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幼馴染の親友  作者: 世羅
2章
30/128

30

「せりかさんお誕生日おめでとう!」


「ありがとう!!これってブリザードフラワー?!綺麗ねー!有難う。部屋に飾らせて貰うね!」


オレンジのバラが黄色とグラデーションになって小さな籠に入れられたもので、オレンジのバラが好きだと真綾に教えた覚えは無かったが、せりかの一番好きな色の花だった。


「お嬢、俺からはこれ。うちで食べて」


「うわーこれってスイスの有名な所の生チョコじゃない?すごーい!保冷剤も入ってるのね」


「溶けるからね。うちの母が食べたいって言い出したから丁度いいかと思って二つ買って同じのにしちゃったんだ」



「「せりか~お誕生日おめでとう!」」


美久と弘美もやって来て、「はい」と小さな紙袋をくれた。同じお店の袋なので、一緒に買ったのだろう。


橘も玲人と来て、「おめでとう!」といって美久達と同じ袋を出したので、せりかの目が丸くなった。


「開けてみてよ!せりか」


「うん。あっ!このペンダントってラピスラズリの四つ葉のクローバーだぁ!可愛いし、良い事ありそうな感じするよね」


ミッドナイトブルーのクローバーは、せりかの趣味に合わせてか色は結構渋いのだが、デザインが凝っていて、とってもいいと思った。


弘美がくれたのは同じシリーズのブレスレットで、クローバーの部分にラピスラズリとターコイズが斜めに配置してあるもので、美久がくれたネックレスよりも明るくて、さわやかな感じだ。


最後に橘のくれた袋を開けてみると、美久のくれたネックレスのクローバーが小さくなったものに、水晶がアクセントで上に付いて、揺れるタイプのイヤリングだった。


「すごくびっくりしちゃう!可愛いねー♪橘君これって自分で買って来てくれたの?」


「うん。斎賀さんと森崎さんに聞いたら一緒に見に行こうって言ってくれて、これも二人が選んでくれたから、結構気に入って貰える自信はあったんだけど…」


「うん。すっごく私好みなデザインだし、ラピスラズリって癒しの効果があるっていうから、こんなに一杯あったら、癒されまくりだね。お揃いだから組み合わせても着けれそうだし、とっても素敵!みんな有難う!!」


「俺は重いから、うちで渡すから」


玲人がそう言った。なんだか色々貰ったのに、まだ楽しみが残っているのは嬉しい。


「私も玲人の用意してあるから、早いけど、早めの方が良いものだから今日渡しちゃうね!」


「玲人ももうすぐ誕生日か~!なんか用意するか~」


「橘くん、高坂君は他で沢山貰うんだから、良いよ!」


「美久、ひどいぞ!せりは、それでも毎年ちゃんとくれるのに!」


「それは、昔からだからでしょ!山の様に貰うんだから、私があげても、埋もれるだけだって!」


「まあ、無理には、いいよ」


「高坂って、誕生日、何時いつ?」本庄が聞くと玲人が答えた。


「三日後の五月三日」


「じゃあ、俺と真綾は何か、用意するよ。迷惑もかけたから、お詫びも兼ねて」


「いや、迷惑かけたのはこっちだから、止してくれ」


「じゃあ、普通に誕生日プレゼントにするよ。それなら受け取ってくれるだろう?椎名さんと一緒に食べられるお菓子にしておくから、今日のチョコレートも二人にって事にして貰って食べてよ」


「わかったわ!玲人、今日うちくるでしょ!生チョコ美味しいって評判のところのなんだよ。一緒にお茶でもしながら食べようよ」


「わかった。本庄、有難う。やっぱり、あまり知らない奴から貰うプレゼントより嬉しいよ」


「俺も、祝日だから、前の日の帰りに、何か好きな物奢るよ」と橘が言った。


「ホント?ラッキー♪何にしようかな~」


玲人も先に楽しみが出来て嬉しそうだった。




それにしても気が重いのは玲人の誕生日に執り行われる事が決まった、両家族の食事会だ。もう、このくらいの大きな子供の誕生日会はキツイ!って思っているのだが、両家の平和の為には仕方が無い。でも最近は、玲人の小母さんが『お嫁に来て』って、酔うとしつこいのが、辛いところだ。はっきりと断れないから、『また冗談ばっかり!』とかなんとか言ってけむに巻くのだが…。






沢山のプレゼントを抱えてうちへ帰ると、お母さんに「良かったわね~お母さんからのは要らないかしらね?」と言い出したので、強く、強く否定して置いた。




部活が終わった玲人が、プレゼントを持って部屋にやってきたので、冷蔵庫から生チョコを出して、紅茶を入れる。玲人へのプレゼントは、もうラッピングして机の上に用意していた。


ふたりでチョコレートを口にいれた。


「「うまーい!」」


とろけるチョコレートは溶けて無くなってしまうのが惜しい程、美味しかった。


「ほっぺた落ちるね。これは」


美味うまいなぁ!こんなに溶けるの早いのは初めて食べた!本庄ってすごいグルメなんだな」


「あっ、なんかねー、お母さんが食べたいって言ったから、ついでに同じ物にしてくれたらしいよ」


「そっかー!男のセレクトじゃないよな~。流石にこれは!」


紅茶を飲みながら、これ以上食べると食べ過ぎになる手前で、お母さん達にも残す事にした。手をウエットティッシュで拭いてから玲人にプレゼントを渡した。


「三日早いけどおめでとう!」


「せりも誕生日おめでとう!これ、前にせりが欲しいって言ってた奴だから」


「えー!なんだろう?………これって……」


二人で、一瞬無言になった。


玲人からのプレゼントの中身は、せりかが玲人にあげたものと全く一緒だった。


「せり、お前これ、自分も一緒に使えるからって選らんだだろう?!」


「玲人だってそうじゃないの?」


「俺は、せりが本屋で、この参考書、良いんだけど値段が張るから今月の本代じゃ買えないって言うから、誕生日も近かったし、プレゼントに丁度いいかと思ったんだよ」


「私だって勉強するのに、これ、解り易いから、いいなぁと思ったんだもん。玲人も勉強はかどるでしょう?部活も大変なんだからさっ」



とりあえず折角手に入れた参考書を片手に今日の復習をする事にした。


「せり、ここって如何してこういう答えになるのか理解出来ないんだけど…」


「ちょっと待ってね」


せりかは真新しい玲人に貰った方の参考書をぱらぱらと捲り、その解説箇所をみつけた。


「65ページ見てみてー」


玲人はせりかに貰った参考書を開くと、成程!と思う、詳しく解り易い解説だった。


「二冊あるとやっぱり便利よねー!」


御機嫌なせりかに対して、一冊だったら、身を寄せて近くで見れたのに!と思ってしまった玲人は、この恋の成就がだいぶ遠いのを感じて項垂れた。


後日行われた食事会では、両家の親が落ち着いた日本料理屋の個室の座敷で、かなり酔ってしまい、せりかの父が「こんなに立派になった玲人君にならせりかをやってもいい」と言い出し玲人の小母さんを大変喜ばせ、宴会は前祝いさながらの大騒ぎとなった。


母からは、せりかに二日後、欲しくても手がとても届かなかったアナスイの財布が贈られる事になった。

※ブリザーズドフラワーと本当は、いうらしいのですが、間違っていても日本では一般的に使われているブリザードフラワーを使いました。

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