魔導士と貴婦人7
「雑魚は引っ込んでいろ。
…………………………“炎の壁”」 セロリー伯
突進するウサと伯の間に現れる高さ2m・幅10mの炎の壁。しかし、ウサは炎の壁を切り裂き、飛び出します。
「何っ!?」 セロリー伯・陰気な騎士ジョナゴールド
「あれはあの時、私を刺した短剣か。」 ハルナ
「呪いを解いた短剣の刃は、
魔力を中和する特性を持っていたのです。」 青い魔導士アスハ
短剣でセロリー伯の左肩を突き刺すウサ。彼女の顔の前に、右手をかざすセロリー伯。
「そんなに死にたいか!
…………………………“炎の竜”」
しかし炎は出ません。驚愕したセロリー伯が動きを止めた一瞬、ウサはその背に飛び付き両足を絡め、両手で短剣を抑えます。
「人に刺すと、魔法を使えなくなるのよねぇ~♪
この短剣は抜かせないわよ!」 ウサ
「これで畳み込まないと、
…………………………“雷鳥”」 アスハ
「兄上ーっ!」 ジョナゴールド
びりびり。
アスハの手から、鳥の形の電光がセロリー伯めがけて飛び立つと、間に割り込んだジョナゴールドが電撃を受けながらも剣で受け止めます。
いつの間にか起き上がっていたサクラが、何気ない足取りで戦いの真っ只中に近付き微笑みます。
「とりあえず休戦と致しませんか☆
ほら、砦で何かあったようですゎよ♪」
「伯爵-っ、敵襲だーっ!
隣国が攻めてきたぞーっ!」 砦から走りくる兵士