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第十話

夕食を終え、天の家こと剣城家の屋敷にやって来た。ここの敷地は馬鹿にでかいため庭園はもちろんのこと道場やグランドなどが存在しており、子供の遊び場や訓練場としては最適なのである。


「最初見た時はすげえ興奮したのに…」


玄関の前で独り言を呟いていると背後からいつもの声が聞こえてきた。


「今は興奮しないのかい?」


「うお!?後ろに現れるな!」


ごめんごめんと笑いながら謝る天に少しため息を落としながらも最初に会った時の天と比べるとこの行為が微笑ましく思えてくる。


「さあ中に入って、早速訓練をしよう」


「おう」


そう言って中に入るともう一人の人物がお出迎えにきていた。


「いらっしゃい、斉賀君」


「美咲さん!お邪魔してます!」


玄関で待っていたのは剣城天の姉である剣城美咲であり、彼女は魔法学院シャルロッテの現生徒会メンバーである。彼女のもつ美貌と実力から時々『姫』とファンの間で呼ばれている。かくいう自身もそのファンの一人であり、この人に会うたびに天と友達でよかったと思っている。


「今日はどうしたの?もし遊びに来たならお茶でも出す?」


「いえ…お気持ちは大変嬉しいのですが、俺ら今から特訓をするところでして」


「あら?もしかして眠太君も決闘するの?」


「はい、2日後にあるのでそのために…眠太君"も"?」


「そう、私も決闘申し込まれちゃって…断ろうにも断れなくて」


「それはそれは」


「姉さん」


「あら、ごめんなさい。それじゃあ特訓頑張ってね。怪我には気をつけて!」


「はい!」


「ごめんね、姉さんが」


「いいって、久々にお姉さん見て元気出たわ」


「…はぁ」


「とりあえず、特訓しようぜ」


「そうだね」


――道場


「よし、じゃあやるか」


「何をするんだい?」


「実戦」


「?」


そう言って眠太は懐からスマホを取り出す。


「ああ、そういうことか」


天も戦闘準備のためスマホを取り出そうとするが


「ちょっと待て、天のやつは真剣が出て怖いから天だけ木刀でやってくんね?」


「はいはい」


各々戦闘準備ができ、お互いに向き合った。


「負けた方ジュースな」


「そう言って勝てたことあったっ…け!!」


天が言葉の最後を言い終わると同時に駆け出し眠太に向かって縦に大振りの一閃を放つ。


「ッ!」


眠太は体を右にずらすことで躱し、カウンターとして腹部に向かって拳を振るが天は振り下ろした木刀を上に切り上げることで拳を弾き返し、眠太から距離をとった。


「よく避けれたね」


「そりゃそんな初見殺しの技何回も喰らってりゃ嫌でも身につくわ」チラ


「最初受けた時半泣きになってたもんね」


「いつの話だよ。…今度はそのイケメン面を泣かせてやる」


「来なよ」


天に挑発され、少し苛立ちながら駆け出す。この会話の間にこちらの準備も整った。


「おらっ!」


こちらが殴る動きを取るとこちらの攻撃が当たらない絶妙な間合いで木刀を横に振る。


(こいつ振り早すぎっ!)


振られた木刀をスライディングすることで回避するが、天はそれを予測していたかのように回転し、自身の背後まで振り切る。


しかし切ったのは何もない虚空であった。


「ッ!?」


天は自身の顎下から迫る拳に気付き、驚愕しながらも半歩後ろに下がることで間一髪避けることができた。


「…どうやって避けたの?」


「さあ?」


「いいね、燃えてきた」


そう口にすると天の姿が一瞬にして消えた。


「はあ!?」


ビシッ!!


勘で後ろに下がると自身が元いた位置に木刀が突き刺さっており、動いてなかったら多分めちゃくちゃ痛いやつが当たっていた。


「おい!殺す気か!?」


「じゃないと特訓にならないよ」


続け様に天は眠太と距離を詰め、隙のない完璧な動きでこちらを追い詰めてくる。


(やばい)


頬に冷や汗が垂れているのが分かる。攻撃しようにも攻撃のチャンスすら掴めず、いつ木刀が当たるか分からない恐怖と避け続けているだけの時間に少しずつ焦りが現れる。


(こうなったら)


眠太は天の下段切り上げを行う動作に合わせてスマホを起動させ、右手でスマホをかざす様なそぶりを見せた


「!」


それに気づいた天は木刀でスマホを切り上げ、魔法の使用を阻止した。


「ふっ!!」


切り上げた直後に眠太は空いた左手で天の襟を掴もうとするも、木刀で弾かれる。その隙を狙った天は眠太のガラ空きの胴に一閃を入れようとすると


「!?」


眼前に切り上げたはずの"眠太のスマホ"が現れ、不覚にもそれを凝視してしまった。


「きたぁぁ!!!」


チャンス。顔面ガラ空き。あの天才から生まれた大きな隙。

眠太は渾身のパンチをそのむかつくイケメン面に叩き込もうとした瞬間


「うえっ!?」


突然体の力が抜け、立つことが不可能になった。眠太の準備した希望の一撃も天に届くこともなく、そのまま目の前で転ける様な形で終わった。


「……てい」


「あいたっ!」


「今回も僕の勝ちだね」


「くそっくそぉなんでこんな大事な場面で」


眠太、男泣き


「にしてもすごいじゃないか、どうやったんだい?」


「…自分に催眠かけた。他人に使う時は一瞬だけど、自分に使う時は永続的に使えるらしい。だから自分の集中力を極限まで高めることで動体視力を高めてた」


「なるほど……いつまで寝てるんだい?」


「これ使うとしばらく動けなくなるの、起こして」


「はいはい」


剣城天

戦績 476戦 475勝 1敗


斉賀眠太

戦績 476戦 1勝 475敗


「あっジュース奢ってね」


「チッ」


戦闘描写むずすぎる

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