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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・二章 ついに始まる新学期!

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攻撃魔法の授業

 攻撃魔法の授業四回目。

 これまではひたすら攻撃魔法をターゲットに命中させていた。

 五回目の授業となる今日は初めて立ち寄る教室に移動するような指示があったので、これまでとは違う授業を行うのだろう。

 そこはドーム型の教室で、とにかく広い。

 特殊な授業を行うさいに使われるようだが、いったい何をするというのか。


「ねえ、エア。今日はここで何をすると思う?」

「うーーん、持久走?」

「攻撃魔法の授業よ」


 私はエアの発言に呆れていたのだが、アリーセは面白かったようでくすくす笑っていた。

 エアはアリーセが笑ってくれたので、さらに調子に乗った発言をする。


「泳ぐとか!」

「水もないのに、どうやって泳ぐのよ」


 またしてもアリーセは笑ってくれた。

 もしかしたら私のツッコミありきで面白いのかもしれない。

 私もエア同様、調子に乗りそうになった。

 と、しょーもない会話をしているうちに、リオール先生がやってくる。


「皆、揃っているようだな。始めよう」


 リオール先生が足先でとんとんと床を叩くと、魔法陣が浮かんできた。


「これは――?」


 リオール先生が教えるよりも先に、アリーセが答えた。


「幻術ですわ」

「いったい何をするつもりなの?」

「まったくわからないな」


 さすがに授業中だからか、エアはふざけた予想は控えているようだ。


「今日は攻撃魔法で魔物を倒す模擬戦を行う」


 それを聞いた男子生徒と一部の女子生徒は嬉しそうな表情を浮かべ、女子生徒と一部の男子生徒は恐ろしいという表情を浮かべている。

 エアは嬉しそうにし、アリーセは少し不安げな顔でいた。


「始まる前に、全員この腕輪を装着するように」


 リオール先生が配って回ったのは、赤い宝石が填め込まれた銅の腕輪だった。


「これは放った攻撃魔法を、幻術に変換する魔技巧品だ」


 これを付けることによって、人に攻撃魔法が飛んで行っても無傷でいられるというわけだという。

 夢中になっているうちに周囲が見えなくなる生徒がいるので、このような対策を採るようだ。


「まずは、手本を見せよう」


 どうやらリオール先生が幻術の魔物と戦うところを見せてくれるようだ。

 リオール先生が足先でこんこんと床を叩くと、一頭の魔物が登場する。立派な二本の角が生えた兎系魔物、ジャッカロープが出てきた。

 幻術だというが、本物にしか見えない。

 ジャッカロープは『キイイッ!!』と威嚇するような鳴き声を上げると、リオール先生に角を向け突進してきた。


「あ、危ない!!」


 誰かがそう叫んだのと同時に、リオール先生は魔法を放った。


「――衝撃よ走れ、エナジー・アロー!!」


 目にも止まらぬ速さでエナジー・アローが飛んでいき、ジャッカロープの頭部を貫通していった。

 ジャッカロープはその場で倒れ、同時に幻術が解けたのか消えてなくなる。


「おおおおおお!!」


 拍手喝采、大盛り上がりとなる。

 すごい、すごいともてはやされたリオール先生は、悪い気はしないようで片手を挙げて声援に応えていた。

 しかしながら次の瞬間にはゴホン! と咳払いし、いつものクールなリオール先生に戻る。


「と、このような感じで、幻術で作り出された魔物を倒していくのだ」


 これまでは静止しているターゲットに攻撃魔法を当てる授業を行っていた。

 今回は動くターゲットに当てなければならないのだ。

 しかも動くだけでなく、ターゲットは攻撃を仕掛けてくる。

 上手くできる気がしない。


「全員で行うとぶつかってケガをする可能性があるゆえ、最初は少人数で、さらにペアを組んで行うとしよう」


 最初の二組の名が読み上げられる。


「レナ・フォン・ヴィーゲルト、それからミシャ・フォン・リチュオル」

「!?」


 こんなに早く呼ばれるとは思わなかった。

 慌てて立ち上がる。 

 

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