白髪の死霊術師7
「+“炎の剣”!」
ウサの小剣が燃え上がります。
「アレはJBさんに習っていた炎系の魔法。
…もう習得していたのですか。」 アスハ
魔法と踊り子の特技で高速で動くウサは、一瞬で6方向からトロールに斬り付けます。しかし…。
「びぇ~ん、皮が厚くて刃が立たないよぉ~。
それに…。」
「炎が効いてない…。
あの紋章、魔法を退ける魔法陣になっている様ですね…。」 アスハ
「腕輪を貸して下さい。
それと、少し引き付けていて下さい。」
ウサから腕輪を受け取り、後退しながら腕にはめるアスハ。
「ウサさん、もう戻って来て下さい。
タイガーバーム!」
通路の手前で振り返ると、腕輪から巨大な虎が現れます。
「そっか、その虎なら抑え込めるかも!?」 通路を戻るウサ
「いえ、ミシェルは筋力のないウサさんを補うフレンドですが、
この子は私の能力を拡張するフレンド。
……………“爆雷”!」
バリバリと電光を発する光球を放つアスハ。光球がお尻に入り込むと虎の腹が膨れます。その膨らみが胸、喉、頬と移動し…。
ばばばばばばーん。
虎の口から無数の光球が放たれると、追ってくるトロールに次々と命中。恐ろしい爆音と閃光、爆煙を発します。
「…上位魔法“爆雷乱舞”」 アスハ
「や、やった!
あの爆発じゃ、トロールも耐えられない…」 ウサ
「いいえ…。」
アスハのこめかみを一筋の汗が伝います。ゆっくりと晴れる煙の中、その姿を現すトロールは無傷でした。
「そんな…ダメだったの!?」 ウサ
「それも違います。
私の狙いは…。」
ばり。
足元に入ったひびが一気に広がり、トロールを飲み込みます。
「あ、あそこは!」 ウサ
割れた床から落ちたトロールは、その下の穴底に立てられた無数の槍に刺し貫かれ、身動きが取れなくなります。
「…古来からの強大な敵への対処法です。」 アスハ
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