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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
幕間 楽しいホリデーを!

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ミシャがパジャマパーティーでやりたいこと

 部屋にどっかりと置かれているベッドはキングサイズ以上あるように見える。

 こんな大きなベッドを見たのは初めてだった。

 そんなベッドにはピクニックのときに使うような敷物が広げられており、軽食が入ったバスケットも用意されている。


「じゃあ、パジャマパーティーを始めようか」


 ノアの宣言を聞いた私とエアはベッドに上ったものの、他の人達は少し恥ずかしそうにしていた。

 きっと友達同士でベッドに上がることなんてないので、照れているのだろう。

 私は前世で弟や妹達と眠ることがあったので、慣れっこだった。

 エアは寮で集団生活をしているので、特に躊躇いなどなかったに違いない。


「どうしたんだ?」


 エアが不思議そうに尋ねると、レナ殿下が「お邪魔しよう」と言ってベッドに上った。

 それにノアやアリーセも続く。

 皆の使い魔も、ベッドの上に上ってくる。

 エアの使い魔であるリザードはギリギリ乗ることができる大きさだろうか。リザードはエアにもっとも近い場所を陣取っていたが、尾はすべてベッドからはみ出ていた。

 レナ殿下の一角馬ユニコーン、シュヴァルは体が大きいので、さすがに上れなかった。ベッドの傍に腰を下ろし、楽な姿勢を取っている。

 ジェムはどこにいったのか、と探したら天井に張り付いていた。

 相変わらず、マイペースな子である。

 皆、初めてのパジャマパーティーで、どう振る舞っていいのかわからない、という感じだったが、メイドが作ってくれたホットミルクを飲むと、少し落ち着いた様子を見せる。

 ここで私がやりたかったことを発表した。


「今日、みんなとクッキーのデコレーションをしたくて」

「クッキーのデコレーション?」


 皆、ぽかんとした顔を見せる。


「ジェム、預けていた物を出してくれる?」


 お願いするとジェムは天井から下りてきて、バスケットをペッと口から吐き出した。

 中に入れていたのは、さまざまな形に型抜きしたクッキー。


「このクッキーに、チョコレートを塗ったあと、チョコチップやナッツとかのトッピングを付けて食べるの」


 それにいち早く反応したのはノアだった。


「楽しそう!」

「でしょう?」


 トッピングは十種類。先ほど言った物の他に、ドライフルーツ、チョコスプレー、アラザン、エディブルフラワー、ジュエリーシュガー、ベリーパウダー、ココアパウダー、オレンジピールを用意してみた。

 チョコレートもブラックチョコレートに、ミルクチョコレート、ストロベリーチョコレートに、ホワイトチョコレートを用意してみた。

 クッキーの形は花、雲、星、猫、犬、宝石の六種類。


「猫もありますわ!」


 アリーセは頬を染めながら、猫の型抜きクッキーを指差す。

 チョコレートは砕いて鍋に入れ、ジェムの上に置く。するとジェム自体が発熱し、溶かしてくれた。


「チョコレートはスプーンで掬って塗っていいし、こうやって直接ディップするのもいいかも」


 花のクッキーにストロベリーチョコレートを塗り、ジュエリーシュガーを散りばめる。


「きれいなクッキーだな」


 レナ殿下が感心したようにデコレーションしたクッキーを見つめる。


「よし! 俺はかっこいいクッキーを作ろう!」


 エアはそう言って犬のクッキーを手に取ると、ダークチョコレートを塗って、チョコチップで目と鼻を作って犬だと言っていた。

 アリーセは猫のクッキーを手に取って、使い魔であるキティに似せるように頑張っていた。

 ノアは宝石のクッキーを手に取るとストロベリーチョコレートを塗り、銀のアラザンを振りかけて華やかな一枚に仕上げていた。

 レナ殿下は雲のクッキーを手に取り、ホワイトチョコレートで本物のように仕上げる。

 真剣な横顔を見せていた。

 一枚、二枚、三枚と完成させていき、用意したお皿には個性豊かなクッキーが完成していく。


 できあがったクッキーは皆でおいしく食べた。

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