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第四話

―『催眠術』

暗示によって被験者を特殊な意識状態(催眠状態)に誘導する心理的・生理的操作であり、もっといえばリラックスして注意が一点に集中した状態にする。これが斉賀眠太の魔法である。発動条件はスマホ画面にある"白い点"を見ること。ただし、他人に使う場合は効果は一瞬であり、使うたびにバッテリーが5%減る。


「この能力は不意打ち特化、対策されてしまったら意味がない。だから対策されてたとして少しでも抵抗できるように体を鍛えておこうって言ってたよね?」


「は、はひ!」


前日の不審者襲撃後、朝5時に玄関のチャイムによって起こされた眠太と天は近くの公園の周りをランニングしていた。


「あのっ!とてもっ!襲撃後に!する運動量!じゃないと思います!!」


「でも相手がいつ襲ってくるかわからないから、こうやって合間合間に体力を付けとかないとすぐにやられちゃうよ」


「疲れた時に!狙われることの方が!危ないと思います!」


「その時は僕が守るよ」


早朝、急遽行われたトレーニングは運動不足であった眠太の足を徐々に重くさせていった。


「はぁはぁ…うええ」


「今日は走りでいいかな…明日から体術も加えていくよ。」


「はぁ…のー…はぁ…」


「全く、前々からトレーニングは欠かさないでって言ってたのに」


「なんで、息切れ、してないんだ」


「走ってる量が違うからね」


「そーですかい…」


天のバカみたいな体力に圧倒され、自身の惨めさに少しだけ嫌悪感を抱く。


「…そういえば、不審者さんは僕と似たような魔法なんだっけ?」


「ああ、『ナイフを出す魔法』だと思う。で、もしかしたら天の親戚かなって思って連絡した。」


「ナイフか…親戚にいたかな…?」


「いたらほぼ確実にそいつが犯人なんだけどな」


「ウチの家系の誰かが犯罪者なんて嫌だよ。」


「それもそうか」


剣城天はかの有名な家系『剣城家』の息子である。そのためこの学園に入学する際は結構な話題となったのだが、5ヶ月が過ぎる頃には落ち着きを取り戻しつつあった。

剣城家の能力は『刃物を出す魔法』であり、スマホの画面から柄が飛び出し、それ引っ張ると刃が出てくる。しかし、その長さはスマホの残りバッテリー×1cmとなる(ただし取り出した時の長さは固定)


「柄の形が分かれば判別できるんだけどね」


「そうなの?」


「うん、やっぱり魔法にも個人差が生じるんだろうね。そういった細かなところは人によって異なるみたい。」


「なるほど」


「一応、犯人が投げてきたナイフの写真持ってるから共有しておくわ」


「ありがとう」


写真撮っててえらいぞ、自分


「とりあえずこの写真から家の人の柄を調べてまわるから、何かわかったら連絡するね」


「おけ、頑張れよ」


「お互いだよ、トレーニングサボらないでね?」


「はい」


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