16 ハイエナの遠吠え1
サブタイトル変更しました。
「ボンジュルゥ~。
いやいや身内が迷惑を掛けたようだねぇ~。」
そう切り出したのはちょび髭で、額の狭い痩せた男、ピーマン男爵でした。
まずは男爵を友好的に訪問し、状況を確認しようとしたハルナ達でしたが、彼の屋敷近くの村の酒場で無法を働く男爵の仲間、顔中に痣や斑があったり毛が生えているブサイクどもを見かねて、つい叩きだしだり、ビリビリさせたり、馬車で蹂躙したりするのでした。
報復を警戒していたにも関わらず、意外にもお詫びがてら夕食会への招待を受けるのでした。
「(ディナーに自ら手を付けながら)毒など入っておりませんぞぉ~。
おや~、そんな木の食器などあるはずないんだが~?」 男爵
「お気になさらず。
マイプレートとマイボウル、スプーン、フォークが習慣なんです☆」
館への訪問前、食器に毒を塗られのを恐れ、食器持参で行こうと決まるとその村で木の食器を調達したウサでした。
「って、あれ~!?あっちゃん銀食器!?」 ウサ
「魔術師ですから銀製が基本………です。」 アスハ
「そうなんだ~!?って、はーちゃんはゴールド!?」 ウサ
「通貨と言う物をあまり信用しておらんのでな。
できるだけ金で持ち歩くようにしているのだ。」 ハルナ
「え~っ!いつからぁ~!?
さっちゃんだって銀なのにぃ~。」 ウサ
「いや、良く見ろあの輝きを。アレは…。」 ハルナ
「プラチナんむぅ!?いつ買ったのよぉ!」 ウサ
「だって、どうせならいいと思いまして☆」 サクラ
「なんのど~せだ~!」 ウサ
「お前ら大騒ぎしやがって、うちの飯を何だと思っていやがる!」 男爵
「下品だな。」 ハルナ
「まあ、ハルナ。きっと悪気はないんですよ☆
ただ育ちが悪いので、こんな言い方しか出来ないだけですわ♪」 サクラ
「てめぇ俺を侮辱する気…。」 男爵
「あ!痛たたたっ。お腹が!?」 ウサ
「そんなバカな!?」 男爵
ハルナに付き添われてトイレへと出て行くウサ。しばらくして毛布を巻いて戻ってくるのでした。
「中座してすまんな。どうやら朝のコーヒーでお腹を壊したようだ。
ちょっとそこの長椅子を貸してくれ。」 ハルナ
しかし、その後も男爵の怒りは不思議と募っていき、ついに。
「てめぇ~らやりたい放題ですかぁ~!?
死にさらせぇ~ぴ~まん!」
男爵がそう言うと突然明りが消えるのでした。アスハの魔法で部屋を照らすと、男爵が消えているのが分かります。そして扉は開かず、ゴトンという音と共に天井が軋みながら下りて来ます。
「ボンジュルゥ~。ブロッコリーのスパイめ。スプーンに付いた薬で眠らせて、
捕えてイジメてやろうと思ったが、もうゴメンナサイでは済まさん。
そこで轢き潰されるがいい。」 男爵
「…吊り天井。」 アスハ
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