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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・三章 幻獣保護区でのひと騒動

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危機

 地面がぐらっと揺れ、その場に立っていられなくなる。

 倒れそうになった瞬間、ジェムが触手を伸ばし、私の腰に巻き付いて助けてくれた。

 揺れが収まると、地面に浮かんだ禍々しい魔法陣からいばらのようなものが突きでてくる。

 そのまま巻き付くように緑竜の体めがけて伸び、体を拘束しようとした。

 捕獲系の魔法なのだろう。


「ジェム、あの緑竜を助けて!!」


 ダメ元でお願いしてみたら、ジェムはすぐさま行動にでる。

 ナイフのような形状に変化すると、そのまま跳んでいって棘を切り刻んだ。

 変化の術を解き、球状に戻ったジェムはえっへん! と言わんばかりに得意げな様子でいた。


「ジェム、偉いわ! 助けてくれてありがとう」


 いいこ、いいこと撫でながら褒める。

 レナ殿下は顔色を悪くさせるエルノフィーレ殿下を支えながら、戸惑う様子を見せていた。


「これはいったいなんなのだ?」


 レナ殿下の呟きを耳にしたアリーセはしゃがみ込み、地面に刻まれた呪文を見つめている。

 何か気付いたのか、ハッと肩を震わせた。


「これはおそらく、結界のようなものですわ」

「結界?」


 誰かが結界を展開させ、エリア内にいる生きとし生けるものを閉じ込めた状態にあるらしい。


「まさか、この緑竜を捕らえるために、結界を使ったのか!?」

「わたくしもそのように考えていたところです」


 おそらく緑竜は私達に、危険が迫っているから逃げるように訴えていたのかもしれない。


「逃げないと!」


 しかし、術者はどこにいるかわからない。

 逃げた先で術者と出会ってしまう、なんてこともある可能性がある。

 どうしたものか、と考えていたら、エルノフィーレ殿下が提案した。


「レナハルト殿下が所持されていた、気配や姿を遮断する魔法布に隠れるのはいかがでしょう?」


 術者はおそらく、どこからか緑竜の様子を窺いながら拘束魔法を発動しているはず。アリーセもそのはずだ、と言っていた。

 ならば、レナ殿下が所持していた魔法布を使うことは有効だろう。

 すぐさまそれだ!! とエルノフィーレ殿下のアイデアが採用された。

 急いで広げてみるも、どう見ても緑竜が乗ったら定員オーバーである。


「みんなで隠れるのは無理そうだな」

「緑竜を守ることが先決だろう」


 私達はきっと、緑竜の傍にいたから結界内に取り込まれてしまったのだ。

 緑竜の保護が最優先である。

 私達が大慌てで魔法布を用意する様子を、緑竜はのほほんと見ていた。

 そんな緑竜に、レナ殿下は話しかける。


「緑竜、ここに気配や姿を消す魔法布があるんだ。どうやらこの辺りに密猟者がいるようだから、隠れていてくれないか?」


 幻獣は人語を理解するほど賢い。レナ殿下が言っていることもわかるはず。

 けれども緑竜はぼんやりしていて、動く気配がない。

 そんな様子を見かねてか、リザードが再度話しかける。


『ぎゃ、ぎゃう、ぎゃーう!』

『グオオ……』


 リザードは即座にエアを振り返り、何か報告するように『ぎゃあ、ぎゃあ』と鳴いた。


「いや、ごめん。まったくわかんない」


 焦ったような様子を見せるリザードは、次なる行動に出た。

 緑竜の体を額で押し、移動を促し始めたのである。

 そこまでしたら、緑竜は動き始めたのだが。

 のそ、のそ、のそ……とゆっくりゆっくり歩く。リザードがぐいぐい押しても変わらない。

 途中でエアも加勢し始める。

 それを見て、ノアやレナ殿下も加わった。

 リザードと三人の力が加わっても、緑竜の歩く速度は変わらず。

 そんなやりことをしていたら、アリーセが叫ぶ。


「また、拘束魔法が発動されそうです!!」


 緑竜の足下に禍々しい魔法陣が浮かび上がり、棘が飛びだしてきた。

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