白髪の死霊術師2
半ば意識を失いかけながら、騎士ジョナゴールドに抱きかかえられるセロリー伯夫人アセロラ。17年前にブルーベリー男爵領に潜入したセロリー伯。そこで彼を見掛けた彼女もまた、どこの誰とも知れないうちに彼を愛してしまったのでした。その後密輸商人にさらわれセロリー伯爵の元に来た彼女は、数年前より愛して止まなかった相手が同国人を惨たらしく殺戮する隣国の吸血鬼伯だと知ります。愛する人が憎むべき敵と知った彼女は苦悩し、彼にどう接していいか分からな いまま年月が過ぎて行ったのでした。
「あの方の前にいても、私は微笑み一つ浮かべる事が出来ませんでした。
それでも私はあの方を愛していたのです。
ごめんなさいジョナゴールド。
貴方の思いを知っていたのに応える事が出来ませんでした…。」
その言葉を最後にアセロラは意識を失い、二度と目覚める事はありませんでした。
カリフラワー女子爵の館。
「叔母様。ボク、父上の所に帰りたいよ。」 アスパラガス
「ダメよ。あの男は悪魔のような男なの。
あなたは私とずっと一緒にいればいいのよ。
ずっと、ずっと、ずーっとね。」 女子爵
「愛し合っていたのに、お互いに気付かなかったなんて(T T)」 ウサ
「愛し合っていても、気持ちが伝わらない事はある。」 大地の僧侶ハルナ
「…コミュニケーション不足ですね。」 青い魔導士アスハ
「ありがとうございました☆
…あの、腕は大丈夫ですか?」 黒猫の騎士サクラ
「へっ、ざまーないな。」
大柄な傭兵隊長が女子爵に掴まれた腕の袖をめくると、掴まれた手の跡が青黒く付いていました。
「これは…、“魂吸引”の跡!?
力を抜き盗られたのですね。」 アスハ
「ん~、腕に力が入らないな。
それでも嬢ちゃん達より腕力はあるがね。」 傭兵隊長
カリフラワー打倒に同行を申し出るジョナゴールドを、領地への責務を理由に諫めるハルナ。
「残念だったな騎士様、いや伯爵様かな?
代わりに俺が行ってやるぜ。この腕の礼がしたいからな。」 傭兵隊長
お読み頂きありがとうございます。
よろしければ評価を押していただければ幸いです。




