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プロローグ
いつもと同じ朝の終わりは突然だった。
その日消えたソイツは、
「―なんだそれ…聞いてねぇよ…」
「なんか…志敦くんは今精一杯だろうから余計なことは気にしなくていいんだって口止めされてて……。」
「まぁ氷雨なりの気遣いだろうな。」
「…どこが余計なことだよ……意味わかんねぇ…」
「しょうがないだろ。実際、追試でいっぱいいっぱいだったろ?」
「…引っ越しの理由は。なんで。」
「さぁ?俺は詳しく聞いてないし。」
「家の都合って言ってたけど……」
「そっか……。」
肝心なことをいつも俺に話してくれなかった。