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北東寺榛名と奇妙な世界  作者: 石表
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地下世界の王

「くそ、傷を早く見せろ。」 大地の僧侶ハルナ


「ダメだ。お前は結界を張ってるんだろ?おいポン、あの槍は何だ?」 S戦士ブラックサンダー(以下BS)


「アレは名指しの槍って奴で、指名した相手に絶対当たるっていう魔法の槍なんだな。

第五騎士ダブルチョコレート(以下DC)お得意の武器だぜ。」 ポンデライオン(以下PL)


「それを早く言いやがれ!

 何にせよ、ダイアウルフか。まず奴を始末しなければ。」 BS



「この槍は一番厄介な奴に当たる。」 DC


「おい、私を狙っているんだろう!私はこっちだ!」 ハルナ


「違うな。最初からお前など狙ってはいない。

 やはりこの男の突進力が我が軍には邪魔だと槍が判断したのだ。」 DC


がさり


名指しの槍がBSに向けて落下を始めた時、ハルナと反対側の結界近くに出現するダイアウルフ。その牙が別の僧侶へと襲いかかります。



びゅぃ~ん


BSに刺さる寸前、槍は急停止すると別方向へと飛び上がります。


「蹴撃うさきっく☆」


ぎゃん


「ファンのみんなは私が守る!」


ほぼ同時、足先に炎を纏わせうさ耳を付けたアイドルがダイアウルフを蹴り上げます。



「あいや、しばらく!しばらくぅ~~~!」


 そう叫んだのは、ゾンビを分け入って現れた体長5mの直立歩行するサイ。全身に鋼の鎧を纏うサイ人の聖騎士。槍はこのサイ人へと飛んで行き、その身に刺さります。


「こんな槍、蚊が刺した程にも感じぬでござるぅ~~~。」


「何だ、こいつは?」 DC・BS 「ウサ!?」 ハルナ



「彼は、大沼の魔王マテレベクヮニ配下のクサイダー将軍よ!」 うさ耳のアイドルウサ


「サイダー将軍だ、サイダー!」 サイ人


「どっちでもいいのよ、そんな事。

 とにかく彼とは休戦して、プラムの亡霊をやっつけるまで協力する事になったわ!」 アイドル


「ウサ! 今までどうして…。」 ハルナ



「その話は後でブログに載るから、今は私が狼を引き付けている間に、

 態勢を立て直す事が先よ!」 ウサ


「ちなみにその耳に意味はあるのか?」 BS


「無いわ!」 偉そうに胸を張るウサ


 その時、一陣の風がハルナの背後に無数の花びらを運び、それらがつむじ風の様にくるくると回って四散すると、そこには一輪の薔薇を銜えたエメラルド王子が現れるのでした。


「ふっ、ハルナ君。結界は僧侶の専売特許ではなく、魔術師にも出来る事。

 その結界は私が引き継ぐから、早くBS君を治してあげたまえ。」



 こうしてハルナ、ウサ、BSの3人でゾンビ達を雑草のように蹴散らしながらダイアウルフを倒し、サイダー将軍がDCを倒します。敗走するゾンビ達。

 そしてシュネーバルの街の人々は野営地へ届けられるのでした。しかしこの後ハルナ達は、プラム王国の悲劇の裏にもう一人の魔王の存在を知ります。




千年前のプラム王城、王の間。ここでは1つの探索に12人の騎士が送り出されようとしていました。


「第47騎士カインよ。騎士になったばかりでありながら、

 騎士団長の推挙もあり今回の探索に加わる事を許された。これは栄誉である。

 探索を成功させる為にはその命すら惜しむな。

 良いな。」 プラム王


「イエス、ユア マジェスティー。」 深々と頭を下げるカイン



 12の騎士が挑んだ地下世界は、罠と魔物に溢れ、騎士達はひとり、またひとりと命を落として行きます。そして、その最深部に到達した時、生きていたのは若き日の騎士カイン、ただ一人。そして、そこには恐るべき魔王の姿があったのです。


「儚い命の人間よ。何用でここまで来た。」 魔王


「死の魔王、地下世界の王テスよ。

 我が王の願いを聞き届けよ。

 次に生れる王の子に、王国を統べる比類なき支配の力を。」 カイン


「よかろう。

 その願い叶えよう。」 魔王テス


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