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北東寺榛名と奇妙な世界  作者: 石表
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緑玉の王子6

「…“百万本の薔薇”」 エメラルド王子(以下、王子)


 無数の障害を乗り越えて白薔薇城の最上階へと辿りついた大地の僧侶ハルナ、紅い腕輪の踊り子ウサ、S戦士ブラックサンダー(以下、BS)。しかし最上階へと上がった途端、茎の先が鋭く尖った無数の赤い薔薇が飛来し、豪雨の様に降り注ぎます。


「…何と儚いことか…、

 私の運命の人との別れがこうも呆気なく訪れるとは。

 しかし、これは不可抗力。

 魔術師の前で密集などしていた君達の罪だ。

 この悲しみは、毎夜薔薇の花と共に君を想い、

 星空を見上げる事で慰めるとしよう。」 王子


ハルナ達がいた処は、無数の薔薇に覆われた小山になっているのでした。



「…違うな。間違っているぞ。

 密集する事で、私の魔法障壁が全員を守れたのだ!」 ハルナ


 ばん、と弾ける無数の薔薇。そこには土色の魔法障壁のドームに守られたハルナ達が現れます。


「へ~、これを全部防ぎきったのか。やるじゃないか。」 BS


「ああ。だが今ので魔力はカラだ。」 ハルナ


「じゃ、集まっててもしゃーねーからバラけるか。」 そう言って一直線に王子に迫るBS


「今の攻撃。

 実際に王子が放った薔薇は十数本。

 この部屋に何か仕掛けがあるのね。

 これが愛の試練なのね!」 ウサ



 こうして始まった王子VSウサ達の戦いは、始めこそ王子が優勢に進めたものの、数々の仕掛けをウサに解かれ形勢は逆転。王子は破れ去るのでした。


「さあ運命の少女よ。

 その剣で私の胸を突き、この悲劇に幕を降ろすのだ。」 王子


「イヤよ。

 私と貴方の運命は殺し合うことじゃない。

 愛し合うことよ。」 ウサ


「それは叶わぬ事だ。

 何故なら私が魔族で、君が人間だから。」 王子



 その時、城が大きく揺れると共に地鳴りが聞こえるのでした。そして、いつの間にか10mは裕にある高い天井の近くに、一人の魔族の男が浮かんでいます。その男の右手には恐ろしい程の魔力が集まり、それがこの城を揺らしているのは明らかでした。


「クックックッ…………、エメラルド王子。

 もうお前に価値は無い。

 この城を墓標にしてるから、そのイレギュラー共とここで眠るが良い。

 やはりお前はただの人間だったな。」 魔族


「なんと!?私は人間だったのか!?」 王子


「沼地の近くで記憶を失って倒れていたお前。

 人間であることはすぐに分かったが、

 手駒に出来そうなので拾っただけよ。」 魔族


「つまり…?」 王子



「つまり私と結婚できるという事よ!」 ウサ


ウサに微笑む王子は、その手を床に触れると叫ぶのでした。


「見るがいい。

 この城最後の仕掛けを。

 …“薔薇の密林”!」 王子


 部屋の四方の隅から床を破って巨大な薔薇の蔓が現れます。それは崩れようとする壁を這って、その部屋を覆って行くのでした。そこで王子がアイコンタクトを送ると、3人は同時に頷き、4人はそれぞれ薔薇の蔦を駆け上がって、四方から魔族の男に迫ります。


「愛と」 ウサ


「正義と」 ハルナ


「運命の」 王子


「!」 BS


「ラブラブハリケーン!!!!」 ウサ・ハルナ・王子・BS





#########################





「…・……ラブラブはともかく、

 ………何がハリケーンなのでしょう?」 水晶玉を覘く魔王アナスタシア





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「これは!?

 避け切れん!」


前後左右から迫る剣(鎚)に焦る魔族。そして3つの剣と1つの鎚が交差します。


がきん


その瞬間、魔族の姿は消え失せていたのでした。そして声だけが響きます。


「おのれ、おのれエメラルド王子。そしてマイティーぱるる!

 憶えておれよ~~~。」



「むぅ、声はすれども姿は見えず。

 面妖な。」 王子


「…。」 ハルナ・BS


「愛の勝利ね☆」 ウサ

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