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禁じられた人形遊び

※東方projectの二次創作であるため、レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット、パチュリー・ノーレッジの三者(の少なくとも容姿)を知っているとより楽しめるかも。


気休め程度の語注

*咲夜(さくや)……レミリアの住む館、紅魔館(こうまかん)のメイド長。

*パチェ……パチュリーの(レミリアによる)渾名。

*レミィ……レミリアの(パチュリーによる)渾名。

*フラン……フランドールのこと。

*ワーハクタク……人里を守る半人半獣のお姉さん、上白沢慧音(かみしらさわけいね)のこと。


「ねぇ……本当にやるの?」


私は親友に問いかける。


「えぇ、当然よ。 私が一体どれだけの苦労をしてきたと思ってるの?」


いや、苦労したのはあなたじゃなくて咲夜……、そんな言葉を飲み込む。


「…………出来なくても文句言わないで頂戴ね」


そういいながら、床に描かれていた幾重もの幾何学模様に魔力をこめる。

今から行使するのは、数種類の低級魔法を組み合わせることで成立する中級魔法―――錬金術。

ただ、それだけのことなら日常的に使っているのだが……。

今日は普段のものよりずっと複雑で、ずっと難しくて、ずっと危険なもの。

いや、危険というより、厄介というべきかしらね。


だって、死人を吸血鬼にするんだから。







私は目を覚ます。いつもと同じ時間、同じ空間、同じにおい。

真っ暗な地下室を仄かに照らす蝋燭。

ちろちろと揺れる炎は不安げで、見ていると心細くなる……ような。

私はベッドに腰掛けながら、ぼんやりと頭を巡らす。

さっきの夢は、私が生まれた時の……?

ああ、思い出せない。記憶にもやがかかっているよう。

でも、いいの、そんな些細なことは。今の暮らしが楽しいから。ダイスキだから。


……だから、館の外に出られなくってもいいんだ。


淡い金色の髪を持つ少女は、七色に輝く翼を1つ、羽ばたかせた。





今日は、私の愛しい妹の誕生日。何回目かはもう忘れた。

そんな回数なんて、関係ないから。

私のそばにあの子がいて、笑いかけてくれさえすれば、それだけでいい。

だから、いつまでも一緒にいてね。

いつまでも、いつまでも……。


私は深紅のドレスを身にまとい、妹のもとへと向かう。






「また……やるの?」


「当たり前じゃない! フランが……私の妹が……」





これで何回目だろうか。

きっかけは、人間の血の補充のために手に入れた、一人の美しい少女(の遺体、それがワーハクタクとの約束)。その時、レミィは興味本位だった。

ねぇ、パチェ、これで妹をつくれないかしら?、と。

曰く、姉という存在に憧れていたらしい。

……本当ならば、人間の遺体を蘇らせ、行使するというのは魔女にとっても禁忌なのだが。


結果、幸か不幸か、うまく行ってしまった。

生まれてきた彼女の名前は、私達が以前いた地名からとってつけた。

レミィは初めての妹……初めての仲間、の存在に興奮し、心を奪われていった。


しかし、やはり彼女の元は人間だった。すぐに2度目の死を迎えてしまったのだ。身体は魂の器に過ぎず、その魂を喪った身体は朽ちるのが道理、ということだろう。

それでも、レミィは諦められなかった。いくら吸血鬼といえど、孤独、は嫌なものなのだ。

……それか、今まで持つことのなかった“仲間”の存在を知ってしまったがゆえの苦しみなのか。


結果、幾度となく動かなくなったフランの蘇生を行ってきたのだ。





「レミィ、もう彼女は何回も生きたわ。 もう休ませてあげましょう」


「パチェ! お願い! お願いだからぁ……私からフランをとらないでぇぇ……」



もはや、レミィが限界だった。

彼女から吸血鬼の高貴さ、力強さは消え去り、見た目相応の少女の弱さしか残っていなかった。



「…………そう」



一言呟いて、詠唱を始める。

魔法陣から迸る光は、フランドールと呼ばれた少女の亡骸と、私達を包み込んだ。





「……お姉さま……?」


「フラン……!!」





蘇った妹のもとへ駆け出し、その体を抱きしめるレミィ。


ああ、成功してしまった。


また、レミィを、親友を止められなかった。


……ねぇ、レミィ。いつ、フランがフランでいられなくなるかはわからないわ。

でも、一つ言えることは…… 一度きりでしかないはずの“生”を何度も繰り返しているフランは、いつか、必ずコワレテしまう……。





レミリアに抱きしめられたままのフランドールの眼は虚空をみつめ、その口元には怪しい笑みが溢れていた。

はじめまして、flan*と申します。初投稿です。


小説なんかは、暇なときにケータイとかのメモにちょこちょこと妄想をぶちまけますが、人に見てもらうのは初めてです。


今回はフランちゃんの狂気設定の経緯を妄想してみました。パチェを主軸に、吸血鬼ながらも弱さを残すレミィと純真無垢なフランを描いたつもりですが……難しいですねー。

内容的には、

パチェ→フラン→レミィ→レミパチェの会話&パチェの内心→第三者

という流れ。

いつかリベンジしたいですね。


稚拙な文章ですが、楽しんで頂けましたなら幸いです。

また、ご意見、ご感想も頂けると嬉しいです。


ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後に関係ないですが、私も艦これ大好きです!! 絶対劇場版観に行きます!!!!!! 私的には、金剛さんと加賀さん、島風、あまつかぜ、村雨等が好きです!
2016/11/02 23:49 退会済み
管理
[良い点] 黒い画面の小説で見たのは初めてですが、私にとってはとても分かりやすく、フランを実の妹ではないようにしている所も中々良かったです(^^♪ [気になる点] 私的には特にありません(^^)/ […
2016/11/02 23:44 退会済み
管理
[良い点] フランと,レミリアの愛情 [気になる点] 短い、物語がわからない [一言] もっとキャラを増やして欲しいです★
2015/07/23 10:11 スピア・ザ・グングニル
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