表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
北東寺榛名と奇妙な世界  作者: 石表
51/81

魔王の夢3

「さて、お前達は“終焉の騎士”の領域じゃなくて、

 “天空の魔女”の所にでも戻してやるぜ。

 アイツ変ってるから、お前達にとっては一番安全だろう。」 風魔王ゼファー


「“天空の魔女”?」 大地の僧侶ハルナ



 七大魔王の一人“天空の魔女”。彼女は流れの魔物を手下に倒させる事で、人間から天空の女神と崇められ、人間の英雄を最終戦争の為の戦士として勧誘し、彼女の天空の城へと連れて行って配下にします。この為、彼女の領域は最も魔物の被害が少ないのでした。


「高レベルにならないと勧誘も来ないから大丈夫よ、きっと。」 妖術士カリフラワー女子爵


「それはそうと、

 結果的に協力したんだから何かちょーだいよっ!」 紅い腕輪の踊り子ウサ






##########################################






 それから1週間後、風に乗って運ばれ、“天空の魔女”の領域にあるニュルンベルガー地方で降りた二人は、酷くぬかるんだ道に四苦八苦しながら近くの農場を訪ねます。


「御免下さい。

 道に迷ったのですが、近くの街へはどう行けばいいでしょう?」 ハルナ


「ええっ!?

 あんた達、昨日までの大嵐の中を旅してたのかい!?」 農夫


「嵐?」 ウサ


「そうだよ!

 もう7日も続いていたから、いよいよ世界の終わりかと思ったよ!」 農夫






##########################################






一日前。


「この次元の窓から覗いてみなさい。

 “天空の魔女”アイスヴァインと“剣の王”ムサシの戦いに決着が付くわ。」 織田姫子


  そこでは多数の戦士の屍の上で戦う二体の魔物の姿があるのでした。一方は空中に浮かぶ巨大な鐘。その上には女性の上半身を模したような金属像が付いてお り、ゆっくりと揺れながら不思議な音と見えない何かを発しています。もう一方は象ほどもある太いライオンの体、その首の部分に黒い巨人の上半身が生えたような姿です。巨人は両肩から無数の腕を生やし、それぞれが魔法の武器を持ち、見えない障壁に阻まれながらも鐘を打ち付けています。


「アレが“天空の魔女”の第七形態と、“剣の王”の第二形態。

 共に最終形態ですね。」 青い魔導士アスハ



 翌朝、雲上でこれまで七日間戦い続けてきた両者は相打ちとなります。剣士の姿に戻った“剣の王”は沈黙、一方白いドレスの女神の姿に戻った“天空の魔女”は、満身創痍ながらも僅かに息をしており、その表情には笑みが浮かんでいました。

 しかしその笑みも、彼女に近付く影に気付いた時に凍り付きます。


「きゃ~~~、いや~~~!」 アイスヴァイン


 目を剥き、残る僅かな力を振り絞って這いずる様に逃れようとする“天空の魔女”。彼女にガラスの様な槍を持って近付くアスハ。



「この世界から帰る方法の一つは、

 魔王となって全ての魔王を倒し、世界を征服すること。

 その悪魔食い(デビルイーター)“ブートジョロキア”で魔王の力を吸い取り、

 貴女が“天空の魔女”になるのよ。

 …アスハさん。」 織田姫子


「やめて~~~っ!お願いっ!

 それだけは~~~っ!」 アイスヴァイン


「気は進みませんが仕方ありませんね。

 ゲームのキャラですし…。」 アスハ



「ああっ、こんなに冷たいとは知らなかった…。」


槍で貫かれるアイスヴァイン。刺された胸の奥から、ちゃっくちゃっくちゃっくと不思議な音が聞こえて来ます。


「新七大魔王“天空の魔女”アスハの誕生ね。」 織田姫子


「…これが!?」 アスハ


レベル6、7、8、9、10、…、99。


お読み頂きありがとうございます。

よろしければ評価を押していただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ