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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
六部・三章 思惑渦巻く

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ルドルフの捜索へ

 翌日から、私とヴィルもルドルフの捜索に参加することとなった。


「彼は病弱で、行動力があるわけではありません。そのため、どこかに潜伏しているはずです」


 もともとルドルフの王都での拠点だったリジーの母方の実家も調べたようだが、いなかったという。叔父が働いているツィルド伯爵の屋敷も同様に。

 調査ついでに、リジーの現状についてもヴィルは教えてくれた。

 なんでもリジーはツィルド伯爵の屋敷でなんの苦労もなく、悠々自適に暮らしているようだ。

 とんでもないことをやらかしたのにお咎めなどなく、のんきに暮らしているなんて。

 リジーのせいで国家間の関係が険悪になりかけたというのに。

 料理クラブに嫌がらせをしてきた件を思い出し、腹立たしくなる。

 いいや、リジーについて考えるのは止めよう。ムカムカする時間がもったいないから。


「どこから調査しようか」

「行きたいところがあるんです」


 向かった先はギルド。ここでルドルフの調査を依頼するのだ。


「なるほど、ギルドか」

「最初はルドルフの母親をギルドで探そうかと思いついたのですが」


 彼女はそうやって探そうとしたら、余計に姿を隠してしまうかもしれない。

 そのため、使わないほうがいいのではないか、と思いとどまったのだ。


「ルドルフならばきっと、関係者以外の調査の手が届くことなんて想定していないでしょうから」

「わかった。ならば、依頼金と報奨金は私が支払おう」


 窓口に行って手続きを行う。私がギルド会員だったので、スムーズに依頼できた。

 支払いはヴィルが所持する隠密機動局の指輪でできるらしい。

 ギルドではお馴染み、窓口にある水晶にかざすと、あっさり支払いは完了する。

 もしも見つかった場合は通信魔法で知らせてくれるらしい。

 依頼者専用カードを渡された。これに表示されるという。

 報奨金が高いことから、ギルド内でも目立つ位置に掲示されるようだ。

 あとは結果を待つだけ。


「私達がルドルフを見つけるのが先か、それともギルド会員が先か」

「勝負だな」


 もしも発見できたら、報奨金は支払わなくてもいいのだ。


「では、探しま――」


 気合いを入れようとした瞬間、窓口からの会話を耳にしてしまった。


「うちの息子が、忽然こつぜんと消えたんです! 体が弱くて、まともに外も歩けないような子が!」


 ルドルフと似たような境遇だったので、思わず聞き耳を立ててしまう。


「最近そういったご相談が増えていまして」


 依頼人は騎士にも訴えたようだが、家出ではないのかと言われ、まともに取り合ってもらえなかったらしい。


「誰かが誘拐して、どこかへ売り払ったのかもしれません! ほら、今、噂になっているでしょう?」

「お、落ち着いてください」


 ヴィルも話を聞いていたようで、似たような依頼がないか掲示板を見に行こう、と誘ってくれた。


 掲示板の前には多くの人達がいて、依頼を眺めていた。

 ルドルフの探す依頼もすでに掲示されており、食い入るように見ている人達がいる。


「また行方不明者捜しの依頼かよ」

「最近多いな」


 依頼書を見ていると、共通しているのは皆いきなり姿を消していること。

 ルドルフの状況とそっくりである。


「これ、あれだろう? ほら、今噂になっている」

「あー、あれだな」


 先ほど窓口にいた人も、噂がどうこう言っていたような。

 もっと詳しく聞きたいのに、ふんわりとしたことしか言わない。

 ヴィルにどうしようか相談しようと隣を見たら、彼の姿はなく。

 先ほど話をしていた男性二人組に話しかけていたのでギョッとする。


「先ほどの話、詳しく聞かせてくれ」

「え?」

「いやあ……」


 ヴィルが金貨を数枚握らせると、彼らはあっさりと教えてくれた。


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