22 魔導士と貴婦人2
セロリー伯爵領内の村を出たハルナ達一行は、程近い明るい森の中で切株や倒木の上に思い思いに腰を下ろしていました。
「…ウサさん、大丈夫でしょうかね?」 アスハ
「彼女はうちでは唯一の非戦闘系ジョブだし、
こういう状況での情報収集なら任せて良いだろう。」 ハルナ
ウサは非友好的な態度の村へと単身情報収集に向かったのでした。
「きっと、大丈夫ですゎ☆
それにしてもヒマですね~。お昼寝しちゃいましょ~か♪」 サクラ
その頃、セロリー伯領内の村のとある家。
「ぶはははははははっ^^
あんた、アタシのファンなんでしょ!
パンツ1枚あげるから、洗いざらい話なさいよ!」 ウサさま
「萌えーっ、萌えーっ♡」 村人C
それから2時間後、森の待ち合わせ場所。ウサさまの仕入れてきた情報は、次の様なものでした。
・ブロッコリー伯の息子がさらわれた日の辺りから、セロリー伯の屋敷へ向かう馬車は
目撃されていない。
・セロリー伯領は隣国との境界上にある。
・セロリー伯は昔隣国からの密輸をブロッコリー伯に暴露され、領地を減らした。
・密輸の時に手を組んだ山賊が、最近舞い戻って来て近くの森に拠点を作り始めた
らしい。
・セロリー伯夫人は館には住んでおらず、風光明美な丘の上の別宅に住んでいる。
・滝の裏の奥の洞窟には、キング&クィーンガニットの新居がある。
・騎士ジョナゴールドは、歳の離れたセロリー伯の弟。
・セロリー伯領内での魔物討伐や治安の維持は、実質ジョナゴールドだけでやっていて、
領民から人望を得ている。
・セロリー伯自身は強欲で残虐との評判があり、あまり領民に受けが良くない。
・セロリー伯とジョナゴールドの仲は険悪らしい。
・ジョナゴールドと伯爵夫人の間にはナニカあるらしい。
「(パンツ1枚で、これだけの情報を…色仕掛け…か?)」 ハルナ
「(すご~い☆ 色仕掛けですゎね♪)」 サクラ
「(もしや………呪いのアイテム(パンツ)?)」 アスハ
「まあ、あの緑の縞パン。私のじゃないけどね~。
こんな事もあろうかと、持って来といて良かったわ。」 ウサ
「!?」 ハルナ・サクラ・アスハ
「さて、…これからどうしたものか。」 ハルナ
その頃、この世界の別の場所。
「うぇ~~~ん、ボクのお気に入りのパンツが1枚ないよぉ~~~。」 カパタロウ
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