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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
六部・四章 叔父を捕まえろ!

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王都のレヴィアタン侯爵邸にて

 その後、宿に戻ってヘルタと少し話し、バーチで一泊することになった。

 あとはルドルフとその母キャロラインを探さなければならないが、ひとまずミュラー商店が担ってくれるという。

 画師を呼んでルドルフ親子の似顔絵も完成させた。

 あとは発見時に本人で間違いないか、確認作業をするばかりでいいようだ。

 ヘルタはミュラー商店が経営する宿で、住み込みで働くことが決まったという。

 主に裏方で、表に出なくてもいいように取り計らってくれるようだ。

 父親に所在がバレないよう、別の名前で働くという。

 自分の名前すら自由に名乗れないなんて酷い、と思ったが、ヘルタはそれでいいという。


「もともと身分証は持っていなかったし、この名前も親父が付けたものだからさ、そこまで執着はしていないよ!」


 なんとも頼もしいことを言ってくれる。


「ヘルタ、また遊びにくるから」

「ああ、そのときはお礼に紅茶の一杯でも奢らせてくれ」


 これからは自分の好きなことに、稼いだお金を使うと言う。


「楽しみにしているわ」


 私とヴィルはヘルタやミュラー男爵と別れ、セイグリッドに乗って王都へ戻ることとなった。


 ◇◇◇


 ヴィルと一緒に、レヴィアタン侯爵にバーチであったことを報告する。


「そのようなことがあったのか……」


 レヴィアタン侯爵は眉間に深い皺を刻み、深いため息を吐きながら、一枚の調査書を差しだしてきた。


 そこには、以前ヴィルに毒を盛ったのちに自害したレイド伯爵と、ツィルド伯爵の繋がりについて書かれていた。


「どうやらレイド伯爵もツィルド伯爵と結託し、動いていたことが明らかとなった」


 ヴィルを苦しめた薬物、ミリオン礦石について情報を流したのもツィルド伯爵だったらしい。

 自分の手を汚さずに他人に犯行に走らせるというのは、ツィルド伯爵の手口のようだ。


「ツィルド伯爵を捕まえようにも、十分な証左しょうさがない」


 レイド伯爵との関係も目に見えるような証拠はなく、解雇され行方不明となっていた元使用人から聞き出した情報のみだったようだ。


 レイド伯爵といえば、ミリオン礦石である。

 ミリオン礦石から作られた毒は、国王陛下の食事にも混入されていた。

 二人の関係が明らかになったことにより、ツィルド伯爵が国王陛下の命を狙っていたことも判明したのだ。


「ツィルド伯爵の目的は――」

「間違いなく、王位簒奪さんだつだろう」


 レイド伯爵と同じく、ルドルフの母キャロラインもミリオン礦石を所持していた。

 もしかしたら二人も関係がある可能性が浮上する。


「だんだん混乱してきました」

「ミシャ、安心しろ、私もだ」


 どこで何が起こっているのか、頭の中がぐちゃぐちゃである。

 ひとまず優先すべきは国王陛下の安全だという。

 騎士も、貴族も信頼できない以上、頼るべき相手はミュラー商店になる。

 後日、レヴィアタン侯爵はミュラー男爵と話をするようだ。

 ひとまずこの問題はレヴィアタン侯爵に預けてほしいと言われる。


「残りのホリデーは、楽しく過ごしてくれ」

「いいのですか?」

「ああ」


 とは言っても、どこに敵がいるのかわからない以上、のほほんと過ごせるわけがないのだが。


「ミシャ、うちにくるか?」

「リンデンブルク大公家のお屋敷にですか?」

「ああ、きっとノアも暇を持て余しているだろうから」


 みんなで集まって遊ぶのもいいのかもしれない。

 レヴィアタン侯爵もそのほうがいい、と勧めてくれたので、ヴィルのお言葉に甘えることにしよう。 

 

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