火吹く腕の参謀
紅い腕輪の踊り子ウサ達と別れた大地の僧侶ハルナ達。その行く手は古のプラム王国の亡霊、水軍とその隊長クマノーに包囲され殲滅の危機に瀕していたのでした。
「ふははははっ、無駄だ無駄だ。
この雨の中、水を介した我らの攻撃を防ぐことはできんよ。」 亡霊隊長クマノー
「くそ、雨の中で水に触れずにいるなんて出来るわけが。」 ハルナ
「鉄の剣も、魔法の鎚も効かねぇ~とはめんどくせー。」 S戦士ブラックサンダー(以下BS)
そのとき、こんな声が聞こえたのでした。
「ロケットパ~ンチ!」
そして現れた拳型の大火球が円を描くようにハルナ達を一周。クマノー達を飲み込んで炎のドーナツを作ると閃光と熱風を伴って大爆発するのでした。
どか~ん。
「バカな~。」 クマノー
そう言いながら、炎の中に消滅する亡霊達。そして炎によって起こされた上昇気流で円の中心気圧が低下。危なく酸欠で息絶えそうになるハルナとBS。
「よう、マイティーぱるる! 久しぶりだな。」
「お前はJB!?
それにプラム王国の亡霊達には魔法も効かないハズ!?」 ハルナ
「ブレインJ、今はそう呼ばれている。
そしてあれはただのファイヤーボールではない!
俺の悪を憎む熱い正義のスピリットが形となったパワフルなサムシングなのだ!!
だから倒せぬ悪は絶対に無い!」 ブレインJ(以下J)
「…それでいいのか?」 ハルナ
そのとき今度はこんな声が。
「参謀ぉ~。」
「どこですか~!?」
「作戦参謀ぉ~。」
そして息を切らせて駆けつける兵士達。
「参謀?」 BS
「ああ、ここから北にある故郷に帰っていたのだが、
モンスターが現れたというので兵士を連れて退治に来たのだ。」 J
「作戦は?」 BS
「まず俺がツッコんでギャルンとぶっ倒す。
そしてコイツらが続いてバフンと殲滅する。
ま、もともと人を動かすより自分で動く方が性に合ってるしな。」 J
「…それでいいのか?」 BS
「むっ、あっちにまた妖怪反応!
ではさらばだ!」 J
走り出すJ。
「参謀ぉ~。」
「待って下さ~い。」
「作戦参謀ぉ~。」
そして息を切らせて駆けつけ出す兵士達。
「…。」 ハルナ
「…マイティーぱるる?」 BS
「…。」 ハルナ
「なかなかいい漢だな。」 BS
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