出会い
討伐クエストの準備に鍛冶屋が多く集まる町『チューダットミネラ』に行くことに。そこで初心者狩りの騒動に巻き込まれることとなり…
『ベルリナ…起動しました。スポーン地点を選択してください。』
「そろそろ討伐クエストに行きたいから、まずは準備だな。」
『スポーン地点はチューダットミネラ。それでは、ベルリナの世界をお楽しみください。』
~チューダットミネラ~
ここチューダットミネラは鉱山のふもとの町である。その為比較的に鍛冶屋などの金属を取り扱う店が多い。
「こらガキぃ!待ちやがれ!」
クエスト前に武器を一式揃えようとする冒険者たちは当然お金を普段よりも多く持っている。当然それを狙う輩もいるだろう。盗賊…というよりは、大抵この手はパソコンを持ち始めたばかりの子供かベルリナのアンチだろう。意外と皆やらないのだが、初心者スキンにして携帯してる装備も古くなって使わなくなった物にしとけば狙われる確率は少なくなる。クエストのたびにそこまで慎重になる人もいないということなのだろうか。
「いくら素手だからといって、間違って攻撃したのなら謝るべきなんじゃないのか!?」
「あ、あの…すいませんでした…」
「あーもういいわ。こいつを倒してスッキリする方がよっぽどいいってもんだ!!!」
「ひぃ!。誰か、誰かぁ!!」
よく見たら、初心者狩りか!?、それにこんな幼女を相手にして。いつもの鍛冶屋に行く予定だったのを一旦やめ、ギャラリーに交じってこの騒動を見ることにした。ギャラリーが多すぎてよく見えなかったが、隙間から見えた幼女は既に四肢がちぎれんばかりの酷い傷を負ってた。幼女の目はもう光が無い。
「思い知ったか!。エモートで謝罪もできないとはなぁ!。これでとどめを…」
これは自分でもわからなかった。でも今ギャラリーと初心者狩りに目を向けられてる自分がいる…
「…この子の傷を手当をします。あなたはこの場から立ち去ってください。」
「勝手なことを口にするな。初心者ぁ!!!」
戦いが始まった。相手はレベル40といったとこか。しかし高校生活の半分以上をこのゲームに捧げてきた自分にとって相手の攻撃はもはやスローモーションにさえ見えていた。
「っ!!」
「この攻撃をかわすとは。しかしこうしてる間にあの幼女のHPは見る見るうちに減っていくぞ?」
何をやっているんだ俺は!。こんなやつを助けても何にも意味なんて無いのに。それにここで死にでもしたら、あいつに経験値と金がわたってしまうだろ?。そうだ。目くらましの攻撃を一発くらわしてそれで逃げる。それで…
「ほらな。」
「えっ?」
ゲームオーバーをしたらリスポーン地点に強制的に戻される。まさに今幼女にはそれが起きていたのだ。
「すくおうとしてくれてありがとう。なまえだけでもきかせてください。」
「ダイトーだ。君は?」
「わたしはxxxxxxxxxxxxxxx」
彼女が消えていくのを見ながら最後に見せた彼女の笑顔に心を持っていかれたダイトーに、振りかざされた太刀はもはや痛みさえも感じさせなかった。
読んでいただきありがとうございます。実はオープンワールドもののゲームを一切やったことがなく、半分自分の想像で書いてる感じです。次回の投稿予定は特に決めてませんが、応援コメントを書いていただくと嬉しいです。ベルリナの世界、どんどん広げていきたいと思いますのよろしくお願いいたします。