、椎名の名を、俺達の中で一番強い椎名の名を。
「言われなくても!」
椎名はそう言いながら、隊長機の腕を2本切った。
「何ッ?!」
奴は驚いた、そして椎名は腕を切ってから隊長機を両足で蹴るようにして離れると、俺もライフルで、こちら側に倒れてくる隊長機を撃った。
そして、隊長機は穴だらけになり動かなくなった。
「あぁ・・・俺の負けか」
倒れて動かなくなった機体から、傷つき、擦れた、奴の声が聞こえた。
「なる程・・先ずは敵同士で戦わせて弱った所を奇襲、そして俺をそこから遠ざける作戦か・・いい手だ」
奴は俺たちの作戦を当てた、だが違う、こいつがいた事は想定外だった。
「ふん、あの時みたいだな、俺が初めて倒された時みたいだ、ただ違うのは、奇襲を掛けた方が勝った事か、ハ・ハハ・・お前達なら・あるいは・奴に・勝てるのかも・な」
奴はそう言うと、そのまま何も喋れなくなった。
「先ずは1勝目、帰ろう、世界から戦争を無くすために」
俺は2人にそう言うと、そのまま3人で帰投した。
「奴を倒した機体、兵士と、銃と、金のコインのエンブレムの奴って一体どんな奴なんだろうな」
俺が帰投中に気になったから、その事を言うと
「さぁ、知らないわよ、そんなの」
椎名が知らないと言った。
「ええ、私も知りません」
マリーも同じように知らないと言った。
「え、何で知ってんだよ椎名、お前、戦ってたんじゃ無いの?」
戦っていて聞いてない筈の椎名が、なぜ話を知っていたのか聞いた。
「聞いてたわよ、最後のちょっとだけ」
椎名はそう言った。
「まいっか、どうせ戦っていれば、いつかは会えるんだし、そう深く考える事無いか」
俺がそう言った瞬間。ピピー
「え、あ!ミサイル急速接近!!」
レーダーにミサイルが映り、マリーが警告する。
「緊急回避!回避しろ!」
俺も二人に警告した、しかし遅かった、ミサイルで少し機体にダメージが入った、その時
「キャーー!!」
と言うマリーの悲鳴と共に、マリーの機体が横に真っ二つになっていた。
「私達が居なくても、頑張りなさいね」
椎名から急に、別れを言うようなセリフを言われ、まさかと思い椎名の方を見ると、椎名のカスタム機の機体のコックピットの有る場所に、ブレードが刺さっていた。
「そ、そんな」
ダダダダダ、と言う銃声が後ろから聞こえ、機体の腕が壊れたが思いっきり、操縦桿を動かし避けた。
「椎名!返事をしろ!椎名!しぃーなー!!」
椎名からは返事が無かった。
マリー!おい!マリー!マリーー!!」
マリーに言っても返事が無かった。
「あ、あ、ああ、あ、お前、よくも!許さない!!許さない!!許さないッ!!!」
俺はブチ切れ、ブレードで無我夢中で奴に突撃した、しかし奴は、俺の攻撃を躱しながら、俺の機体をナイフで切り付けてきた、その時、背中のエンブレムが見えた、兵士が右手に銃、左手に金のコインのエンブレムがあった。
「まさか、お前がッ!」
そして、奴は容赦なく、俺の居るコックピットをナイフで刺した。
「し・いな・・マ・リー・い・ま・いく・・よ」
そして機体が大破した。
「ミッション終了、帰って来い、お前に紹介したい奴が居る」
いつも聞いてる女のオペレーターの声が聞こえる。
「了解、レイク・オーランド、帰投する」
オペレーターの元に、オレからのメッセージが届いた。
「よし、レイク・オーランド、帰投せよ、通信終了」
と言って、通信が終わった。