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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
六部・二章 王都での調査

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魔王騒動の後始末

 その後、ホイップ先生からホリデーに入ってからの校内がどれだけ大変だったか知らされる。


「校内に雷撃が降り注いだでしょう? その雷が汚染していたみたいで、除染作業から始まったのよお」


 聖職者を呼んで、浄化魔法を施して回ってもらったという。

 その後、破損した建物を修繕したり、敷地内に魔王の影響がないか調査したり、保護者からの問い合わせに対応したり、と忙しい日々を過ごしていたという。


「建物の修繕まで先生達がしているのですか?」

「そうなの~。資格者しか入れない薬物保管庫とか、職員室とか~」

「先生達が軽傷を負った話は聞いていましたが、職員室が雷撃の被害に遭っていたのですね」

「酷い話だったわあ。でも、生徒が全員無事だったから、不幸中の幸いよねえ」


 馬術大会中で、生徒達がある程度まとまって集まっていた場所の結界が強固だったので、負傷者を出さずに済んだようだ。


「馬術大会は危険な競技が多いから、観客にけが人が出ないよう、結界をいつも以上に強くしていたみたいで~。それがなかったら、もっと被害は大きかったと思うわあ」


 授業で使っているような教室もいくつか雷撃が貫いていたようで、馬術大会でなかったらと考えるとゾッとしてしまう。


「拘束されたルドルフ元先生だけれど、何も知らないの一点張りみたいでえ」

「それは、そうでしょうね」


 きっと彼は本当に何も知らないのだろう。

 ただ、辛い現実から目を背けるために、意味もわからないまま黒い宝石を使ったのだ。


「回収した黒い宝石を解析したのだけれど、魔王の魔力を封じたものだとわかったみたい~」

「魔王の、魔力ですか」

「ええ。なんでも魔王を討伐しきれずに、宝石に魔力を分散させて封じたようなの。歴史上では、倒したことになっているけれど」

「そう、だったのですね」


 エアから貰った緑色の宝石の魔宝石は封印のかなめとなっているもので、それ以外に七つの宝石があるという。


「七つの宝石に魔王の魔力を分散して封じていたみたいなんだけれど、黒い宝石はその中の一つみたいでえ」


 七つの宝石は王家の呪物として厳重に保管されていたようだが、調査をしたところ黒い宝石だけ紛失していたようだ。


「黒い宝石は魔王の魔力をもっとも多く封じていたみたいで、その一つだけでも解放したら、復活の手助けになっていたみたい~」


 ただ完全に復活するには七つの宝石が必要だという。


「七つの宝石を解放するまでは、王太子の証でしっかり封じることができたから、ミシャ、あなたが持っていて本当によかったわあ」


 話を聞けば聞くほど、ゾッとしてしまう。


「あのとき、ジェムが王太子の証を出してくれたんです」

「ジェムはきっと、わかっていたのねえ」


 私の隣でキョトンとした表情を浮かべるジェムに、改めて感謝する。


「ジェム、あなたがいなかったら、今頃世界は大変なことになっていたわ」


 魔法学校の英雄だと言うと、ジェムはまんざらでもない表情を浮かべていた。


「しかし、ルドルフが所持していた黒い宝石が王家の所持品であったのならば、それを持っていた母親は――」

「王宮から持ち出した犯罪者ということになるわねえ。ただ、もう亡くなっているみたいだから、罪を咎めようがないのだけれど~」

「ち、違うんです」

「違う?」

「はい! ルドルフの母親は、生きているんです」

「なんですってえ」


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