エアがパジャマパーティーでやりたいこと
次に、エアがやりたいことを発表する。
「俺は、みんなで魔導カードの新作を開封しようと思って、持ってきたんだ」
そう言ってエアはボックス入りのカードを出してくる。
もっとも食いついたのはノアだった。
「それって、発売前の魔導カードの第八弾〝神聖帝国の絶対守護〟じゃないか!! どうして持っているの!?」
「おじさんが特別に、持たせてくれたんだ」
「ああ、そういえば、魔導カードの発売元はミュラー商店だったね」
盛り上がった様子を見せるノアがいる一方、魔導カードをよく知らないレナ殿下とアリーセは小首を傾げている。
興奮しているノアに、レナ殿下が問いかけた。
「ノア、その魔導カードというのは、流行っている物なのか?」
「はい! そうなんです! 発売したら即売り切れるほど人気が高く、大人から子どもまで夢中になっているものなんですよ!」
「なるほど、初めて知った」
エアはみんなにボックスの中のパッケージを手に取るように勧める。エアは最後に残ったのを自らのカードにしたようだ。
初めて開封するというレナ殿下とアリーセに、エアが説明する。
「これは魔法が付与されていて、開封したらカードに描かれた絵が浮き出てくる仕組みなんだ。だから、びっくりするかも」
「そんな仕組みなのか」
「想像できませんわ」
私が以前、引き当てた魔導カードを二人に見せてみる。
「これが実物よ。前にエアに貰って開封したものになるんだけれど」
星の数は三の〝必殺! バースト・スーパー・ストーム!!!!〟である。
裏面に刷られた呪文を摩ると、幻術で作り出された火が巻き起こる。
「きゃあ!」
「こ、これは」
このデモ演出を見ることができるのは、開封時のものを含めて三回。
それ以降はカードをゲーム使用時に使うときにしか発動できないのだ。
「本物みたいですわ」
「本当に。これは流行るわけだ」
さっそくノアが開封してみる。
パッケージを破くと、カードが眩い光を放った。
光線が差し込み、空中で爆ぜる。
「星三つ〝レイ〟、初めてのカードだ!」
続いてレナ殿下が開封する。ノアのカードよりも強く光った。
登場したのは白い羽毛を持ち、長い尾を持つ鳩。
「星六つ〝セイント・ピジョン〟」
「今シリーズの新キャラで、レアですよ」
「そうなのだな」
アリーセが引き当てたのは星四つ、回復効果がある光輝く雨。
「〝シャイン・レイン〟美しいカードですわ!」
エアから「次はミシャ!」とご指名を受けたので開封してみた。
カードが淡く光り、シャボン玉のようなものが浮かび上がってくる。
「星二個、〝ライト・シャボン〟」
他の人達に比べて地味なカードである。
アリーセやレナ殿下はきれいだと言って喜んでいた。
最後はエアが開封するようだ。
「俺もなんかきれいな聖術のカードが出ないかな」
なんて言いながら開封すると、眩い光がカードのパッケージから差し込む。
「こ、この演出は――スーパーレア!?」
カードから浮き出てきたのは、パッケージに描かれた聖なる翼馬。
「星七個の〝ディヴァイン・ペガサス〟だ!」
すかさず、ノアが叫んだ。
最後にエアが引いたカードがスーパーレアだったなんて。
残り物には福がある、というわけなのだろう。
その後、エアとノアが魔導カードで対戦をし始める。
迫力ある演出を前に、盛り上がりを見せていた。
アリーセやレナ殿下も楽しんでくれたようで、ひとまずよかったよかった。




