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めりーさんと出会う。
夏は怪談、肝試し。
それは否定しないでおこう。ホラーとかめっちゃ苦手だけど否定しないでおこう。
何せ夏になればひんやりしたいからとそんな怖い話が飛び交うのだから。
そこまでならいい。そこまでなら。
「もぐもぐ……」
「おいしー!」
「おこうちゃはありませんの?」
「……眠い」
「この本きたないのー」
えっと、何で部屋に5人の幼女がいるのかな。
しかもこの子たちさ……半透明なんだよね。
幼女で半透明……おかしいな、懐かしい都市伝説を思い出すぞ。
まさか……
メリーさんなわけ……ないよなぁ……?
いや、確かにさっき電話あったけど。
え、メリーさんが怖くないとか何それ初耳。
……いやいやいや! 怖くないメリーさんがいてたまるか! 怖くても嫌だけど!
「……あ、あのー。キミたちは……」
俺がそう聞くと、幼女5人は声を揃えて
「メリーさん。」
と答えた。