第七話
今、斉賀眠太はひとり、暗い街中を歩いている。
三人は犯人の出現場所をある程度絞り込めたはいいものの、次の襲撃場所がどこになるのかまではわからなかったため、眠太と天(夢崎先輩は戦力にならないため除外)の二人別々で出現予測スポットに赴いているところである。
「なんか、どこも似たような景色だな」
予測したスポットに来てみると、公園の近くの道に出てくる。なぜ公園なのだろうか。犯人は公園に執着があるのか?またはそういった魔法なのか?様々なことを考えながらスマホで時間を見ていると
ザッ…ザッ…ザッ
「!?」
後ろで足音が聞こえてきた。
「まあ能力バレてるならくるよな」
少しため息混じりに独り言を呟きながら臨戦体制をとり、音のなる方をじっと見る。
暗闇の中から出てきたのはやはり前回と同じ黒いコートを羽織った犯人と思われる人物だった。
「さっさとそのフード取っ払って、顔面を拝ませてくれよ」
そう投げかけると、返ってきたのは切れ味が良さそうなナイフの刃だった。眠太はそれを左に避けることで回避する。
「今更そんなもん当たるか!」
そう言いながら犯人に向かって走り出すと、あちらもその気なようでナイフ片手に迎撃の体制をとる。
しかし、こちらが犯人との間合い3m以内に入ると犯人はもう片方の手を勢いよく引っ張った。
「ッ!?」
そこには糸のようなものが流れており、その糸の終着点は先ほど犯人が投げたナイフの刃に繋がっていた。
ザグッ!
「ぐっ…」
突然、右肩に激痛が走り、敵の目前で膝を付いてしまう。犯人はその隙を見逃さず、この前のお返しとばかりに眠太の右頬に大振りのパンチを入れる。
「ゔっ」
続けて大きくナイフを振りかざし、眠太の胸を貫こうとしたとき、一閃が走った。
!?
犯人は予想外の方向からナイフの刃を消し飛ばすほどの衝撃を受けたため、思わずその攻撃の発生先を見た。
「間に合ってよかったよ」
「…遅えよ」
一瞬、眠太への注意が逸れ、再び眠太のいる方向に向き直すと目の前には見たことのある"白い点"が広がっていた。
「おらっ!」
強烈なアッパーを犯人の顎にぶち込み、そのまま流れるようにもう一発を入れようとしたところで天が静止をかけた。
「もう気絶してるよ」
「………そーか」
肩の痛みに耐えながらなんとか言葉を搾り出し、この後のことを考える。
「…なあ俺ってもしかして最低?」
「見方によるけど、世間一般からすると…最低…かも…ね?」
「……だよな」
眠太の渾身のアッパーによって倒れた犯人、今までは暗闇によって隠れていた素顔が街灯の光によって照らされる。
「なんで…なんでこんな幼女が犯人やってんだーーーー!!!」
そこには可愛らしい見た目をした幼女?が泣きながら横たわっていた。




