白髪の死霊術師5
カリフラワー女子爵の館から10kmの街カレドショコラの居酒屋。
「姉さん、もう勘弁しろよー。
だいたいアンタ、仕事しなくていいのかよー。」 美少年
「何言ってんのー。
これでも仕事中よー。
カリフラワー女子爵の情報を集めてんだからー☆」 ウサ
「えーっ、あの幽霊の森の!?
たしか光の森に師匠だった魔法使いがいるって話だけどなー。」 美少年
「なんですってー!?
そこ、案内しなさい!」 ウサ
「ええっ~~~!?
…分かった。明日、案内するから今日は解散…。」 美少年
「こんな大事な情報源、逃がす訳にはいかないわ!
明日まで一緒にいてもらうわよ!」 ウサ
「なんだと!?」 美少年
「(なんだと!?
これは面倒な事になった。…いや待てよ。
光の森の隣の魔獣の森には恐ろしい魔物の兄弟がいたな。
よし、奴らにコイツらを止めさせよう。善は急げだ。)」
こっそりとウサを離れ、夜の闇に飛び出していく月の輪うさぎ。
翌日、若干目の下にクマを作りながらさっぱりしたお顔のウサと、目の下にクマを作ってげっそりした顔の美少年はアスハ達と合流。その少し後に疲れ切った様子で戻ってきた月の輪うさぎがウサのリュックに潜り込んで寝入ります。
そして魔法使いを探して光の森に向かう一行が、魔獣の森近くを通りかかった時でした。
「(おかしい。そろそろ襲撃があってもいい頃なのに。
…ああっ、しまった!)」 月の輪うさぎ
「(兄貴、来ましたぜ人間どもが。久しぶりに喰ってやりましょう。)」 恐ろしい魔物(弟)
「(待て。こいつら男2人に女3人で徒歩だ。
使い魔が言ってたのは男1人に女4人で馬車だろ?)」 恐ろしい魔物(兄)
「(でも腹減ったから、取りあえず…。)」 弟
「(馬鹿、コイツら喰っても腹が膨れるだけ。
例の奴らなら腹が膨れて、魔女に褒美がもらえるんだぜ。
本命に逃げられないようコイツらはスルーだぜ。)」 兄
「(さすが兄貴、あったまいい!)」 弟
「…人数違うじゃん…orz」 月の輪うさぎ
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