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023

ここ1週間仕事のなかった優は康平と顔を合わせて

いない。事務所に来るようにと社長から呼び出された

ため優は今電車で向かっている最中なのだが、、


吊り革を持ちながら鞄から携帯を取り出し

連絡先画面を開いている彼女。

電話しても出ない、メールしても返信がない康平に

もしかして事故にでもあったんじゃ…と

不安が止まらない。


いつもならマネージャーである康平が車で

送り迎えしてくれるのだが、今日は体調不良で

彼は休みだ、社長は電話越しにそう言っていた。


体調不良だとしても連絡くらい返してくれても

いいのに…

本当は体調不良なんかじゃなくて、連絡返せない

状況なのかも…

そうだとしたら…事故…考えれば考えるほど

心臓のどきどきが収まらない。

この不安をどうにか落ち着かせようと

水を飲んだり、鞄に入っていたグミを口に入れたが

一向に収まる気配はなかった。


・・・・・

コンコンッ…不安を抱えたまま扉をノックすると

「入りなさい」社長の声が聞こえ、あたしは扉を

開け部屋へと足を踏み入れた。

社長とは別の男性がソファに座っているのが

目に入る。しかし、それはいつも見慣れている

康平ではない。

20代前半くらいだろうか…その男性はこちらを見ると

にこっと笑顔を返し、手元にあるメモ帳にまた

視線を移した。


「急に呼び出してすまないね」


優「いえ。あの…仕事の話でしょうか」


「まぁ…そうだな」

目の前にいる社長は深呼吸すると、

「今日から彼が君のマネージャーだ」とそう言った。


え…?どういうこと…


優「どういうことですか?」


「彼には別の仕事を任せることに

 したんだ。マネージャーの仕事と両立させても

 良かったんだが…仕事量が多すぎるかなと

 思ってね。他の仕事に集中してもらうことにした」


優「そんな…いきなり言われても」


「そうだよな。本当にすまない。

 彼は新人だが経験を積ませるためにも

 君についてもらおうと思ってね。

 急で申し訳ないんだが…」

社長は本当に申し訳なさそうな顔をしていた。


「井上です!宜しくお願いします!」

先程と同じような笑顔で元気よく挨拶してくれた

この男性に「よ…よろしく…お願いします…」

戸惑いながらも優は返した。


・・・・・

今の時刻は夜10時…

社長からいきなり言われたことに彼女の頭の中は

いまだパニック状態でご飯も食べず

帰ってからずっとベッドに突っ伏した状態だ。


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