2 怪鳥と迷宮の魔女2
「みなさぁ~~~ん、みぃ~てぇ~、みぃ~てぇ~。
じゃじゃあぁ~~~ん、私のフェラーリちゃん☆」 サクラ
10分前、最初の村の宿屋からこのお話は始まるのです。
「村の人に聞いた話だと、森の奥の迷宮に住む魔女が、
中ボスみたいです。」 アスハ
「あのカッパモドキなら、そうと分かっていれば対処できそうだが、
あれは恐らく最下級の魔物。少し、戦術を考えなければ…。」 ハルナ
「アスハは主に魔法を使うとして、初期装備はサクラが“ショートソード”で、
私が“こんぼう”。ウサは“短剣”か…。
少しでも優位に立とうと思えば、サクラには槍を持たせて敵を近寄らせないようにし、
私とウサで飛び道具攻撃か。ならば、サクラ用に長めの槍と、
私用に“パチンコ”、ウサ用に“投げナイフ”が欲しいな。
幸い昨夜、うウサが踊りで少し稼げたし、
カッパモドキの宝を売っぱらった分と合わせて、
装備を整えるのが先決か…。」 ハルナ
「生徒会長さんが帰って来たです。下で呼んでるですよ。」 アスハ
そこには4頭の白馬につながれたピンクの馬車があるのでした。
「私が歩いて移動なんて、ありえませんゎ。うふっ☆」 サクラ
「………(つД`;)」 ハルナ
「…いい馬車だと思うですよ。」 アスハ
5分前、村の劇場の舞台裏で。
「えっ!?私の出演料1カ月分、語尾に“☆”が付くような喋り方の娘が、
もっていったですって!?
あ、あんにゃろぅ~~~~。」 ウサ
1時間前、魔女の森の一角。
「カッパッパ~~~。(ふふふふっ、この間の人間ども、
待ち伏せして宝を取り返してやるカッパ。この戦術に驚けカッパ。)」 魔物達
20分後、夜の村外れを爆走する1台のピンクの馬車。
「これは…夜逃げかな…です?」 アスハ
「違いますゎ☆ だって、急いでいるんですもの♪」 サクラ
「あぶっ、あぶっ、あぶなぁ~~~い!
そんな急角度で曲がったら、馬車が横転する!!
車輪が外れるぅ~~~!!」 ウサ
「大丈夫ですわ☆ ドリフト走行はレーサーの基本です♪」 サクラ
「…馬車が時速300km/hで走っている…です。」 アスハ
そこに飛び出す3匹の影。
「カッパッパァ~~~、カパ!?
(この間の人間ども、宝を返してもら、ぎゃっ!?)」 魔物達
どかん、ぶちゅ、ぶちゅ、ぶちゅ。
「何か轢いたわよ。」 ウサ
「私は見えたが、見なかったぞ。」 ハルナ
「飛び出すな~、車は急に止まれなぃ☆ ですゎ、うふっ♪」 サクラ
「…いい馬車だと思うですよ。」 アスハ
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