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白ずくめの少女
私は恐る恐る上を見上げると、淡く、白い光に包まれて少女がゆっくりと降りてきた。
その少女は、長くて白い髪のポニーテールに、白くて丈の長いワンピース、白いフリルの靴下、白い靴、そして雪のように白い肌。
眼は少し小さなたれ目で瞳は淡いピンク色をしていた。黒ずくめの少女の方が可愛い顔立ちだが、白ずくめの少女の方が、優しげで、人に安心感を与える落ち着いた雰囲気だった。
私の目の前に降り立った白い少女は、私の目を見てから、申し訳なさそうに頭を下げた。
「ごめんなさい。酷い話を聞かされて辛かったでしょう?あの子のやり方は本当に嫌いだわ。人生の辛い部分しか聞かせないなんて。」
黒ずくめの少女は、
「嘘は言ってないわよ!」と鋭く反論した。
白ずくめの少女は反論を無視して、微笑を浮かべて、私に語りかけた。
「きっとあの子のことだから、自己紹介もしていないわよね。私の名前はシロ。あの子の名前はクロ。これでも、双子の姉妹なのよ。
似てないでしょう?」
シロという名の少女の優しい声と落ち着いた口調に、高ぶった感情が少し治まり、私はヘナヘナと座り込んでしまった。