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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・二章 ついに始まる新学期!

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模擬戦を終え

 傍で見守ってくれていたレナ殿下が「素晴らしい戦いだった」と絶賛してくれる。


「とても勇敢だった」

「そう? 単に無我夢中だったの」


 以前も、ノアと共に雪山でスノー・ディアに対峙したときがあった。

 けれどもあのときはヴィルに助けてもらったのだ。

 改めて、魔物は恐ろしいと思ってしまった。


「先ほどリチュオルがしたように、いずれは攻撃魔法に属性を付与させる授業も行う。魔法式など、各自で考えておくように」


 リオール先生の話を他人ごとのように聞きながら、元の位置へ戻った。

 そんな私をエアとアリーセが迎えてくれる。


「ミシャ、すごかったじゃん!」

「とても立派でした」

「ありがとう」


 まだ胸がばくばく鳴っていた。

 心臓に悪い授業だと思ってしまう。


「次、アリーセ・フォン・キルステン。それからノア・フォン・リンデンブルク、双方前に出るように」


 アリーセとノアも攻撃魔法の成績優秀者のようだ。

 二人は何やらボソボソと内緒話をしていた。

 きっと私やレナ殿下の戦いを見て、作戦を立てているのだろう。


「杖を構えるように――始め!!」


 もはやお馴染みとなったジャッカロープが登場する。

 私のときみたいに大きな個体が出てきたらどうしよう、なんて思ったが杞憂だった。

 レナ殿下が戦ったのよりやや小ぶりのジャッカロープである。


 まずはノアが先手を打った。


「衝撃よ走れ、エナジー・アロー!!」


 すばやい矢はジャッカロープめがけて飛んでいったものの、ひらりと回避されてしまった。

 ただそれは想定内だったようだ。

 回避のさいにできた隙を、アリーセは見逃さなかった。

 すかさず攻撃魔法を放つ。


「衝撃よ走れ、エナジー・アロー」


 アリーセが撃った矢は見事ジャッカロープの脳天を貫通。

 無事、仕留めることができたようだ。


「コンビネーションが見事だった。いい戦いを見せてもらった」


 アリーセとノアが戦う前に話していたのは、これだったのだろう。

 二人で戦うときはむやみに攻撃するのではなく、戦略も必要なのだ。

 学びのある模擬戦だった。

 それから次々とクラスメイト達が模擬戦に挑む。

 中には倒せずに、降参するコンビもいた。

 エアは果敢に攻撃魔法を展開させ、二撃目で仕留めていた。エルノフィーレ殿下は華麗に一撃で仕留める。皆、私よりはスマートにジャッカロープを倒していた。

 そんなこんなで授業が終わる。

 教室の外に出ると、どこからともなくジェムが登場し、怒っている様子だった。


「あら、ジェム、あなたどこにいたのよ」


 それはこっちの台詞だ! とばかりに憤っているように見えた。


「え、何? どうしたの?」

「ここの教室は使い魔の侵入を禁じていた」


 私の疑問に答えてくれたのは、リオール先生だった。


「使い魔が傍にいたら、主人を守ろうと行動する。そうなれば授業にならないからな」

「ああ、そういう目論みがあったのですね」


 無理矢理出入り禁止扱いされたので、ジェムは怒っていたのだろう。


「まあ、主人を守ろうと出しゃばる、我が強い使い魔はごく稀だがな」

「そうだったのですね」


 たしかに、周囲のクラスメイトを見てみても、ジェムのように怒っている使い魔はいない。

 私と二度と離れまい、と思っているのか、腕にしがみついてきた。

 ジェムは我が強い、という言葉がぴったりだなと思ってしまった。


 授業が終わっても皆、高揚しているようで、休み時間も興奮した様子で授業について話していた。


「いやー、やっぱミシャの巨大ジャッカロープとの戦いが一番熱かったな」

「私は二度とあのサイズの魔物と戦うのはごめんだわ」


 どうして私だけあんなに大きな魔物と戦うはめになったのか。

 運が悪いとしか言いようがない。

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