17 ハイエナの遠吠え2
タイトル変更しました。
「扉を開けなさい、ぴ~まん男爵!」 ハルナ
「ハルナさま、声大きぃですゎ☆」 サクラ
「ボンジュルゥ~。そのまま押し潰されるがいい。
がはははははっ。」 部屋の外から男爵の声
ごごっごごご。
「こんなことをして…。
ブロッコリー伯爵の子も、あんたがさらったんでしょう!?
あんたの馬車から子供の泣き声が聞こえたって人もいるのよ!」 ハルナ
「ブロッコリーの子など知らんよ。
どこの世界でも子供は高く売れる。それだけだ。
ぴ~まん。」 男爵
ごごっごごご、ぴた。
「天井が止まりましたゎ☆」 サクラ
がこっ。ごごごごっごごごごごご。
「…天井が加速したです。」 アスハ
「一気に止めを刺そうというの!?」 ハルナ
「あれ? いや、その通りだ!」 男爵
「きゃぁ~~~。
入れ替えた歯車、逆だった~~~。」 ???(どこか別の場所)
ばきばき(天井がテーブルやイスを押し潰していく音)
がったん。
すでに仰向けになているハルナ達の目の前で止まり、するすると戻って行く天井。
「みんな大丈夫!?
扉のロックも解除したよ!」 天井の隅が開き、顔を覘かせるウサ
「あら。じゃあ、あの長椅子で寝ている方は?」 サクラ
「トイレに連れて行ったときに毛布を巻いた人形と入れ替わり、
伯爵の子を探しに行ってもらったのさ。」 ハルナ
「大声はウサさまに気付かせる為だったのですゎね☆」 サクラ
「ちなみに、加速したのは?」 ハルナ
「てへぺろ(・ω<)」 ウサ
「とにかく脱出…です。」 アスハ
月夜の中、館を飛び出すハルナ達。しかし、その前に現れる男爵とその手下。男爵が獣のように吠えると、彼らの顔や手が毛に覆われ、びしりびしりと服を裂いて体が膨れ上がり、そして耳は長く伸び、口からは牙が生えるのです。
「まさか、…狼男?」 アスハ
そう、そこには。
「ぶちハイエナ男だも~ん。者共、かかれーっ。」 男爵
「も~ん、じゃない!」 ハルナ
「…チャンス。
…………………………閃光。」 アスハ
アスハの手元から放たれる光に目を眩ませる男爵達。襲いかかるハルナ達。
「…チャンス2☆」 男爵達の間を走り抜けるウサ
「ぐぬぅ、小賢しいマネを。
だが夜の森で獣人に勝てると思うなよ!
行け!」 男爵
やっと目が戻った二匹の獣人がサクラへと迫ります。
ぴん。ばたん。
「よし!かかった。」 ウサ
ウサが引っ張るロープに足を取られる二匹。ロープは木の根に結ばれています。
「うふ☆」
がつん、がつんと二匹の頭を剣で殴り付けるサクラ。
「えいっ、よぉっ、とうっ。」 ウサ
仕掛けられた幾つものロープが獣人達を阻み、ハルナ達を助けます。
「馬鹿な!
そんな小細工だけで、小娘数人が獣人に勝てるハズは…。」 男爵
「ふん、まだ気付いていないのか。
サクラの持つ聖剣ブランチュールが悪の力を減じている事に。」 ハルナ
「…時価金貨千枚程度。
ラングドシャの秘宝をデポジットにブロッコリー伯から借りました。」 アスハ
「え~っ!?
じゃ、それを持って逃げればいいんじゃない?」 ウサ
「…ラングドシャは、時価金貨二千枚です。」 アスハ
「ブロッコリーの野郎~~~。」 ウサ
わおおおおぉ~~~ん。(遠くから)
「む、増援か?
ここらが潮時。撤退する!」 ハルナ
「えぇ~~~。」 ウサ
「えぇ、じゃない。いくぞ。」
撤退するハルナ達。
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