白髪の死霊術師3
そこは深い闇の中、邪悪な意思が蠢いているのでした。
「黒猫の騎士め。
カリフラワー様の一番の使い魔であるこの俺が、ご主人様には近づけさせんぞ。
ご主人様は何もおっしゃられなかったが、
足止めすればきっとお喜びになるハズ。くっくっくっくっくっ。」
セロリー伯爵領を離れ、カリフラワー女子爵領へと向かう一行。爽やかな木漏れ日を受けながら森の中を進みます。
「なんつ~か、この馬車…スゴイな。」 大柄な傭兵隊長
「でしょ~~~。
突撃用の角とか、大型ボーガンとか、
ガンバったのよぉ~。」 紅い腕輪の踊り子ウサ
「そういえばまだお名前を伺っていませんでしたゎネ☆」 黒猫の騎士サクラ
「JBと呼んでくれ。」 大柄な傭兵隊長
「JB?
何の略だ?」 大地の僧侶ハルナ
その時、馬車の前に飛び出す小さな影。
「…あぶない。」 アスハ
ぐん!「おい、あぶね~。」「きゃあ~。」
急制止する馬車。しかし馬車の前には黒い太ったうさぎがのびているのでした。馬車を降りてうさぎを抱き上げるサクラ。
「まあ可愛い☆
首の下に白い三日月マークがあるから、月の輪うさぎね♪
見て下さい、ウサさま。はい。」 サクラ
「ほんとだ~、おもしろ~い。」 ウサ
「ウサさまにも気に入って頂けて、よかった~☆
ラグランジュちゃん、
これからはウサが面倒を見てくださるそうよ♪」 サクラ
「いきなり命名!?
っていうか押しつけられた!?」 ウサ
(「くっくっくっくっくっ。潜り込むのに成功したぜ。」)
翌朝、宿屋のベットで目を覚ましたウサは、気持ちよく伸びをして靴を履こうとしたところ、異変に気付いたのです。
「あれ!?
靴の右と左が反対に置いてある!
おっかし~な~?」 ウサ
(「くっくっくっくっくっ。足止め成功!」)
そしてこの日の昼、フランス料理の店を訪れた一行は、風魔王ゼファーと再会するのでした。
「そういえばJBは何の略だったのですか?」 アスハ
「ジューベー。」 JB
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