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二つの選択  作者: 青野ひかり
9/12

私が決める

クロが話している最中、ボンヤリと一筋の光が漆黒の闇を照らし始めた。シロは光が苦手なのか、手を額に翳して、眼を細めた。


「いよいよ時間が迫ってきたわね。今は一筋だけど、この光はどんどん広がって、闇を消すわ。闇が完全に消えたときがタイムリミットよ。

最後に一言だけ言わせて。貴方の人生はクロの言う通り、辛いことも苦しいこともたくさんあるわ。でもね・・幸せだと感じることも楽しいと思う日も確かにあるの。私も嘘は吐かないわ。

あとは、貴方の人生よ。貴方が決めなさい。」


シロは最後に私にそう言うと立ち上がり、

「クロ!あとはこの子が一人で考えることよ。私達は行くわよ!」

と有無を言わせない口調で言った。


クロは、

「分かったわよ!」とシロに言い返すと、

「どちらに決めても心のなかで私を呼んで。結論を聞くから。じゃあね。」

淡々と私に告げ、一瞬で跡形もなく姿を消した。周りを見渡すとシロも消えていた。


まだ、光は一筋しか差していない。今までただ怖いだけだった暗闇の中が、何故か少し居心地よく感じた。闇が私の決断を待ってくれている・・。

そんな気がしたからだ。


私はその場に横になって、考え始めた。

クロの言ったこと、シロの言ったこと、私の人生、クロとの交渉、辛いこと、楽しいこと、今より確実に幸せな来世・・


私の中に様々な言葉や景色が浮かんでは消える・・。

そして、私はゆっくりと目を閉じた。


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