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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
六部・二章 王都での調査

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レヴィアタン侯爵邸にてその⑥

 ルドルフは現在、リンデンブルク大公が保護し、監視下の中にあるという。

 疑惑の二人が、一緒にいるというわけだ。


「ひとまず一度家に戻って、父とルドルフ・アンガードに話を聞いてくる。ミシャはひとまず、ここで待機していてほしい」

「はい」


 いつもだったら私も!! と言っているところだったが、ミュラー男爵邸で危険な目に遭ったという前科があるので大人しくしておくことにした。


 話はこれで一段落と思いきや、レヴィアタン侯爵から話があるという。


「ヴィルフリートからいろいろ話を聞いている。国王陛下のために尽力し、国の問題にも関わっているミシャ嬢に、我々〝隠密機動局〟の仲間になってもらいたいのだが」

「はい」


 お役に立てるのであれば、ぜひ協力させてほしい。

 そんな言葉を返すと、レヴィアタン侯爵は「ありがたい」と言ってくれた。


 秘密保持についての契約を交わしたあと、〝隠密機動局〟の身分証らしき銀の指輪が手渡される。


「これがあれば、国内の施設はどこでも出入りできる。給金などもこの指輪で引き出すことができるゆえ、なくさないように」


 なんでもこの〝隠密機動局〟は給金が振り込まれる仕組みらしい。

 思っていたよりもたくさんいただけるようで、これだったら学費が払えるのではないか、と思っているのだ。

 現在、私の学費はホイップ先生が払ってくれている。

 ガーデン・プラントの管理と引き換えだったが、現状、チンチラ達に任せっきりだったので、私はほぼ何もしていない。ずっと心が痛んでいたのだ。

 これで学費を返す目処が立つかもしれない、と希望が芽生える。


「ありがとうございます、頑張ります」

「ああ、期待している」


 最後に、ヴィルが私に釘を刺す。


「当面、ミシャの単独行動は禁じさせていただく」

「はい、もちろん、そのつもりです」


 ヴィルの信頼を得るために、まずは報告ほう連絡れん相談そうを第一に行動しよう、と心の中で誓ったのだった。


 ◇◇◇


 ホリデー突入から一週間後、教師陣から転移魔法で続々と課題が届く。

 馬術大会の騒動のあれこれで何も言われないまま解散となっていたのだが、しっかりやることはあったようだ。

 早起きして課題に集中し、午後からは自由時間だ。

 レヴィアタン侯爵夫人自慢の庭を見学して回ったり、一緒に刺繍をしたり、お菓子を焼いたり。

 お茶会を開いたらレヴィアタン侯爵も参加してくれた。

 レヴィアタン侯爵夫妻には、本当によくしてもらっている。

 感謝するのは言うまでもない。


 しばらくはのほほんと過ごしていたのだが、ヴィルが深刻な表情で訪問してきた。

 何があったに違いない。

 レヴィアタン侯爵は不在だったので、二人きりでの面会となった。


「ヴィル先輩、何かあったのですか?」

「ああ」


 ヴィルは重たい口を開く。


「リンデンブルク大公家で保護していたルドルフ・アンガードが、逃げたようだ」

「なっ――!?」


 リンデンブルク大公家には強力な結界が展開されており、外から入ることは不可能だという。

 ほぼほぼ間違いなく、ルドルフ自ら監視の目を掻い潜り、出て行ったのだろう、と。


「ど、どうしてルドルフは逃げたのですか?」

「わからない」


 ヴィルはルドルフと接触する前だったという。


「何か理由があったとしたら、父が何かルドルフに言ったのかもしれないが……」


 ヴィルは「はあ」と憂いを含んだため息を零す。


「実は、父がキャロライン・ド・サーベルトとの関係を認めた」

「わあ……」


 ルドルフはリンデンブルク大公の息子で間違いないらしい。 

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