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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・三章 幻獣保護区でのひと騒動

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待機期間に突入

 翌日より、幻獣保護区の職員と先生達で区画内の安全確認が始まった。

 私達生徒は宿泊施設での待機を命じられる。

 ただだらだらするのはもったいないので、自由に使っていいラウンジで勉強をすることにした。

 広々としたテーブルに幻獣保護区が一望できる大きな窓という、勉強するのに適した環境なのだ。

 さらに、カフェメニューが頼めるのもいい。

 通常であれば有料なのだが、事件のことがあったからと全メニューが無料で提供されるのだ。

 席はあるか心配しつつもわくわくでやってきたのだが、ほとんど生徒はいなかった。

 ルームサービスでも頼めるので、各々の部屋で楽しんでいるのだろう。

 あとからアリーセやノア、エルノフィーレ殿下もやってきて、一緒に勉強した。


「学期末試験があるから、気が抜けないのよね」

「本当に、ですわ」

「成績次第では、二学年で余所のクラスに回されるかもしれないんでしょう?」

「そうみたい」 


 基本的にクラス変えはない。

 けれどもクラスメイトのバランスを考え、成績不良や生活態度が悪い者は違うクラスに回される可能性があるのだ。


「みんなと違うクラスだなんて嫌ですわ!」

「アリーセは大丈夫よ」


 レナ殿下に続き、クラス内で二位の成績をキープしているのだ。

 危ないのは私やエアである。いつもギリギリのラインを二人で走っているのだ。

 隣に座るノアも、ぼそりと呟くように言った。


「僕も、みんなと一緒がいいな」


 なんてかわいいことを言うのか。ノアをぎゅーっと抱きしめたくなった。

 エルノフィーレ殿下は遠い目をしながらぽつりと零す。


「私は……もしかしたら留学期間が短くなるかもしれません」


 ジルヴィードの件が原因で、エルノフィーレ殿下の留学期間にまで悪影響を及ぼそうとしているようだ。


「ルームーン国に帰っても、お友達でいてくれますか?」

「もちろん!!」


 みんなでエルノフィーレ殿下の手を握り、友情は永遠だと言い合った。

 少しだけしんみりしてしまったのは内緒だ。


 エアやレナ殿下と会えるのは、食事の時間だけである。

 皆で集まって、何をやったかわいわい話した。


「俺達は魔物カードで遊んだんだ」


 それを聞いて、ノアが「いいな」と羨ましがる。


「ノアも一緒に――って無理か」

「まあ、ね」


 レナ殿下にはこっそり、困っていることはないか聞いてみる。


「一人部屋だし、今のところは問題ないから安心してほしい」

「そう、よかったわ」


 何かあったら私の部屋へやってくるといい、と伝えておく。


「明日は何をして遊ぶかなー!」

「エア、学期末試験に向けて勉強もしないと」

「えー、学期末試験なんて三ヶ月も先じゃんか!」


 その言葉に、アリーセが反応する。


「三ヶ月も先ではありませんわ! もうすぐなんです!」


 大きな試験は学年で二度しかないため、とても重要であるとアリーセはエアに訴える。


「わたくしと別のクラスになってもいいのですか?」

「それは嫌かも」

「でしょう?」


 二人のやりとりを、ほのぼのした気持ちで見守ってしまう。

 なんて思っていたら、アリーセから激励をいただく。


「ミシャも、しっかり頑張りましょうね!」

「え、ええ……!」


 来年も一緒のクラスに――そんな願いのもと、試験勉強を頑張ろうと誓い合ったのだった。

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