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013

康平「仕事楽しい?歌うの楽しい?」


今は学校の話をしているのになぜそんなことを

聞かれるのか分からなかった優はまたもや「え?」と

聞き返す。


「学校の勉強だけが理由じゃないでしょ?」と康平は

真剣な瞳で彼女の目を真っ直ぐ見つめる。

その射抜くような瞳に耐え切れず逸らすことしか

できない。


「話してほしい」と再度言う康平。

彼女は自分でちゃんと分かっている。

昨日分析したならイライラした理由が

今自分の顔が暗いわけが

1つの理由だけが原因じゃないってことを。

だから自分から話を切り出すんじゃなく

彼女自身から話してほしかったのだ。


彼はマネージャーとしてずっと近くにいるため

彼女が歌の評価を細かくチェックしていることにも

もちろん気付いていた。



目を逸らしたまま優は口を開く。

優「仕事は新鮮です…でも楽しいかって

  聞かれるとよく分からなくて…

  ドラマの主題歌歌えるってなって

  すごい嬉しくてわくわくして…

  でも今はその気持ちはないってゆうか…」


康平「どうしてないの?」


優「色んな評価をもらって…

  どうしてもマイナスな評価ばかり

  目に入って…」


康平「色んな人がいるからね!

   君の歌良いって言ってくれる人

   いっぱいいるんだよ?」


「分かってます!分かってるんですけど…」と彼女の

顔は増々暗くなってしまう。


「マイナスなコメントもらうのがつらい?」康平の

言葉に彼女は黙って頷く。


康平「だけど、来るコメント全部が良いコメント

   だなんて中々難しいことだよ?

   さっきも言ったけど、色んな人が

   いるからね!厳しい言い方になるかも

   しれないけど君の歌が好きな人も

   嫌いな人だっているんだ。

   君が歌う歌が好きな人は確実にいる!

   それも確かだ!僕もその一人だからね!」


「え?」と俯いていた彼女が顔を上げ

彼の目を見る。


康平「だって僕はたまたま入ったカフェで

   君の歌に魅力されて事務所に

   スカウトしたんだから」


優「あぁ…」


康平「君の歌が好きな人達のことを想って

   歌うのはどうかな?

   だって歌うこと自体は好きなんだよね?

   楽しむことが1番だよ!

   君のファンはいっぱいいる!」

  



事務所前、「ありがとうございました!」と

言って康平と別れた優は電車に揺られながら

話してよかったとそう思った。

事務所に行く前より心が軽くなっていた。

やっぱり人に話すのって大事だったりする。

話すことによって気持ちが楽になるか

または変わらないか、余計落ち込むかそれは話してみないと分からないなぁ…とそう思った。



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