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1話/行く

 12月、北海道。連日の雪の中、今日は快晴だ。目が反射光で痛む。一緒に下校する友達も特にいない僕は恥ずかしげもなく目をほぼ瞑る。

 しばらく歩くと家に着く。意識するより先に手は鍵を開け、体を中に入れる。


 「…しいたけ風味の絆創膏。」

 「どういうこと?」「…何言ってるの?」と母と弟からツッコミをくらう。なんとなく「ただいま」とは言えずにこんなことを言っているが、前に出した「はまぐりみたいな洗濯機」は相当傑作だと思う。


 自分で言ったものをさぁ?なんだろうね、と軽くあしらいながらリュックサックを下ろし、手を洗ってスマホを見る。5件の通知。

 小学校来の絵描き友達の玻那から3件。

 僕達の共通の疾患のことがきっかけで双方の親が仲が良く、その関係でRHYMEを繋いでいる秋樹から2件。

 (なんでまた唐突に…?)

 普段連絡を取るわけでもないので内心戸惑う。プレビューには怪しげな短縮リンク。


────────────────────────────────────────────────

☠︎︎『俺の友達のコミュが突然人数減って困ってる。入れ』

 『https://z.bg/f1iNg』

            『よくわからんけど入ればいいの?』໒꒱

────────────────────────────────────────────────


 いや、わざわざ短縮する意味…しかも唐突に送ったRHYMEそれかよ…と思いつつも、コミュニティチャットには入る。ちょうど最近暇してたし。


 短縮リンクを開くと、学生限定の雑談コミュだった。秋樹自身アイコンを髑髏にして自分のことを魔王だと言い張るような結構イタめの厨二病だからコミュ自体も不安だったが、説明欄やトップ画を見る感じ普通そうで安心する。

本名の桜谷を適当にいじった名前に適当なアイコンをつけて申請を送る…と、即座に承認される。


 本当に即座だったため、よほど暇なのか…?それとも待たれてた…?と逆に怖さを覚えつつ好きな音楽ユニットのよろしくスタンプを送り、周囲からの挨拶をざっくり受け流しつつ自己紹介をノートに書く。


────────────────────────────────────────────────

  名前→まくらもち

  性別→♂

  年齢→中1

  推し→カミソリライアーのかみしも

  よろしくお願いします!

────────────────────────────────────────────────


 こんな感じでいいか…。と書き終えたところで、玻那への返信を忘れていたことに気づくのだった。

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