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北東寺榛名と奇妙な世界  作者: 石表
6/81

6 竜と火山の迷宮2

がらがらがら、どしゃーーーっ。


「あぁああぁぁあぁ~~~っ(T__T)」 ウサ



数時間前。第2の迷宮に向かうハルナ達。


「ドラゴンもいるようだし、ここは慎重に行って、

 少しでも危なそうだったら引き返して出直そう。

 何よりも生き残ることが大事だからな。」 ハルナ


しかし入った途端に第2の迷宮の入口が崩落し、引き返せなくなるのでした。


「(つД`;)」 ハルナ



「それにしても、また何もないですゎね~。

 もう7つ目の部屋を過ぎましたゎよぉ~。」 サクラ


「…いえ、そこのT字路に何かある…です。」 アスハ


「あれは…、ピンクの電話!?」 ハルナ



「まぁ。じゃひょっとして、ゲームの外につながってたりしないかしら?」


「あからさまに怪しいって。」


スタスタと電話に近づくサクラを、止めようと追いかけるウサ。


りんりん。


突然電話が鳴り始めます。


「…キケンな予感が…映画だと、呪いを掛けられたり…なんて。」 アスハ


「でも間違い電話だったら、教えて差し上げた方が親切ですゎ。」 サクラ


「あああっ~~~、ダメだって~~~!」 ウサ



 右手で受話器を取ると左手を添えて華麗にターンし、ウサに手渡すサクラ。


「はぁいぃ☆ お電話ですわ♪」 サクラ


「あっ、どうもすいません。もしもし…。」 ウサ


「アノネ。」 電話の声


「って、出ちゃったじゃん(T__T)」 ウサ



「駆ケッコデ、最後ニ ゴール シタ人ヲ何テ言ウ?」 電話の声


「えっ!? …ビリ?」 ウサ


「二回言ッテ。」 電話の声


「ビリビリ?」 ウサ


ビリビリ。


「っぅあっ!? 痛ッタぁ!!!」 ウサ



「…そのパターン、年末のTVで見たです…。」 アスハ


「じゃ、止めてよぉ~。」 ウサ


「すまん。つい見送った。」 ハルナ


「お可哀そう。どうして、そんなことに??」 悲痛な表情のサクラ


「アンタがいうなぁ~~~!!!」 ウサ



「うへら、うへら、うへら」x100 ???


「いつの間に。何だこの饅頭の大群は!?囲まれてる!」 ハルナ


「マジックで書いたようなニコニコのお顔が付いてますねぇ~。」 サクラ


「コイツら、むかつくぅ~~~! でも、どうしたら…」


ばいん。


そこまで言ったウサのお顔に、跳ね上がった1匹が衝突するのでした。


「痛ッタ! もう許せん!」


 ウサが顔から剥がれ落ちた饅頭を蹴り飛ばすと、壁にぶつかってグニャリとなります。



「コイツら、弱いよ!」 白い粉で顔が真っ白になっているウサ


ばいん、ばしん、ぼと。


 顔に向かって飛び込んでくる饅頭を、キラキラと優しげな微笑みを浮かべながら盾で受け止め、そのまま壁に叩きつけるサクラ。盾を壁から離すと饅頭はぼとりと落ちるのでした。


ずぶ、ぼと。


 アスナさまが跳んでくる饅頭に杖を向けると、そのまま杖の半ばまで突き刺さり、それからゆっくりと落ちるのでした。数分後、半分ほどを蹴散らすと残りは一斉に逃げて行きます。



「コラ~~~!待て~~~!!」


 追おうとするウサ。引き留めるハルナ。


「待つのはキミだ、ウサ。

 明らかにコイツらの目的は私達にダメージを与えることじゃない。

 しかも逃げ出した後、私達が追えるように視界ギリギリで待っている。

 誘いだ。」


「(杖の先を見ながら)…それに、この白い粉。

 あとでペナルティか何かの目印にされるかも…です。」 アスハ


「ここは慎重に…。」 ハルナ

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