「死闘」
────僕の心には、消して自分では引き抜けないナイフが突き刺さっていた。いや、それは決して精神的ダメージだとか、そんな意図では無く、文字通り、心臓に刃物が突き刺さっていた。と言うだけだった。
少し目を下に下ろしたら、すぐ側に光沢を発する金属が見える。
そうして、少しの動揺と困惑に襲われていると、吐き気が込み上げてきた。
咳をし過ぎて胃液が飛び出して来る時の様な嫌悪感が喉を通って、そして遂に我慢出来なくなってそれらを吐き出す。
だが喉元を通ってきたのはどうやら胃液でもなんでも無く、血液だった。
あぁ、そう。僕は死ぬんだね。
僕の躯体が発する僕に対する余命宣告は1分を切っていた。
「クソが、クソ、殺す。テメェブチ殺す。」
僕は振り向いて、背後に居るナイフを刺した男へとそう口走るのだが、でも言葉を発する度に血液が痰の様にでてきた。
僕は最後の力を振り絞る。
「" 虚構摂理 " 発────」
あぁ、駄目だ。
僕はその「能力」すら発動する事が叶わず地面へと斃れる。
地面に水がたまっていた。いや、これは僕の血液か。
案外、死ぬ時って痛みとか感じないんだな。
僕はそう思いながら命を落とした。
「──────動。」
ちゃんとした小説はこれが初めてかもしれません…!不定期すぎる投稿頻度で活動していきますのでよろしくお願いします!是非ともコメントお待ちしています!