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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・二章 ついに始まる新学期!

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ヴィルとランチ

 ひと品目は春野菜をふんだんに使った料理。

 採れたて新鮮なアスパラガスにタマネギ、ジャガイモ、ソラマメをバターで炒め、溶き卵と牛乳を混ぜたものに塩コショウで味付けする。

 それらを混ぜ、砕いたクラッカーに溶かしバターを加えて作ったタルト台に流し込み、窯で焼いたら、春野菜のキッシュの完成だ。

 二品目はスープ。

 水煮にしていたヒヨコ豆とジャガイモ、トマト、タマネギ、月桂樹、タイム、水を鍋に入れてしばし煮込む。

 具材に火が通ってきたら、めん棒でぐいぐいと押しつぶしておく。

 ボウルに牛乳、パン粉、おろしニンニク、アーモンドパウダー、塩コショウを入れて、捏ねるようによーく混ぜる。

 それを鍋に入れ、クミン、パプリカパウダーで味付けをする。

 塩コショウで味を調えたら、ヒヨコ豆のスープができあがった。

 メインは魚。

 今が旬、新鮮なニシンを使う。

 一口大にカットしたニシンは酒で臭みを消しておく。

 小麦粉に刻んだ乾燥薬草を入れ、炭酸水を加えて揚げ物に使うバッター液を作る。

 炭酸水を使うと、カリッと仕上がるのだ。

 バッター液にニシンを潜らせ、油で揚げる。

 ニシンのフリットの完成だ。 

 ベーグルは蜂蜜とサワークリームの甘い系に、ニンジンラペとハムを挟んだしょっぱい系の二種類を作ってみた。


 除草作業をしていたヴィルに声をかける。


「食事ができましたよ」


 ヴィルは立ち上がり、わかったとばかりに手を振る。

 モモンガ達に借りたのか、エプロンをかけた姿だった。

 手を洗って戻ってきたヴィルは、作った料理を見ておいしそうだと言ってくれた。


「いただきましょう」

「そうだな」


 食前の祈りを捧げ、いただく。

 まずはベーグルから。蜂蜜とサワークリームのサンドを頬張った。

 ベーグルの生地はもちもち。甘い蜂蜜とほんのり酸味のあるサワークリームの相性は抜群である。

 口の中が甘くなったあとは、しょっぱいスープを飲むのが大正義だ。

 パン粉を入れてもったり仕上がったヒヨコ豆のスープは、食べ応えがある。

 ヴィルも気に入ってくれたようだ。


「久しぶりにこうしてゆっくりミシャの食事を取ることができた」

「言われてみればそうですね」


 事件に追われ、ゆっくり料理を作る暇もなければ、こうしてヴィルと一緒に食卓を囲む時間さえなかったのだ。


「夜は私がミシャのために料理を作ってもいいだろうか?」

「忙しいのでは?」

「料理を作るくらいはできる」


 やはり忙しいのではないか。 

 無理しなくてもいいと言うも、ヴィルは首を横に振って否定した。


「ミシャに料理を作ることは私の趣味だ。趣味に割く時間くらい、作ってみせよう」


 そんなわけで、夜にもヴィルはやってくるらしい。

 ならば私はデザートくらい用意しておこう。


 その後、ヴィルと別れたあとはガーデン・プラントの薬草の手入れを行い、明日から授業が始まるので予習に励む。

 夕方からはライチのムースを作って、ヴィルがやってくる夜を待つ。

 ヴィルは宣言していたとおり、立派なミートパイを持って、やってきた。

 

挿絵(By みてみん)

『婚約者を捨てたら、楽しい魔法学校の生活が待っていました』(旧タイトル:婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレてグーパンで懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話)

第二巻が本日発売です!

本文加筆修正に加え、書き下ろし番外編が2本収録されております。どうぞよろしくお願いします!

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