光の森の魔法使い2
魔導士の魔法が地水火風の系統に分かれている様に、僧侶の魔法も流派に因んだ特別魔法を持ちます。巨人に襲われ一人窮地に立たされた大地の僧侶ハルナ。彼女は、獣の力を呼び込み筋力を10倍にする特別魔法“狼憑き(ベルセルク)”を使う決断をします。しかしこの魔法は知力が半減する上、彼女の魔力を5秒で枯渇させるものでした。
「(作戦を忘れるなよ、私!)………“狼憑き”!!
………ぐっ、
グルルルルゥルルルゥガオワァァァ~~~~!!!」 ハルナ
「何ィ!?」 巨人
5
片足のまま直径20cm、長さ5m程の木を拾い、巨人に叩きつけます。しかし巨人はその木を両手で受け止め、押し返して来るのでした。
4
「脅かしやがって。並の戦士の数倍は力があるようだが、力比べで巨人に勝てると思うなよ。」 巨人
3
「ガルルルルゥゥ………。」
次第に上から抑えられて行くハルナ。
2
突然、木を手放すハルナ。巨人は勢い込んで倒れそうになります。
1
腰から棍棒を引き抜くと、矢のように飛び出すハルナ。その棍棒で巨人の脛を強く打ち付けるのでした。ベキッ。そんな音と共に棍棒は粉微塵に砕け散ります。
「ぐわ~っ!?」 巨人
ずっしん。
倒れた巨人の周囲に4筋の黒い煙が噴き上がり、その煙が渦を巻いて巨人の体を覆います。
「あああっ~~~ああっ~~~!」
絶叫を上げる巨人。黒い煙が晴れると全身から血を吹き半死半生の体で巨人の姿が現れます。
「くそ、並の人間なら5回は死んでたぞ。」 巨人
「なるほど。禁忌を破るとそうなるのか。
それにしても人間は1回しか死なないぞ。
さらに自分の能力を自分で喰らうとは、お前馬鹿だろ?」 ハルナ
「喧しい。これは森の力だ。
それに俺はまだ半分は力を残している。
やはり、お前は俺に食われる運命から逃れられんぞ。」 巨人
「そうかな?」 ハルナ
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