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第69話 サンバ!サンバ!サンバ?

第69話 サンバ!サンバ!サンバ?


12月に近づき、そろそろ11月も終わろうという頃、音楽室の机の上だけが何故だか夏模様であった。


「しかし、思ったよりようけ集まったな~」

河合が机にある譜面を見て言った。今日は平日なのであるがさすが大学生。暇なのであろう。

「暇ちゃうわい!時間作って譜面見にきたんや!」

「か、河合さん?誰に言っているんです?」

三浦は河合の突然の言動に不思議そうに言う。

「いや・・・なんか失礼なこと言われたような気がしてな・・・気のせいやろ。」

河合はばつが悪そうな顔をしながらそう言った。


さて、では一体どんな曲が集まったのであろうか。ここでその曲を披露しよう。いつもの様に寸評付きで解説する。今回のコメンテイターは企画係の面々である。


・コパカバーナ

1978年に「バリー・マニロウ」が発表した曲。

柏原「この曲はトロンボーンソロがあるな。でも、冒頭のピッコロ・フルートのコンビもなかなかええで。」

三浦「こういう曲ってホルンは暇なんですよね?」

島岡「ところがどっこい、咆える系の譜面のオンパレードやで。旋律の後のグリッサンドや次々音が上がるとこなんて結構迫力もんや。」

三浦「へ~マーチとかジャズとかと違うんですね。」

河合「ちなみにな、歌詞はブラジルのコパカバーナ海岸についてじゃなく、アメリカのナイトクラブ『コパカバーナ』での出来事が歌われているらしいで・・・」

一同「「なんやそれ」」


・宝島

原曲は「T-SQUARE」が1986年にリリースしたアルバムの中にある曲目。

山郷「原曲はサンバと関係ないんだけどねぇ~でも、吹奏楽版はサンバ調なので私が入れたんよ。」

近藤「この曲、サックスソロありますからね・・・それもかなり目立つ・・・」

島岡「そしてホルンも相変わわらず咆える。」

三浦「ま、またですか・・・」


・恋のカーニバル

ニュー・サウンズ・イン・ブラス'84に入っている曲。

山郷「『ザ・ピーナッツ』?」

島岡「モスラ?モスラなのか?」

近藤「それ、明らかに違います・・・確かに同じ曲名ありますが・・・」

柏原「しかしこれ、チューバソロめちゃくちゃあるやん。」

河合「珍しいけどな。」


・Don't say that again

原曲はシャカタク(Shakatak)というイギリスのフュージョンバンド。

河合「なんや、この辺から怪しくなってきたな。」

島岡「まぁ、サンバ調やしええんとちゃいますか?」

柏原「しかし、この辺りの曲は『ニューサウンズインブラス』が強いな。一杯あるやん。」

三浦「ですよね・・・」


・ブラジル

ブラジルの作曲家「アリ・バホーゾ」作曲。原題は「ブラジルの水彩画」と言う。

近藤「これって・・・本当に叫ぶんですか・・・」

山郷「『豚汁』でも『味噌汁』でもええよ~ちゃんちゃんちゃん♪ちゃちゃんちゃん♪ちゃんちゃんちゃん♪ぶたじ~る♪って」

柏原「うわ~なんか恥ずい。」

河合「これってな・・・一応『ディズニー』の曲でもあるらしいで・・・」

一同「「ええ!!マジで!!」」


・Feel So Good

原曲は「チャック・マンジョーネ」が演奏。

三浦「これ・・・明らかにサンバから外れていると思うんですが・・・」

柏原「ええやん。これしよこれ。」

河合「お前か、これ入れたんはお前か!」

柏原「イエチガイマスヨ?ナニヲイッテイルンデスカ?」

近藤「何故片言・・・」

河合「そんなにフリューゲルホルン吹きたいんか・・・」

山郷「(実はうちやったりするねんな~)」

島岡「そしてこれも『ニューサウンズインブラス』。」

三浦「す、すごですねぇ・・・」


とまぁ、一部サンバからかなり外れた曲もあったが、2部はこの6曲で行う。

「そういえば、2部の指揮って誰がするんですか?」

三浦はふと不思議になって聞いてみた。

それに対して柏原が答える。

「ん、2部は現役主体やから俺やろ?そう聞いてたが?」

それを聞いた近藤が、指揮者争奪戦に参戦する。

「じゃぁ、別に私がしてもいいんじゃないですか?なんか面白そう。」

さらに島岡が乱入する。

「んなの、別に俺がやってもかまへんやん。指揮者『島岡』の誕生や。」

そして河合が言った。

「あのな~俺がおるの忘れてへんか?まぁ、俺に任せとけ。」

「「「どうぞどうぞ」」」

柏原・近藤・島岡は同時にそう言った・・・

「そ、そういう展開なんですか?」

三浦はその光景を見て唖然として言う。山郷はお腹を抱えて笑っているが・・・


そんな感じで、いい具合に話が進んでいったが、問題があった。

「なぁ、これ。明らかに演奏時間オーバーせえへんか?」

島岡が久しぶりにまともな意見を言う。

「まぁ、そこはな、メドレーにして一部カットしようかと思ってるんや。」

河合はさらっと言う。

「え?もしかして、最初から最後まで吹きっぱなし?」

三浦は河合の言葉に驚く。1部はエルカミをして3部は展覧会、楽の出来そうな2部は20分以上吹き続けるというハードな展開となる。

しかし、ここに居るのは海千山千の人々。まったく意に介していない。

「俺は、フリューゲル吹けたら何でもするわ~」と柏原。

「サックスソロ楽しそ~」と山郷。

「まぁ、どうせ咆えるだけやしな・・・」と島岡。

「2部だけチューバしようかしら。」と近藤。

「まぁ、俺は指揮振ってるだけやしな。編曲さえ上手いこといったらええやろ。」と河合。

三浦は果てしなく不吉な予感を覚えたのであった。


2部の曲も決まり、編曲も暇のある・・・もとい、芸大生の河合が引き受け準備完了(?)です。さてはてどういうことになるのやら。

ちなみに、全曲ニコニコ動画等にアップされているみたいです。興味のある方は是非聞いてみてください。

PS.『宝島』に関してはAsker先生の『SAKURA WINDS』にも書かれています。こちらも是非。

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